FILE:14 破局 1
ねぇ、ホントにわたしなのかな?
新一の一番近くにいれるポジションは、今はわたしだよね。
けれど、ホントはわたしじゃないのかもしれない。
なーんて、最近よく思うんだ。
どうしてなんだろう。
やっぱりあの子が関係してるのかな。
星野さん、だったっけ?
凄く近くにいて、約束事っぽいのしてて、新一も守ってるでしょ?
時々寂しいなぁって感じるの。
隣にいた人が、突然消えてしまったような。
そう。
コナン君だった時みたいに。
あの頃程苦しかったりはしないけど、今も、あの子が来る前よりは苦しい。
そんなわたしを、あなたは受け入れてくれますか?
単なるわがままかもしれない。
だけど、そんなわがまま、今日だけだから……
理解ってほしい。
もしもまた、あの子の存在が大きくなったら。
今度こそ、壊れちゃうかもしれない。
でも、信じ続けてる。
あの頃のように。
◆◆
わたしの少し前を歩く、背の高い、帝丹の制服を着た男の子。
見慣れている、何度もしがみ付いた、その背中。
わかる。
顔を見なくても。
あれは―――
「新一っ―――!」
わたしの声で、テンポよく歩いて足が止まる。
ゆっくりと振り返った顔は、やっぱり新一だった。
「蘭…」
何処か困ったように、笑う彼。
ねぇ、どうしたの?
そう聞きたいのに、聞けないよ。
だって、隣に―――…
「毛利さん?」
「かお…り…ちゃん―――?」
困ったように笑う新一の腕にしがみ付く、あの子の姿がしっかりとわかる。
一方的だけど、腕を組んでるように見える。
こんな姿、見たくなかった。
見たくなんか、なかったよ……
「あっれ〜毛利さんじゃないですか! 家、ここら辺なんですか?」
「あ……ぁ、近くなんだよ」
代わりに答える新一。
「へぇ〜そうなんだっ! 新一君ちによく行ったりするの? 彼女」
「あぁ、まぁな、合鍵預けたから…」
繰り広げられる、会話。
この前までは、確かにわたしだったよね?
その隣にいたの。
けど、違うんだね。
新一は、違う人を選ぶんだね。
もう、聞きたくないことまで聞えてくる。
もう―――…
「あとで、話あるから」
「え?」
聞き逃したのか、再び耳を澄ます。
「朝、体育館裏で待ってるから…」
それだけ言い残すと、わたしは足早にその場から立ち去った。
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