更新遅れてスミマセン!
最近小説を書く暇がなくて、やっと第40話が出来上がりました。
今までの自分の小説からみたら、今回は少し短めです。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
第40話
街に戻ってきたゼロは、何も言わずにただ歩いていた。
「ゼロ!」
後ろから、聞き覚えのある声が耳に飛び込んできた。
ゼロは、ゆっくりと後ろをふりかえる。
そこには、アルが駆け寄ってきていた。
その後ろから、ジョンとミリアもついてきている。
「よかった!
無事だったんだね!」
駆け寄ってきたアルは、安心しきった声でそう言った。
「あぁ・・・おかげさまでな・・・」
しかし、返事をするゼロの声にいつもの元気はなかった。
「どうしたの?
どこか傷めちゃった?」
心配そうに、アルがゼロの顔を覗きこむ。
「あ・・・いや・・・
何でもねぇよ」
「ウソ。
"何でもねぇ"って顔じゃないよ」
じ〜っと、アルの瞳が心配そうにゼロを見つめる。
「心配かけて悪い・・・
けど、本当に何でもねぇからよ」
そう言って、ぎこちない笑みを浮かべた。
それでも、アルはゼロを見つめたままである。
「まぁいいじゃないか。
コイツも疲れてるんだろ」
アルの頭をポンポン叩きながら、ジョンが口を開く。
「今回はちゃんと"無事"だったし、よしとしよう」
「ははっ・・・すまねぇな」
「それで・・・
あのおかしな奴はどうしたの?」
そうミリアが尋ねると
「安心しろ・・・ちゃんと仕留めたからよ」
ゼロは、暗い表情のままそう言った。
「そう・・・まぁ、そうじゃなきゃ、今アンタはここにいないわね」
ミリアは、すこし嬉しそうにクスクス笑う。
その後ろから、小さな影が飛び出し、ゼロの足に張り付いてきた。
それを見たゼロは、目を丸くして驚く。
「リリス!?
お前、なんでここに・・・?」
ゼロの足に張り付いたのはリリスだった。
リリスは何も言わずに、ただゼロの足にしがみついている。
その体は、僅かに震えていた。
「リリス・・・」
ゼロは、震えるリリスの体をゆっくりと抱き上げる。
するとリリスは、ゼロの首に手を回してしがみついてきた。
「一体、何があったんだ?」
ゼロは、優しい口調で問いかける。
「・・・怖い・・・」
「怖い?
何がそんなに怖いんだ?」
そう尋ねると、リリスは首を横にふる。
「・・・わからない・・・
でも・・・凄く、怖いの・・・」
そう言って、一層強くゼロにしがみつく。
「おいおい。
そんなに締め付けたら苦しいぞ」
ゼロはリリスを引き剥がそうとするが、リリスは離れようとしない。
「・・・いや・・・
手を離したら・・・お兄ちゃんがいなくなっちゃう・・・」
「・・・?」
ゼロが疑問符を浮かべていると、ミリアが口を開く。
「リリスちゃんね・・・私達が街に戻ってきた時に、街の中をずっと走り回ってたわ。
不思議に思って声をかけたら、いきなり“お兄ちゃんは!?”って尋ねられたの」
そこまで口にして、ミリアは少し呆れたような表情になる。
「普段おとなしいリリスちゃんが、あんなに血相かえて走り回ってるのよ?
もうびっくりしたわよ・・・
で、私達が保護して、アンタをずっと待ってたって訳」
それを聞いて、ゼロは少し笑う。
「待ってた・・・って、帰ってくる保証もねぇのにか?」
「当ったり前でしょ!?
前にも言ったけど、帰ってこなかったらぶっ飛ばしに行ってるわよ!」
「ははは・・・それは勘弁してくれ・・・」
そう言って、ゼロはリリスに目を向ける。
「・・・リリス、もう一回聞くぞ?
・・・どうして街に来たんだ?」
「・・・お昼寝してたら、夢をみたの・・・」
「夢?」
ゼロがきくと、リリスはコクリと頷く。
「・・・お兄ちゃんが、いなくなっちゃう夢・・・
・・・お兄ちゃんが、手の届かない所に行っちゃうの・・・」
リリスの体が、よけい震えだした。
声はかすれている。
「・・・凄く、怖くて・・・目が覚めても、ずっと怖くて・・・
・・・だから・・・」
リリスはそれ以上なにも言わず、ギュッとゼロに抱きつく。
そんなリリスの頭を、ゼロはそっと撫でた。
「ばっかだなぁ。
兄ちゃんはリリスを置いて、いなくなったりしないから・・・」
「・・・本当・・・?」
リリスの、涙に濡れた瞳がゼロを見つめる。
ゼロは、視線をそらさずに
「あぁ、本当だ」
と言った。
それを聞いて安心したのか、リリスの震えは止まった。
「・・・よかった・・・」
リリスの体から力が抜けて、動かなくなる。
「・・・リリス?」
「・・・スー・・・」
リリスは寝息をたてて、眠っている。
「・・・寝ちまったか・・・
ここまで来るのに、相当疲れたんだろうな・・・」
ゼロは、嬉しさと悲しさが混ざったような表情でリリスの寝顔を見つめた。
「・・・さてと。
おい、アル」
ゼロは、手招きしてアルを呼ぶ。
「なに?」
「リリスを頼む」
そう言って、アルにリリスを抱かせた。
「頼むって言われても・・・
ゼロはどうするの?」
リリスを受け取りながらアルが尋ねる。
「俺はまだする事がある。
今日は宿にでも泊まろう」
ゼロは、アルに宿代を渡す。
「俺の部屋もとっておいてくれ」
「・・・わかった。
じゃあ、先に行くね」
アルは、リリスを抱えて宿屋に向かった。
「・・・俺達も、今日はもう帰るぜ。
じゃあな・・・」
「・・・あんたもすぐに休みなさいよ」
ジョンとミリアも、それぞれの帰路につく。
ゼロは、ジョン達を見送った後、アル達の後ろ姿をどこか遠い目で見つめていた。
「俺は・・・史上最低の兄貴だな・・・」
ハァ・・・と、深いため息をついて、ゼロはその場を立ち去った・・・
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