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第10話
ゼロが新しい剣を手に入れてから、一週間が経過した。
「あんた、もうなんともないの?」
街で遭遇したミリアが心配そうに聞く。「あぁ。ちょっと前までは立ちくらみがしてたけどな。もう今は完全回復だ。」
「そう。ならよかったわ。」
ミリアは安心する。「今日はジョンが見当たらねーな」
「ジョンは・・・あれよ」
「あぁ〜。あれか・・・」
「あれってなぁに?」
ミリアとゼロがあれあれ言うのについていけなくなったアルが首を傾げる。
「アルは知らなかったっけ?」
「なにを?」
アルは不思議そうにする。 「じゃあ、今いろんな商業の中心にいるエリック家は知ってるか?」
「知ってる。確か凄いお金持ちなんだよね?」
「そうだ。で、ジョンはエリック家のお坊っちゃんなんだな、これが」
「そうなの!?初めて知った・・・」
アルは驚いている「ジョンはお坊っちゃんって言われるのが嫌いらしいからな。名乗るときも、ジョンとしかいわなかっただろ?」
「あ、そう言えば・・・」そう、ジョンはアルに名乗るとき、“ジョン”としか言っていない。ジョンの本名は、ジョン・エリックだった。「でも、それとジョンがいないことがどう関係してるの?」
アルの質問に対し、今度はミリアが答える。
「お金持ちのお家騒動と言えば後継ぎ問題しかないでしょう?」
ミリアは謎の決めつけ発言をする。
「あ、なるほど〜。」
と、アルは納得する。
「こらこら!金持ちのお家騒動のすべてが後継ぎ問題じゃねぇぞ!」
ゼロがツッコミをいれる。
「で、ジョンは家を継ぎたくないらしいわ。」
「え?何でですか?」
「ジョンは小さいときからお金持ちだったから、お金欲しさに近寄る人たちがいっぱいいたの。それで、金持ちが嫌いになったらしいわ。」
「へぇ〜・・・」
「でも、親としてはどうしても継いでほしいと思ってるのよ。ジョンは一人っ子だから。」 「ふぅん。難しいですねぇ。」会話の途中でゼロが口を開く。
「ミリアとアルで迎えに行ってやれよ。そろそろ助けてやらねぇとあそこの親しつこいからなぁ。」
「ゼロは行かないの?」
アルが聞く。「俺は昔の事もあって、あの家立ち入り禁止だからな。」
「そぉなんだ・・・」
「じゃあ、行ってみる?アルちゃん。」
「え?でも、ゼロは・・・?」
アルはゼロに視線を向ける。
「俺は門の前でまっとくから、気にしないで行ってこい。」
そう言って、3人はエリック邸に向かった。
ーーーーエリック邸ーーーー
「・・・大きいね・・・」
アルは圧倒されていた。無理もない。そこには、城と間違えそうなくらいの豪邸があった。 その門は、厳重に鍵がされており、オマケにガードマンまでいた。 「俺はここら辺で待っとくからよ。お前ら行ってこい。」
ゼロは早くいくよう促す。ミリアは、ガードマンの所まで駆け寄り、一言二言何かを言うと、ガードマンが鍵を取り出し、門を開けた。
「じゃあちょっと行ってくるわ。なるだけ早くもどってくるわね。」
ミリアはそう言って、アルと共に、屋敷に入っていった。中に入ると、豪華なシャンデリア、どこまでも続く長い廊下、
数え切れないほどの部屋が・・・つまりは大豪邸がアルとミリアをまちうけていた。「ジョンって本当にお金持ちだったんだ・・・」
アルはさらに圧倒される。すると、奥の部屋からジョンがでてきた。
「お〜。よく来たな」
「ジョン・・・何?その格好」
アルは吹き出しそうになる。ジョンは貴族のような格好をしていた。
「うるせぇな!俺だっていやなんだ!」
ジョンは恥ずかしがる。「おぉ、ジョン。ご友人か?」
奥から白いヒゲをはやした男がでてきた。
「あぁ。」
と、ジョンは返答する。
「これはこれは・・・どうも、ジョンの父親のマルシア・エリックです」
でてきた男はマルシア・エリック・・・ジョンの父親だった。「いえ、こちらこそいつもお世話になってます」
と、アルが言う。 「とんでもございません。・・・ところで、息子のジョンに何の御用ですかな?」この質問に、今度はミリアが口を開く。
「大した用じゃないんです。お宅のジョンさんを少しばかりお借りしたいと思いまして。」
「そうでしたか。どうぞ連れて行ってやってください。」そう言って、今度はジョンの方を向く。
「ジョン、街での用事がすんだらまたここに帰ってきなさい。まだ話は終わっておらぬからな。」
「わかったよ・・・」
ジョンは疲れている。 「よし。じゃあ皆さんに迷惑をかけないようにな。」
そう言って、マルシアは自室に戻っていった。
「ちょっと待っててくれ。支度してくるからよ」
ジョンも自室に戻る。しばらくたって、ジョンがいつもの格好で部屋から出てきた。
「待たせたな。じゃ、行こうぜ。」
3人は屋敷を後にした。
ーーーーエリック低前ーーーー
門からでると、ゼロが道端に座って待っていた。
「ゼロ、待たせたな。」
ジョンが声をかける。 「いや、別にきにしねぇよ。
それより、お前も大変だなぁ。」「まぁな。でも、ミリア達がきて助かったぜ。もし来てなかったらまだまだ後継げ!地獄にいたぜ」「そりゃ、大変だな」
ゼロは笑っている。
「全く・・・他人事だと思いやがって・・・」ジョンはあきれている。
「まぁいい。そろそろ昼だから飯でも食いに行こうぜ。」
「もちろんおごりだよな?」
「しょうがねぇなぁ・・・この前リオレウス倒した時の賞金がまだ残ってるからおごってやるよ。」そう言って、3人は宿屋の近くの店に向かった。店に着き、適当に席につく。
「はぁ・・・」
ため息をついたのはジョンである。
「どうしたの?」
とアルが聞く。
「いや...親父はいつになったら諦めてくれるのだろうか・・・」
「継いじまえばいいじゃねぇか。そしたら俺みたいに金にこまらねぇぞ?」
「一時は継ぐことも真剣に考えたが...やっぱ、ハンター生活を止めたくないんだよ・・・」「ふぅん・・・なら、わかってもらえるまで粘るしかねぇな」「まぁ・・・そうなんだけどよ・・・」
ジョンはますます落ち込む。
「ま、考えてたってしょうがないでしょ?今はあんたに出来ることをしなさい。」
励ましたのはミリアである。こういう時、女は意外に頼もしいものである。「ま、取りあえず頑張ってみるか!」
ジョンは元気を取り戻し、昼食をもりもり食べ始める。
三人は昼食を済ませ、しばらく街をうろついたあと、各々の家へと帰っていった。


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