またもや間が空き申し訳m(_ _)m
今回は説明的なお話です。
18.りら日記〈1〉
★☆あっち歴では七月十日のはずの日☆★
あたしこと坂崎りら、なんと異世界に召喚されました!
なんか親父が勇者でそのカンケイで喚び出されたらしいよ。
でもこっちの都合も訊かずに召喚したヤツらに使われるのはムカつくので、ドサマギに逃げ出したところを東の魔王ことカーディナルに拾われて、衣食住の面倒を見てもらえることに。
わ〜いラッキー☆
美人と同居ラッキー♪
◇☆◇★◇☆◇★◇
ちょっとごわつく固い紙に、つけペンの先を走らせるというより削るように、文字を書く。
うん、日本語はこのようなペンで書くのには相応しくないとよくわかります。ちょーひっかかるよ。
そう、わたくし、美人大家さんに紙と書くものを頂いて日記を書き始めたところでございますの。
覚え書き風に。
自分の気持ちを整理させるつもりもあって。
三日坊主になる危険性が無きにしもあらず。
サラサラならぬガリガリと、紙に言葉を書き付ける様子を、横で見ていたカーディナルが「面白い文字だな、」と呟いた。
合間合間に挟む星印やハートマークを指して、この紋様は呪術か? なんてボケたことを訊くので、そのときの気分を表す落書きだよ、と言うと不思議そうにする。
何故そんなものを書く必要があるのだと首を傾げ、しかし納得はしてないながらも、疑問は流すことにしたようだった。
彼もだいぶあたしのスットンキョーな言動(いや、彼からすると、だけどね?)には慣れてきたみたい。流されてもサミシイんですけどもー。
◇☆◇★◇☆◇★◇
こっちの世界――あたしが生まれたあっちの世界を『地球』とするならば、こちらは『カレイド』という。
カレイドでは12が基本となる数で、一年が十二ヶ月っていうのは地球と同じ。日数は違うけど。
この世界を創ったと言われるソルトルクレル神の数が十二柱で、それにそっている。
神代から前代にかけて、旧神と呼ばれる五柱の神――
・統神王
・嵐女神
・舞神
・歌神
・雪神 が失われ、
今では七柱の神、
・星神
・光神
・闇神
・緑神
・鋼神
・流神
・炎神 が残るのみ。
◇☆◇★◇☆◇★◇
て、これカーディナルが教えてくれたまま書いてます。
面白いのは、耳に入る音が――例えば、『東の魔王』が『イーザーラゥド』と聴こえつつ、頭の中で“東の魔王”という意味に変換されるみたいに、神サマの名前もそんな風にあたしは聴こえること。
・星神⇒リュストローグ
そう書いた文字の意味をカーディナルに説明したときに、正に、星神は夜空の星を象徴する神だって言われて、この剣の翻訳機能はどうなってるんだと思ったよ。万能すぎ。
てゆか、こちら“星”剣ですよ。神サマが造ったってゆうの、ハッタリじゃなくてマジなんだ、ってなんとなく納得しちゃうじゃない。
いやそれよりも、神が今このときもこの世界に存在しているという当然の考え――文化? が、どうにも馴染めないんだけど。
カーディナルが言うには、7柱の神サマは果ての地にある天山に居て、世界を見守ってるらしい。
神代に人間と関わりすぎて理が乱れ、その為に旧神が失われたので、神サマは隠居しちゃって、世界に直接関わることはなくなったから、今の世で彼らを直に目にすることが出来るのは最高位の神官でも限られた者くらいだろう、って。
いやマテ。
限定でも会えるのかよ!?
会っちゃってるのか神サマと!?
なんか、聞いていると、信仰の対象のような形が漠然とした神っていうより、生死のある、血肉を備えたヒトみたいなんだけど?
って言ったら、あながち間違いでもないと、そう返事。
カレイドの三大国、北のフェリアは雪神が、西のウェスタは舞神が、東のアガーテは歌神がそれぞれ興し、祖となったんだって。だから、王家のひとは神サマの血が流れてるそうです。
それを言うならお前の血筋も、とカーディナルがなんか言いかけたけど、途中でまあいいか、みたいな顔になって結局言わなかった。
あたしの血がどうした。
途中で止めないでよ気色悪い。
ええと、そゆワケで、十二と七が神聖な数字、らしいです、こっちでは。
カーディナルはあたしが質問攻めにしても嫌な顔ひとつせず(常に無表情だから本当にはわかんないけど)、逐一詳しく教えてくれる。
詳しすぎて細部に説明が行き過ぎ、脳みそから情報が溢れそうになるのが難。
普段はあんまり喋んないくせに、こういう専門知識になると饒舌になるのは魔法を使うからなのかしら。
カーディナルに言わせると、お前の言う魔法と魔術は違うものだ、ってことらしいけど、いいじゃん、ひとくくりで“なんかワケわかんないミラクルなチカラ”でさ。使えないこっちにしてみれば何だって一緒だよ。
っていうと、諦めたようなため息をつかれた。失敬な。
『理と万物の素を組み換えて発動する魔術はその構成を理解していないと正しく術を行使できなくなる、だから世界を知ることが第一条件だ』なんて滔々と説明されても、ふうんそうなんだーとしか言いようがないよね?
魔王さまなのに勉強熱心なのはそういうワケ……てゆか、魔術を勉強する魔王さまってかなり違和感なんだけどー。
これまでの様子を見てると、単に知ることが楽しいんだって思ってたよ。知識オタクっての?
じゃなきゃ、あっちの世界のことまで事細かく聞いて来ないと思うんだ。
聞いたあとは満足げに頷き、さして何をするわけでもないし。
……やっぱり趣味だ。
そうそう、そのカーディナルが興味津々だった星剣の翻訳機能の有効範囲をさっそく調べてみました。
一番長い廊下の端に、アストラルを置いて、カーディナルと話しながら歩いて剣から離れる。十メートル。二十メートル。三十メートル、だいたい四十メートルを過ぎたあたりで、耳に聞こえるカーディナルの言葉が日本語とカレイド語混じりになって、五十メートルでもう何がなんだかわからない。
「五十メートル? 意外と使えんわね」
カーディナルにもあたしの言葉がわからなくなった。
とりあえず、あたしはこっちの言葉を覚えるまで、剣を手離さない方がいいみたい。
そんな感じ。
神サマはこちらでは直接関わってこないので(そのはず…)、ふ〜んそうなんだ〜的に思って下さって結構ですよー。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。