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コルシカの修復家  作者: さかな
9章 盤石のルーヴル、あるいは偽りの楽園
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第88話 オルセー潜入(3)ラボの隠し部屋

side:アダム&ニコラス

 ルーヴルでニノンたちがルカの反応を捉えた頃、ダニエラ扮するニコラスはようやくリシュリュー翼長補佐の手を離れ、アダムの元へと戻ってきた。

 おそらく自力で逃げ出すのは難しいであろう仲間を、どうやって連れ戻すか――頭をひねっていた矢先のことだったので、アダムは新人のフリを忘れて「おう」と軽々しく片手を挙げた。


「よく戻ってこれたな」

「ああ……」


 ニコラスは多くを語らず、代わりに深々とため息を吐いた。心なしかスーツはくたびれ、疲れが顔に浮いて出ている。あんな美人に一体何をされたというのか。気にはなったが、こうも疲弊している相手に根掘り葉掘り聞くほど無神経な人間でもない。

 アダムは労いの言葉もそこそこに、腕時計に目を落とした。あれからゆうに一時間は経過している。

 未だリシュリュー翼長が研究室から降りてくる気配はない。


「もうすぐここにやってくるそうだ」

 アダムの目線から汲み取ったのか、ニコラスはそう言ってちらりとエレベーターに視線をやった。

「さっきの女が部屋に連絡を入れて、催促していた」

「もうすぐってそりゃ、本人の言葉じゃねーの。信用できんのか?」

「だが待つよりほかはない」

「まぁそうだけどさ。せめて日が落ちる前にここを出たいよ、俺は」


 アダムはオルセー研究所に潜入してからずっと、尾てい骨が疼くような不快感に苛まれている。いつ見つかるかも分からない緊張状態に身をさらし続けることは、決して居心地が良いとは言えない。なんなら今すぐにでも逃げ出したいとさえ思ってしまう。

 けれどそんな考えは、ミュラシオルで父の帰りを待っている健気な少女を思い浮かべた途端に、いともたやすく薄れてしまうのだった。


 それから数十分。口を尖らせながら周囲をぶらりと眺めていたアダムは、ついに視界の端で黒い扉が左右に開くのを捉えた。


「おい、ニコ――ダニエラ、来たぞ!」


 二人はさっと近くのパーティションに身を隠した。ポスターの端からそっと顔を出して覗いてみると、エレベーターの中から男が一人、丸めたポスターや冊子類、その他にも荷物をたくさん抱え込んだ状態で出てくるのが見えた。前方が見え辛いのか、ボサボサの金髪頭の男はよたよたとした足取りでホールへと歩いてくる。すぐに白衣の人間が数人、彼の元に駆けつけた。その中には先ほどニコラスを連れ去っていった、美人のインド人の姿も混じっている。


 不摂生な見てくれのあの男こそ、リシュリュー翼長とみてまず間違いないだろう。


 ニコラスとアダムはパーティションや人の群れにうまく身を隠しながら、ホールの外側を回り込んだ。

 人々のざわめきが向けられているのは、今やホールの中心だ。研究員たちはこぞって、やっと登場したボスの発表内容に関心を向けている。

 リシュリュー翼長が大勢の研究員に囲まれているうちに、二人はさっとエレベーターに飛び乗った。


「やった……うまくいった……」


 扉が完全にホールの景色を遮断した瞬間、アダムとニコラスはほっと安堵のため息をもらした。それからアダムは、一〇〇メートル走を全力で走った後のようにどくどくと脈打つ心臓を鷲掴み、ゆらりと天井を仰いだ。思わず口の端から情けない笑いがこぼれる。よく見れば、天井の四隅に配置された天使の彫刻が、こちらを見下ろして微笑んでいる。


「まだエリオが見つかったわけじゃないんだからね」

「分かってるって。そういうニコラスこそ」


 口調が、と言う代わりに、アダムは緩む口元を人差し指でトントンとやった。

 ニコラスの小さな咳払いに重なるように、チン、と音がなった。同時にエレベーターの扉が開く。


『目の前の扉の向こうがリシュリュー翼長の研究室よ。部屋の中にアモンの大時計が見えるはず。廊下に人の影は……ないわね』


 ウィンの指示を受けて、ニコラスは無機質なダークグレーの扉を押し開いた。


 部屋に入ってまず目に飛び込んできたのは、前方の壁一面を覆い尽くすほどの巨大な時計盤だった。正確に言うと、時計盤の裏側だ。ガラス張りの大きな壁の向こうに、巨大な時計があるのだ。壁に沿う形で並べられた横長のデスクのせいで、時計の下三分の一はすっぱりと隠されてしまっている。

 反転したギリシャ数字、左回りに動く秒針。切り絵のように黒い盤の隙間からは、上下を分かつように流れるセーヌ川が、さらにその向こうに広がるパリの街並みが一望できる。


「ぼっと突っ立ってないで。ほら探すよ」


 ニコラスに促され、アダムは慌てて時計盤の向こうに広がる景色から目を逸らした。


「きったねェなあ」


 アダムは思わず顔をしかめた。目の前の机は煩雑で、そこらじゅうに捨てられた飴玉やガムの紙クズが散乱している。捜索に一歩足を踏み出せば、何かをぐしゃっと踏みつけた。どかした足の下で、鼻をかんだあとのティッシュクズがぺしゃんこになっていた。アダムは「うへぇ」という顔でゴミを足蹴にする。

 先ほどまでこの部屋の主が過ごしていた形跡はあれど、人の気配はない。研究室に行けばすぐにでもエリオを見つけられると思っていたから、余計に気が滅入る。


「……うし」


 無理に意気込んで肩に力を入れたアダムは、今度こそ捜索を開始した。

 机の中央には高級そうな平べったいデスクトップパソコンが置かれている。左右には山と積まれた紙の束。下手に触れば雪崩(なだ)れてしまいそうだ。

 アダムは慎重にオブジェのような山を手でどかしつつ、それらの上から適当な一枚を手に取った。修正前のものなのか、書き損じたものなのかは分からないが、研究結果をまとめた論文の一部のようだ。図のひとつすらなく、文字がびっしりと羅列されている。

 真っ黒になった紙面を前に、アダムの目は途端にしょぼついた。正直どこをどう読めば良いのか分かったものではない。そもそも何について書かれているのかすら判断できない。こんな中からヒントを探さなくてはならないのか――気が遠くなり、思わずこめかみを押さえた時だった。

 ぱっと、パソコンの画面が目についた。真っ暗な画面の右下で、ランプが青色に点灯している。

 電源が入りっぱなしだ。


 アダムはすぐさまあたりを見回すと、ひっくり返った姿で床に転がるマウスを見つけ、拾いあげた。それから紙の山をぐっと脇に寄せて、空いたスペースでマウスをこちょこちょと動かしてみた。真っ暗だった画面が作業中の画面に切り替わる。

 おそらく直前までリシュリュー翼長がここで論文の修正を手がけていたのだろう。たくさんの小窓が重なるように表示されている。その一番上に表示されているのは――


「ニコラス、これ」


 アダムは画面を見つめたまま、震える声でニコラスを呼んだ。本棚のあたりを探っていたニコラスは、手を止めてアダムの側へと駆け寄る。


「なにか見つけたのかい。論文? これは……」


 絵画制作の自動化(オートメーション)創造的思考(イマジネーション)のロジック解明、年々減少するエネルギー還元量を危惧し……、安定的な資源の提供を目的とし……、過去に高エネルギー還元実績を数多く持つ画家を被験者として迎え、その思考回路をパターン化することに成功…………


 研究者:リシュリュー翼長シモン・レンブラント

 特別協力・情報提供者:エリオ・グランヴィル


 バッと視線を画面から引きはがし、二人は互いに顔を見合わせた。


「やっぱりいるんだ、エリオは、ここに」

「ああ。そうみたいだね」


 アダムはふたたび画面に向き直り、長々と連なる文章に片っぱしから食らいついた。文章には意味不明な単語が多く見られ、独特な言い回しもたくさん登場する。思うように情報を見つけられない苛立ちから、知らず舌打ちをしてしまう。


「おいロロ」

 アダムは乱暴に、イヤフォンの向こうにいる少年を呼びつけた。

『ロロは今ちょっと、ルーヴル(あっち)対応中』

 代わりにウィンが応答する。

「ウィンちゃん――このフロアに俺たち以外の人間は本当にいないのか?」

 半ば叫ぶように言いながら、アダムは部屋を飛び出した。反響定位(エコーロケーション)の範囲が五階全体に届くようにとの配慮だ。

『もう一度確認するわ』

「頼む」


 やっぱりルーヴルだった――ぎりっと奥歯を噛みしめて、だがすぐにアダムは違う、と思い直した。

 組織ぐるみではない。これは研究所のトップの仕業だ。ルーシーたち一般の研究員にはまさに今日知らされる事実。しかも『協力』だなんて円満な単語を使って。その裏でどんな駆け引きが行われているかまでは、彼女たち組織の末端には伝わらない。ただ『ものすごい研究成果』が、あの『有名な画家』の協力によってもたらされたのだという事実だけが認知される。

 (から)の額縁が延々と掛けられた廊下を乱暴に走り回っているうちに、アダムはこのフロアの人気のなさにいやでも気付かされる。

 しばらくして届いたウィンからの報告も、やはり予想通りのものだった。


『やっぱり二人の人影以外は見当たらないわね』


 再びアダムがリシュリュー翼長の研究室へ戻ってくると、ウィンは言いづらそうに述べた。

 ニコラスは机のそばに突っ立ったまま、紙ベースの論文にひたすら目を通している。アダムが戻ってきたことに気付いてふと顔を上げるが、そのまま首を振って成果がないことを伝えてくる。


「エリオは絶対にこの研究所のどこかにいるはずなんだ。あの野郎、どこに隠してやがる……」


 アダムは机の上を手当たり次第に物色した。募る焦りが次々と腹に沈殿しては、鉛のように重さを増してゆく。


 もしも、十分にデータが採れたからと用済みになっていたら?

 もしも、必要以上の事実を彼が知ってしまっていたとしたら?


 考えたくなくても、脳裏を勝手に最悪の事態が過る。消えろ、消えろ、と念じながら、アダムは開けられる引き出しを全て開けていった。


『ちょっと待って、何かしら――不思議な空間がある』

 全ての引き出しを探し終えた時、ふいにウィンの声が耳に入ってきた。

『ちょうどニコラスさんが立ってる場所の真後ろに』


 ニコラスはすぐさま後ろを振り返る。壁一面の本棚は、上から下まで小難しい本でびっちり埋まっている。


『手元にある地図と、反響定位のデータにズレがあるの。地図の方が間取りが大きい。真四角の、ちょっとした荷物庫くらいの大きさかな。なんだろうこれ』


 ニコラスの元へと駆け寄ったアダムは、彼を傍へ押しやり、手当たり次第に革張りの分厚い本を棚から引き抜いていった。数冊、数十冊……やがて、目線を少し下げたところ、棚の奥に小さな押しボタン式のスイッチを見つけた。アダムはためらうことなくボタンを押しこんだ。


 本棚が割れて、左右にゆっくりとスライドする。

 二人は息をのんだ。現れたのは壁に埋め込まれた小さな扉だった。

 アダムは迷わずその扉を開け、中へと飛び込んだ。


「――エリオ!」


 勢いよく踏み込んだ足元から盛大に埃が舞う。隠されていた部屋にはしかし、探し人の姿は見当たらない。


「なんなんだよ、ここ」


 埃立つ薄暗い部屋にはブラインドの降ろされた窓がひとつ。真ん中に小さなデスクがひとつ。その上には仰々しい数のモニターがいくつも設置されていた。


「どこかを監視するための部屋のようだね」


 いくつも並んだモニターには、それぞれ別々の映像が映し出されている。天井から見下ろすようなアングルばかりなので、きっと隠しカメラの映像なのだろう。

 二人は画面の向こうに目当ての人影が映っていないかを――アダムに関しては画面に顔を突っ込む勢いで――探した。蔦まみれの鉄格子の門、階段の崩れたエントランスホール、壁紙のはがれた廊下、額縁のずれ落ちた居間。映っているのは廃墟の内装がほとんどで、時折道路や建物の外装が映り込んだりしている。


 左から右へ、上から下へ――やがて、アダムの目は右端の小さなモニターで留まった。

 他と違って綺麗に修繕された、大小様々なキャンバスが散らばるその部屋。中央にはキャンバスの乗ったイーゼル。あっ、とアダムは小さな声をもらした。

 キャンバスと向かい合うようにして椅子に腰掛ける青年の後ろ姿は、確かにアダムの記憶の中の姿と合致した。


「エリオ!」


 声が届かないことも忘れて、アダムはモニターに飛びつき彼の名を叫んだ。


「ずっとこんなところで絵を描かされてるのか? なぁ、どこなんだよそこは、おい、エリオ、エリオ!」


 悲痛な叫びが画面を飛び越えることはなく、当人に届かぬまま部屋じゅうに木霊して消えた。

 ダン、と机に手をついて、アダムは項垂れる。それきり、室内は静寂に包まれた。モニターの向こうのエリオは人形のように椅子に腰掛けたまま、ゆっくりとキャンバスに絵筆を運び続けている。

 と、その時、ニコラスがだしぬけに口を開いた。


「このモニターに映っている場所、もしかしてそんなに遠くないんじゃないかい?」


 思わぬ言葉に、アダムは糸で吊られるようにして声のした方を見上げる。ニコラスの瞳は冷静さを保ったまま、左端のモニターを見据えている。

「ほら、これ」

 人差し指の示す先には、舗装された道路の端が映りこんでいる。

「この舗装された道路。サイドに二本、綺麗にレンガが埋め込まれてるだろう。ほら、色違いを交互に。特徴的な装飾だと思わないかい?」

「特徴的な、装飾……」


 アダムの頭の中でぎゅるぎゅると記憶が巻き戻る。ルーヴルに潜入する前。私営の場外離着陸場(ヘリポート)へ降り立ち、パリの街角のカフェへ立ち寄った最中。均等にならされた大都会の道路。両サイドには、同じような小洒落た装飾が施されていたではないか。


「――パリだ」

 弾かれたようにアダムは顔を上げた。

「パリの道路だ」

「ああ。私もそう思うよ」

 と、ニコラスも真剣な顔で頷く。

『だったら私の方が詳しいわ。数年前まで毎日そのあたりを歩いてたんだから。画面に映った建物の特徴を教えてくれる?』

「助かるぜ、ウィンちゃん!」


 アダムは眼前にうっすらと道が開けるのを感じた。遠のいていたエリオとの再会が、もうすぐそこまで迫っている。はやる思いを抑えて、画面に映る外観の特徴を伝えていく。


「相当ボロボロな建物なんだよ。柵はツタが絡まり放題だし、レンガは崩れてるし。屋根までは映ってなくてどんな形かわかんねェけど、壁はクリーム色だ。こりゃ……窓か? 窓に掛かったタペストリーみたいなものも引きちぎれてボロボロだ」

『タペストリー?』

「縦長の絨毯みたいなさあ。一、二……画面には三本映ってる。裂けてて、タペストリーっつうかマフラーって感じだけど。描かれてる模様は……なんだろうな、ペンダントみたいな。勲章か?」

 ウィンは急に無言になった。なにか引っかかることでもあったのだろうか。しばしの沈黙のあと、彼女はやけに確信めいた声で続けた。


『その建物に、心当たりがあるわ』



 *



「んで、シュリー翼長はどこよ?」

 資料を設置したりポスターを貼り付けたり、大方の準備が終わった頃だった。ぐりぐりと首を回しながら、リシュリュー翼長――シモン・レンブラントは気怠げに問うた。


「先ほどまではここに居りましたのよ」

 おかしいわぁと、リシュリュー翼長補佐は艶やかな黒髪を揺らしながらあたりを見渡す。レンブラントは興味なさげに大あくびをした。


「あの人がわざわざこっちに出向くなんて、どういう風の吹き回しかね」

「たまには顔も出さないと、って仰ってましたわよ」

「ふぅん。ま、いいや。なんでも」


 レンブラントはごりごりと自身の凝り固まった肩をほぐしながら、白衣のポケットに手を突っ込んだ。取り出した小型のタブレットを操作し、登録されたシュリー翼長の内線を呼び出してコールする。普段なら三コールも鳴らない内に繋がるのだが、今回は中々繋がらない。しばらくコール音が続き、やがて音が消えると、ワンテンポ遅れて抑揚のない男の声が続いた。


『なんだ』

「なんだじゃないでしょーが。それはこっちの台詞なんスけど」

『……何を言っている?』

「いやいや、あんたがわざわざ見に来てるっていうから俺、頑張ってまいたのに。で、降りてきたけど、どこにいるんスか」

 返事がない。スピーカーの向こうに気配は感じるから、通信が遮断されたわけではない。

「おーい」

『害虫が侵入しているかもしれないな』

 ややあってそんな返答があった。

「は?」

『こちらにも、そちらにも』


――害虫?


 ブッと通話が途切れる。耳元からタブレットをずらし、レンブラントはゆらりとホール全体を見渡した。

 ざわめく白衣の集団を抜け、折り重なるパーティションを超え、その目は奥のエレベーターに釘付けになった。今しがた最上階から彼自身を乗せて降りてきたエレベーターである。

 なぜか、扉の上に並んだ数字の「5」が点灯している。


「……わるい。部屋に忘れ物をした」

「えっ、すぐに戻ってきてくださいますよね? リシュリュー翼長、ちょっと――」


 リシュリュー翼長補佐の呼びかけに頷きもせず、レンブラントは目を見開いたままエレベーターに向かった。

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