更新が遅れて誠に申し訳ありません! なんとなく書き始めた外伝が、これでようやく終わります! ですが、今回はやや長いですf^_^; ・・・まぁ、何はともあれ外伝はこれで終わりです! 次回からは本編に戻りますので、これからもよろしくお願いします! 長文失礼しました
第33話〜その3〜
ゼロがジョンの家に通うようになって、一週間が過ぎた。
今、ゼロが屋敷を出入りする事に反対する者はいない。
ゼロは、今日も大きな門をくぐり、扉の前の呼び鈴を鳴らす。
「あ、やっと来た」
扉の中から、ジョンが出てきた。
「ジョン様、お客様のお出迎えは私がいたします」
言葉と同時に、後ろからいつもの使用人が顔をだす。
「あら、ゼロ様。いらっしゃいませ」
「いや、“様”はいらないって・・・なんかくすぐったいよ、ナラさん」
ナラと呼ばれた使用人は、ナラ・アンジェリー、16歳。
幼い頃からジョンの屋敷の使用人として務めていて、16歳という若さでありながら立派に使用人の仕事をこなす。
ナラは表情ひとつ変えずに、
「ですが、ゼロ様はお客様ですので失礼な言動は慎まなければなりません」
「それがイヤだって言ってるの!」
「それをおっしゃるのでしたら、ゼロ様も私をさん付けで呼ぶ必要はありません。私のことは呼び捨てになされてください」
「む〜・・・」
ゼロは、眉間にしわを寄せてナラを見る。
「分かった・・・俺も呼び捨てにするから、ナラもそうしてよ・・・」
ゼロがそう言うと、ナラはゼロに一礼し
「かしこまりました、ゼロ様」
「いや・・・うん。なんか見事に人の話聞いてないね」
ゼロが呆れていると、ジョンが2人にわって入る。
「まあまあ・・・で、今日も“あの”練習するんでしょ?」
ジョンが聞くと
「もちろん!」
と、ゼロがこたえて、2人は屋敷の中へと入った。
・・・
・・
・
屋敷に入って、ゼロはすぐにルーシュの姿を見つける。
「あ、おばちゃん発見。お〜い」
ゼロが声をかけると、ルーシュはゆっくりと振り向く。
「あら、ゼロちゃん・・・いらっしゃい・・・」
弱々しくそう言うと、ふらふらとおぼつかない足取りで階段を登ろうとする。
普段の元気な面影はどこにもなかった。
ゼロは心配になり、ルーシュに駆け寄り、前に回り込む。
そして・・・
「・・・!?」
ゼロが目にしたもの・・・それは、土気色のルーシュの顔だった。
顔色が悪いどころではない。
ルーシュからは、僅かな生気すら感じられない。
はぁはぁと、苦しそうな息を吐き、指で押すだけで簡単に倒れてしまいそうだった。
「おばちゃん!すごい顔色してるぞ!・・・はやくよこにならないと・・・!」
「大丈夫よ・・・このくらい・・・」
「大丈夫なわけないだろ!・・・とにかく部屋に・・・!」
そう言って、ゼロはルーシュに手をさしのべ、その手を・・・
握れなかった。
「え・・・?」
驚きのあまり、そんな間の抜けた声しかでない。
・・・一瞬前にそこにあったルーシュの手がなくなっていた。
ルーシュは、糸が切れた人形のように崩れ、派手に階段から落下した。
「おばちゃん!?」
ゼロが慌ててルーシュに駆け寄ろうとしたその時・・・
ガタン!
盛大な音をたてて、家の扉が開かれた。
それと同時に、白いヒゲをはやした男が入ってくる。
「今帰ったぞ」
・・・ジョンの父親、マルシアが帰ってきたのである。
「!?・・・ルーシュ!」
マルシアは倒れ込んでいるルーシュを目にし、急いで駆け寄り抱きかかえる。
「大丈夫か!?一体なにが・・・」
マルシアは、階段の上に佇むゼロを目にして、一瞬動きが止まる。
「何故こいつがここにいるのだ!?・・・ナラ!私はこいつを屋敷に近付けるなと命じたはずだ!」
そう叫んで、ナラを睨みつける。
「そ、それは・・・」
「・・・私が・・・許可しました・・・」
ナラが言うより早く、ルーシュが口にする。
「・・・この子は、ただの子供です・・・あなたが言うような・・・恐ろしい者では、ありません・・・」
「だから屋敷に入れたと言うのか!?」
「・・・その・・・通りで、す・・・」
力なく呟き、ルーシュの意識は途切れた。
「おい、ルーシュ?・・・誰かルーシュを部屋まで運べ!」
マルシアが叫ぶと、そばにいた男がルーシュを抱えて廊下へと歩き出す。
マルシアはそれを見送ると、今度はゼロに視線を向ける。
ありったけの憎しみを込めて・・・
「・・・何をしている!?早くこやつをつまみ出せ!!・・・こやつは人殺しだぞ!!」
「しかし旦那様・・・」
「私の命令が聞けんと言うのか!?・・・はやくつまみ出さんか!」
ナラの声を無視して、マルシアは声を荒げる。
「・・・かしこまりました・・・」
ナラは渋々頷いて、残り2人の男に目を向けた。
それに頷き、2人の男はゼロの脇に手を回し持ち上げる。
「・・・スミマセン・・・旦那様は今何を言っても聞き入れてはくれぬでしょう・・・今日のところはお引き取りを・・・」
小声で呟くように謝罪し、ゼロを屋敷の外に連れ出していった。
・・・
・・
・
3日後・・・
ゼロは、ジョンの屋敷を訪れていた。
「こんちは・・・」
ゼロが門前に立つガードマンに挨拶をする。
しかし、ガードマンは挨拶を返さずに
「お引き取りください・・・」
とだけ言った。
「いや、遊びに来た訳じゃないんだ。・・・ただ、おばちゃんに渡したい物があるんだけど・・・」
「あなたからは何もお預かりできません・・・旦那様の命令ですので・・・」
「うん、まぁそうだろうと思った」
「申し訳ございません・・・」
本当に申し訳なさそうに謝るガードマン。
「いや、別に謝ることじゃないよ。仕事なら仕方ないから・・・」
あはは・・・と少し寂しそうに笑って、ゼロは門を後にした。
・・・
・・
・
ルーシュは容態が落ち着き、ベッドの上で暇な時間を過ごしていた。
「はぁ・・・暇ねぇ、ナラ」
そばに立つナラに話しかけると、ナラは表情を変えずに
「奥さまの容態がもう少し良くなるまで我慢するしかありません」
「それは分かってるわよ・・・でも暇なのよ・・・」
ルーシュが子供がいじけたような表情を見せるが
「我慢するしかありません」
ナラは変わらずそう答えた。
そこへ・・・
・・・コツンコツン・・・
「あら?何かしら?」
窓から音がして、ルーシュは首を傾げる。
「見てみます」
起き上がろうとしたルーシュを制止して、ナラが窓に歩み寄る。
ガタリ・・・と窓を開けるが、そこには誰もいなかった。
「・・・?」
不思議に思いつつも、ナラは窓を閉めようと窓に手をかける。
・・・その時
「あら?これは・・・?」
窓の枠に、一枚の紙が折り畳んで挟まれていた。
「・・・」
ナラは慎重にその紙を開き、そこに書かれていた文字を見て、慌てて窓から身を乗り出した。
そして、窓の外を見渡すと、あるものを見つける。
・・・小さい体で、一生懸命に屋敷の塀を超えようとしている小さな背中・・・
そう、間違いなくゼロだった。
・・・ナラはしばらくその姿を眺め、窓を閉めた。
「何があったの?」
ルーシュが聞くと、ナラは紙を差し出し
「ゼロ様からです」
とだけ伝えた。
ルーシュは紙を受け取り、文字に目を向ける。
・・・そこには、ミミズが張り付いたような文字が記されていた。
正直、とても読めるような文字ではない。
けれどその文字は、書いた者がいかに真剣なのか物語っているようだった。
・・・ルーシュは、その短い文をゆっくりと解読していく。
・・・そこに記されていた文。
“はやくげんきになって”
・・・たった、それだけだった。
たったそれだけなのに、ルーシュの頬に一筋の涙が流れた。
「・・・これをゼロちゃんが私に・・・?」
「はい。・・・ゼロ様は文字の読み書きが出来なかったため、ジョン様に習って1から練習をなされていました。・・・読みづらいかもしれませが、これでもかなり上達した方です。・・・恐らく、お一人でも練習をされていたのでしょう・・・」
それを聞いたルーシュは、その紙を大事そうに閉まった。
「そう・・・それなら、私も頑張って体を治さなくちゃね・・・」
嬉しそうにルーシュがそう言うと、ナラも少し嬉しそうに頷いた。
・・・それからは毎日、窓に手紙が挟まれるようになった。
ルーシュは、その手紙が届くのを、毎日心待ちにしていた。
マルシアには内緒で、ジョンやナラと一緒にその手紙を見ながら、次はどんな物が届くのか、次は上手に書けるのかと、話し合った。
ジョンはルーシュの笑顔を見て、安堵感を覚えていた。
これならすぐに立ち直るだろうと。
・・・けれど、そんな日常は続かなかった。
・・・
・・
・
一週間後
外は、激しい雨が降り、時折雨の音に紛れて雷鳴が聞こえてくる。
その日、ルーシュは体調が良いと言って、屋敷の中を歩き回っていた。
「お母さん。そんなに動いて大丈夫?」
ジョンが心配そうに尋ねる。
「大丈夫よ。・・・でも、やっぱり少ししんどいわね・・・後少ししたら部屋に戻るわ」
そう言って、ルーシュは書斎に入って行った。
「そう、分かった」
ジョンも、ルーシュとは反対の方向に歩き出す。
・・・これが、ジョンが見る、母親の最後の元気な姿だった。
・・・やがて夜になる。
急に屋敷が騒がしくなり、ジョンは妙な胸騒ぎを覚え、部屋の外にでた。
・・・人がバタバタ走り回る中、ジョンはナラをつかまえる。
「ナラ。一体何があったの?」
ジョンがそう聞くと、ナラは少しためらい、やがて意を決したように口を開く。
「・・・落ち着いてお聞きください・・・奥様が書斎の入り口で倒れているのが見つかりました」
「・・・お、お母さんが・・・?」
「はい。・・・大量に吐血されており、容態は深刻です。・・・今、お医者様が来られて、診察されています」
「・・・な・・・どう、して・・・?」
書斎・・・それは、自分が母親を最後に見た場所・・・入り口で倒れていた・・・なら、あの後すぐ倒れて、今まで放置されていた・・・?
なぜ自分はそれに気付けなかった?
そもそも、何故母親を1人にした?
「わからない・・・わからないよ・・・なんで・・・どうして・・・あんなに元気だったのに・・・なんで?・・・なんでなんでなんで!?」
ジョンは現状を理解しきれずに、軽いパニックに陥る。
・・・その時、屋敷に乾いた音が響き渡った。
ナラがジョンをぶつ音が・・・
「・・・ナラ?」
その一発で正気に戻ったジョンは、驚きの表情でナラを見つめる。
「申し訳ありません・・・しかし、ここで嘆いていても何も分かりません・・・奥様の部屋に行きましょう、ジョン様・・・」
「あ・・・うん・・・」
ジョンが頷き、ナラはジョンの手を引いて、急ぎ足でルーシュの部屋へと向かった。
・・・
・・
・
勢いよく部屋の扉を開き、中へ入る。
ちょうど、医者が診察を終えたところだった。
「お母さんは!?お母さんはどうなの!?」
ジョンが医者にしがみついて尋ねる。
・・・医者はゆっくりと、だけどしっかりと、首を横に振った。
「うそ・・・だ・・・」
帰ってきた返事は、残酷なものだった。
「うそだよ・・・そんなの・・・ちゃんと治るんだよね・・・?僕をからかってるだけなんでしょ・・・?」
ジョンは必死に問いかけるが、医者は首を横に振るばかりだった。
・・・ガシャァン!と、唐突に窓が割れる。
「何事だ!?」
マルシアが叫び、部屋にいる全員が音の方に目を向ける。
見事に砕け散ったガラス・・・
その上を、ゼロが転がっていた。
窓の外から様子を見ていたらしく、かなり慌てた様子である。
「おばちゃん!」
ゼロは、体中切り傷だらけなのも無視してルーシュに駆け寄る。
「大丈夫かおばちゃん!?しっかりしてよ!」
ゼロが必死に呼びかけると、ルーシュは優しく微笑み
「・・・私は、もう・・・だめみたい・・・」
「そんなこと言わないでよ!なんとかなるよ!」
そう言って、ゼロは医者に飛びかかる。
「お前医者だろ!?なんとかしろよ!・・・たのむから・・・たのむから、なんとかしてくれよ!!」
・・・こんなことをしても、いくら叫んでも、何も変わらないことは頭のどこかで理解していた。
だけど、理性が言うことを聞かない。
おばちゃんはこのまま・・・
そう考えると、いくら駄目だって分かってても叫ばずにはいられなかった。
目が熱くなって、景色が歪む。
また、自分は泣いている。
情けなくって、カッコ悪い・・・
メソメソするなと言われたのに、また自分は泣いている・・・
「おい!なにをぼやぼやしている!?早くこいつをつまみ出せ!」
マルシアがナラに命令するが
「・・・お断りします」
ナラは、まっすぐな瞳でそう答えた。
「な!?」
まさかナラが断るとは考えられなかったマルシアは驚きを隠せない。
「お前・・・今なんと言った・・・?」
「ですから、お断りしますと申し上げました」
「貴様・・・クビになりたいのか!?」
「構いません。ただ、今の旦那様の命令には従えません」
「貴様!」
「まって!」
ルーシュが2人に割って入る。
「2人共・・・言い争いはやめて・・・子供の前で、みっともないわ・・・」
そう言うと、ゼロを手招きして呼ぶ。
ゼロは、医者から手を離し、ルーシュに駆け寄る。
「ゼロちゃん・・・私は、本当に駄目みたい・・・あなたとお話するのも、これが最後・・・」
「おばちゃん・・・!」
「ほら、泣かないで・・・」
そう言って、弱々しくゼロの涙を拭う。
「よく聞いて・・・あなたには、とても沢山の敵がいる・・・それは、他でもなく、私達人間・・・私達は、とても許されないような罪を犯してる・・・あなた1人にすべてを押し付けてる・・・」
はぁ・・・と、苦しそうに呼吸を整える。
「だから・・・許してとは言わない・・・憎んでくれても構わない・・・だけど・・・だけど、あなたにはあなたを憎まないでほしい・・・そして、あなたの世界を憎まないでほしい・・・あなたと、あなたの世界は、あなただけのものだから・・・私からの、お願いよ・・・」
「うん・・・うん・・・」
ゼロは、ただ頷いた。
それをみたルーシュはそばにいた男に目を向けて
「・・・ゼロちゃんを、外に連れていって頂戴・・・」
そう言われて、男共は戸惑う
「しかし・・・!」
「伝えたいことは伝えたわ・・・後は、家族の問題よ・・・ゼロちゃんには悪いけど、出ていってもらうわ・・・」
「・・・かしこまりました・・・」
そう言って、ゼロの手を握り、歩き出す。
ゼロはなんの抵抗もせずに、外へと連れ出された。
・・・外は雨が降っている。
門の前まで連れ出されたゼロは、ただ立ち尽くす。
男達は傘を差し出すが、受け取らない。
・・・なにも言わず、悲しそうに顔をふせて、ただ雨に打たれていた・・・
・・・
・・
・
ルーシュの部屋では、今まさにルーシュが息を引き取ろうとしていた。
「・・・あなた・・・」
「なんだ?ルーシュ・・・」
ルーシュが弱々しく呼んで、マルシアはそれに答える。
「・・・私は、あなたの妻になれて、幸せでした・・・いえ、幸せです・・・こんなに素敵な子も、授かることが出来ました・・・」
そう言って、ジョンの頭を軽くなでる。
「私も同じ気持ちだ・・・私も、お前の夫となれて、この上なく幸せだ・・・」
マルシアが言うと、ルーシュは目を細めて微笑む。
・・・しかし、その表情はすぐになくなり、少し悲しそうな顔をする。
「・・・ただ、1つだけお願いがあります・・・」
「・・・ゼロの、ことか・・・?」
ルーシュは、何も言わずに頷く。
「・・・しかし、私はヤツへの憎しみと恐怖を、簡単には拭えない・・・」
「・・・あせる必要はありません・・・ゆっくりで、いいんです・・・ただ、いつかあの子を、心から祝福できるようなってほしい・・・」
「・・・分かった・・・努力しよう・・・」
ルーシュは、ありがとうと呟いて、今度はジョンに視線を向ける。
ジョンの顔は、涙でくしゃくしゃになっていた。
「あらあら・・・ジョンまでそんなに泣いて・・・」
ルーシュはクスリと笑う。
「・・・いい?ジョン・・・あなたは、あなたの生きたいように生きて・・・生きていれば、必ず大きな壁にぶつかる時が来る・・・そんな時は、沢山悩みなさい・・・悩んで、悩んで、悩み抜いて・・・あなた自信の答えを出してほしい・・・他の人は関係ない・・・あなたの出した答えを、あなたが信じているかぎり、その答えを貫いてほしい・・・それも、1つの強さ・・・あなたは、あなたなりの強さを身につけて・・・」
「・・・分か・・・た」
喉をしゃくりあげながら、ジョンは答えた。
それを聞いたルーシュは、最後にもう一度ありがとうと呟いて、安らかに眠りについた。
体中の力が抜けて、体温が急速に失われて行く。
「・・・お母、さん・・・?」
呼びかけても、返事はない。・・・あるはずがない。
ルーシュは、安らかに眠るだけ。
・・・永遠に・・・
・・・それを理解したとき、ジョンの中で何かがはじけた。
こらえていたものが、一気にふき出る。
声をあげ、がむしゃらに泣いた。
・・・そのとき、ジョンは以前ゼロが言っていた言葉の意味を、ようやく理解した。
それは、ゼロとケルビを狩りに行ったとき、ゼロが口にしていた台詞
“あれは子供がいるからだめ・・・”
“上手く言えないけど、とにかくだめ・・・”
その言葉の真意にようやく気付く・・・
子が親を失う気持ち・・・
ただ単に悲しいだけじゃない・・・
上手く表現できない。
様々な感情がドロドロに混ざり合って、胸の内で渦を巻く。
その感情に、母を失って初めて気付いた。
そして、ジョンは思う。
自分は、なんて愚かなのだろう、と・・・
・・・
・・
・
あれから7年。
時々、母さんの墓がやたらと綺麗に掃除されていたり、供え物が新しくなっていたりした。
犯人は間違いなくゼロだ。
恐らく、親父に気を使って、コッソリやってたんだろう。
「・・・なぁ、ジョン・・・」
呼ばれて、我にかえる。
辺りに、焚き火の音以外に音はない。
「お前さっき、なんであんなに笑ってたんだよ?そろそろ教えてくれてもいいだろ?」
・・・まだ悩んでいたのか。
あの時、確かに悲しいことがあったけど、それにいつまでもこだわってはいられない。
・・・それよりも、ゼロが昔と変わらずにいたことが、やけに嬉しくて、笑ってしまった。
・・・そろそろ教えてやろう・・・
「・・・ゼロ・・・こうしてると、昔を思い出さないか?」
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