第2話
「ん・・・ふあぁ〜あ」
少年は目を覚まし、床から身を起こした。そして、思いだしたように視線を横へと向ける。 視線の先には密林で倒れていた少女がベッドで眠っている。
「まだ寝てんのか・・」
少年は呆れたようにため息を吐き、顔を洗うためその場を離れようと腰を浮かせた。すると後ろから
「ぅう・・ん」
少女が目を覚ました。 「よぅ、おはよーさん」
少年は笑いかける。 少女はなぜ自分がここにいるかわからないといったような表情をする。 しばらく何か考えている様子だったが、ようやくその口を開く。
「あなた誰?」
少年はわざと胸を張り
「命の恩人だ」
と、わらっていった。 「え?どういうこと?」
少女は不思議そうにたずねた。
「覚えてないのか?」
少年が聞き返す 「密林に入り込んだとこまで覚えてるんだけど・・・」少女は困った表情をみせる。
「まぁ、無理して思い出すようなことでもないし、いいんじゃないか?」
少年は気楽に言う。 「それより、あんた名前は?」
「アル・アジフ。アルってよんで」
少年の問いにアルは答えた 「あなたは?」
今度はアルが質問する。「ゼロ」
ゼロは短い名前を告げた
「それってフルネーム?」
アルが聞くと
「おう」
ゼロはためらいもなく答える アルは不思議な表情を見せる。無理もない。 今どき名前が二文字しかない者など、どこを探してもそうはいない。アルはゼロを不思議そうに眺めた。その視線に気づいたゼロは
「おかしいか?」
と言う「う、ううん。ちがうの。ただ、珍しいなぁ〜って思って」
しばしの沈黙があり、ゼロは沈黙に耐えきれず口をひらいた。「アルはハンターになりたてか?」
「うん、ついこの前始めたばかり」
アルは少し恥ずかしがる。「若いのに大変だなぁ」
「それを言うならあなたもでしょ?っというかあなた年いくつ?」
「17だけど」
「同い年じゃない!なにふけたセリフ言っるの」
アルは笑っている
「はぁ〜、俺もそろそろおっさんかなぁ」ゼロは少しへこむ 「ゼロはここに一人で暮らしてるの?」
「そうだけど?」
「あの、ご両親は?」
「いないよ。ずっと前に死んじまった」
「そ、そう。」
アルは両親を失ったことさらっと告げられ、戸惑いを隠せなかった。
「その、聞いちゃまずかった?」
アルは不安そうに訪ねる。
「気にすんなって。もうずい分前のことだしな。」
「でも」
アルはまだ不安そうにしている「そんな顔すんなよぉ〜。俺がいじめたみたいじゃないか」
ゼロはあたふたする。「そういうアルは?」
「私はもう自立したの。いつまでも親に甘えたらいけないと思って。」
ゼロは関心の眼差しをアルに向けた。 「へぇ〜、えらいんだなぁ。アルはどこに住んでるんだ?ここらへんじゃあないみたいだけど」「家は・・・なくなっちゃった!」
・・・・二人を沈黙がおそう 「聞き間違いだったらわりぃんだけど、今なくなったって」
「そうだよ」「間違いであってほしかった・・っつかなんで?」
ゼロが疲れはてたように聞く「えっと、竜が襲ってきて壊れちゃった」
アルは照れながら話す 「どこか行くあてはあるのか?」
ゼロそう聞くとアルは少し考えて「ここ!」
「バカな!?」
ためらうことなく言うアルにゼロは驚愕する 「え〜、いいじゃない」
「いいわけないだろ!俺の寝床もなくなるし部屋も狭くなる!」「そんなの小さなことよ!気にしない気にしない。」
「大体さっき自分で甘えないとか言ってただろ!」「親にはね!それとも何?こんなか弱い女の子を見殺しにするき!?」
アルはやたらと自信ありげである。「なんで俺の家でさりげなくお前が優位になってんだよ・・・」
しばらく討論は続いたが、アルに軍配があがり、アルはゼロの家で暮らすことになった。ゼロははしゃぐアルを見つめて、頭の片隅で思った。
見捨てればよかった、と・・
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