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第9話
目を覚ますと、そこは集会所の医務室のベッドの上だった。
「俺・・・なんでここに・・・?」
ゼロは不思議に思いながら体を起こす。
すると、医務室の扉が開く。「ゼロ!目が覚めたのね!」
入ってきたのはアルだった。
「よぅ。俺、なんでここにいるんだ?」
ゼロがたずねる。
「ゼロが倒れて、それを見つけたジョンがここまで運んでくれたんだよ。」「そうか・・・。ジョンとミリアは?」
「ジョンとミリアさんはもう少しで来ると思うよ。今昼ご飯食べに行ってるから。」「そうか・・・。俺、何日位寝てた?」
ゼロは時間の感覚が鈍っていた。 「3日だよ。」
アルが答える。
「・・・心配かけてすまなかったな・・・」「そんなことない・・・っていうか、私のほうこそごめんね・・・私のせいで大怪我させて・・・」
アルは暗くなる。そこへジョンとミリアが入ってくる。「お〜!目が覚めたのかゼロ」
「全く・・・あんた心配かけすぎよ?」「悪かったよ」
「本当よ。あんたの剣、普通の剣よりかなり重くしてあるから持つのがやっとだったのよ。」
「だから悪かったって!」「ゼロって普通より剣を重くしてるの?」
アルは首を傾げる。
「あぁ。普通の剣じゃ軽すぎるし、かといってハンマー使う気分にならないから親方に頼んで重くしてもらってんだ」「ふぅん」
「だから、多分俺の剣は他の奴には使えないと思うぜ」
「そぉなんだ〜」
「でも、お前の剣・・・」
隣でジョンが口を開く「お前の剣、大分古くなってたぞ。所々小さなヒビも入ってたしな」
「そうか〜?」
ゼロはそう言って、自分の横にねかせてあった剣を持ち上げる。
「ゼロ・・・片手で・・・」
アルは驚く「あ〜、本当だ。随分ボロボロだ。大分無茶したからなぁ〜。」
ゼロの剣は限界を伝えていた。 「リオレウス倒して賞金も入った事だし、この際新しい剣でもつくったらどうだ?」「そ〜だなぁ〜。親方に頼んでみるか。」
そう言ってゼロはベッドから体を起こす。
「あんた体は大丈夫なの?」
ミリアが心配するように聞く。「ん?もうなんともないぞ?」
ゼロはケロッとしている。
「立ち直りの早い奴ね。医者に危ないって言われたとき本気で焦ったのがバカみたいだわ・・・」「そんなに危なかったのか?俺」
「危ないに決まってるでしょ!あんなに血を流したのに輸血出来ないんだから」
そう、ゼロは人間ではないため、血液の型が人間とは根本的に違う。そのため、輸血を受けられなかったのだ。
「ふぅ〜ん・・・まぁ助かったからよしだ!」
そう言ってゼロは立ち上がり、医務室を後にした。
ーーー鍛冶屋ーーー 「おっちゃん。新しい剣作れるか?なるべく強力なやつ。」
ゼロがたずねる
「強力な奴か?う〜ん・・・俺の所で作れるやつで強いっていやぁ、ブラッシュデイムぐらいか?」
ブラッシュデイムとは、大剣の中でもかなり高位に値する剣である。
「ブラッシュデイムが作れるのかよ!?それでいいっつうかそれがいい!!是非作ってくれ」
「まぁ、作ってやってもいいが・・・高いぞ?」
「いくらかかる?」「90000zだ」
zとはこの世界のお金である。 「そんなにかよ!?俺50000zしかもってねぇや」
「それなら、お前の剣・・・なんて言ったかな?」
「これか?さぁ?昔遺跡で拾ったもんだからな。確か・・・封龍剣・滅一門だったかな?」「おぅ、それそれ。それを強化したらかなりのものができるんじゃないか?金も30000z位でしてやるぞ」「マジで!?じゃあそれでよろしく!」
「わかった。普通よりかなり重くするんだよな?」
「おぅ、色も黒くしてくれよ」
ここでは、サービスとして武器が仕上がったときの色を決めさせてくれる。「何で黒くするの?」
隣でアルが質問する。 「刃先が血で曇っても分かりにくいからさ。血で曇ると見た目が悪いだろ?」
「なるほど」
アルは納得する。1時間ほどたった頃、黒光りする巨大な剣が出来上がった。
「おぉ〜!」
ゼロは感心して剣を手に取る。剣はゼロと、不思議な一体感をかもしだす。ゼロは刃先に指をなぞらせ、切れ味を試す。ゼロの指先は、何の抵抗もなく切れた。
「こりゃすげぇや・・・この手に吸いつく感じ・・・ブラッシュデイムなんかよりずっと凄いんじゃねえか?」
「おぅ!俺の自信作だ!!まさかここまで凄い物ができるとは思わなかったぞ!」
親方は胸を張っている。
「ありがとよおっちゃん!」
「おぅ!お前もこれから頑張れよ!」「おぅ」
ゼロは返答し、アルと共に集会所に戻った。ーーーー集会所ーーーー
「お〜、戻ったか。」
ジョンとミリアは、昼食の乗った机に座っていた。「なんだよ。もう飯は食ったんじゃねぇのか?」
「バカねぇ。これはあんたのぶんよ。お腹空いてるでしょ?」
「そういや、さっきから腹ペコだぜ。」
そう言ってゼロは席に着く。「いっただきま〜す!」
ゼロは食事を頬張り始めた。
「ゼロ。剣はできたのか?」
ジョンが聞く。
「おう。凄いやつが出来た。」「みせてみろよ。」
「見るより刃先を指で撫でてみろ。」
言われてジョンは刃先を撫でる。
「うぉ!指がきれた。すげー切れ味だな。」
「だろ?」「これが30000zは安いな。」
ジョンは感心する 「それでも、俺の経済力からするとかなり痛い出費だけどなぁ・・・」「まぁいいじゃねぇか。そう気をおとすな。」
ジョンは落ち込むゼロを慰める。
「さて、飯も食ったし、久しぶりの我が家に帰るとするか。飯、ありがとよ」
「あぁ、ちょっとしけた回復祝いだったけどな」「まぁ、俺にとってタダ飯よりありがたいものはないからな」
ゼロは言いながら帰り支度を済ませる。
「じゃ、またな。アル、帰ろうぜ」
「うん」
アルは頷き、2人は家に帰っていった。


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