78話 夜襲
ざっと辺りを見渡し、一斉に俺へと鋭い視線を向けた『お客様』を観察する。
ゴロツキどもと表現したように、コイツらが放つ雰囲気はどう見ても堅気じゃねぇ。
手には各々武器を携え、かなり遅めのディナーを楽しむ雰囲気は皆無。万が一飯が目的でも、すでに今日の営業は終わってんだがな。
装いや武装の雰囲気からして、割合的にスラム系の奴らが大半だ。中には冒険者の姿もちらほら見られるが、放つ雰囲気からしてまともな感性の持ち主はゼロ。
飛んで火に入る夏の虫、とばかりにのこのこ現れた獲物を、嗜虐心あふれる笑みで出迎えてくれた。
「何だ、この店の人間か? わざわざ出迎えてくれるなんて、いいサービスしてんじゃねぇか?」
「当店はお値段以上のサービスを、がモットーでございますから」
ゴロツキの中でもリーダー格らしい男が一歩前へ出て、にやつく顔そのままに話しかけてきた。
言葉に含ませた揶揄を隠そうともしない態度に、俺も応戦して執事の礼をして見せた。
「それはそれは、人気があるはずだ。ここ最近、テメェんとこの店は繁盛してるそうじゃねぇか? そこそこの値段で美味い飯が食える宿屋だってよぉ? 俺らも是非、利用させてもらいてぇもんだ」
「ありがとうございます。ですが、今度お越しになられる際は、営業時間中にお願いいたします。生憎、料理人はもちろん従業員もすでに就寝しておりますから、お食事を提供することが出来ませんので」
飯を食うだけだったらこんな時間にくるはずがねぇ。真意が別にあるのを告げて遊んでるつもりか?
白々しい褒め言葉を受け止めつつ、常識考えて店に来いよボケ、と暗に含めてニッコリ営業スマイルを返した。
「そりゃ残念だ。だが、こっちにも事情があってなぁ? なにぶん俺らの用事は、ここの営業時間中じゃあちょっと厳しかったからよぉ? その都合に合わせたら、こんな時間になっちまったわけだ」
「左様でございましたか。どのようなご職業に従事し、如何様なご都合のために、このような夜更けにしか集まることが出来なかったのかは存じ上げませんが、当店の評判を聞きつけて駆けつけていただけたことには、店主に代わり厚くお礼申し上げます」
昼間に人数集めて武装の準備を整えて、目撃者の多い時間帯で派手にやらかすわけにはいかなかったから、全員が寝静まった夜中を狙った、ってか?
それはそれは、ご苦労なこって。職業不定のゴロツキ連中がコソコソ集まってわざわざ足を運ぶなんて、ありがたすぎて涙が出てくるわ。
「では改めまして、お客様方のご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
内心目の前の連中を小馬鹿にしながら、無駄に恐怖を煽ろうとして失敗したリーダー(仮)に笑顔を振りまく。
脅しが利くどころか、平然と皮肉を返してきた俺に一瞬眉をひそめた後、リーダー(仮)は獰猛な笑みを張り付けた。
「いやなに、そう複雑な用件じゃねぇよ。実はお前らを邪魔に思ってるお方がいてなぁ? そのお方の命令で、お前らには消えてもらうことになったわけよ。店はもちろん、お前ら自身もなぁ?」
直後、三下臭漂う下卑た笑い声が狭い通りにこだました。
今は夜中だぞ? 時間帯考えて騒げよな、やくざども。
まあ、用件は最初からわかってたから、驚くことでもない。
コイツら全員、『トスエル』を手っ取り早く物理的に排除しに来たならず者ども、ってことだ。
依頼主は当然ながらゴーク。借金取り立ての日から二週間もかかったのは、これだけの人数を集めるために部下を走らせたから。
もちろん、『トスエル』に難癖つけてきた冒険者連中も、ゴークが金で雇った嫌がらせ要員だ。アイツらの目的は、『トスエル』の評判を下げることの他に、夜襲の動きを感づかせねぇダミーの意味合いもあったんだろう。
まあ、ゴーク程度が考える猿知恵なんざ全部お見通しだから、全くの無駄金を消費しただけになっちまったわけだがな。『トスエル』の返済金がこれに充てられたかと思うと、ちょっと腹は立つが。
にしても、コイツらこういうことに手慣れちゃいるが、全員素人のようだな。
わざわざ『自分たちには雇い主がいる』なんて公言し、自分たちの動きが気取られていたことに焦りもせずに世間話に乗ってくるなんて、間抜けとしか言いようがねぇ。
俺がコイツらを出迎えた時点で、『トスエル』には襲撃者の情報を集める何かしらの方法があるとわかるだろうに。そこから、『トスエル』が何らかの罠を仕掛けていると疑ってしかるべきだ。
だがコイツら、店から出てきたのが俺だけだと知ると、高を括って伏兵の存在や俺の仲間を探そうとする素振りさえ見せなかった。
それだけ自分たちの戦力に自信を持っている、もしくはこちらに応戦準備が整っていないことを調べ上げた上での余裕かもしれんが、それにしたって侮りすぎだし油断しすぎだ。
そんな当たり前のことにも気づけないコイツらは、ずっと自分たちの優位を信じ切って無警戒。一向に現状を理解し焦る様子を見せねぇことから、一人残らず素人の域を出ねぇゴロツキばっか、ってのが丸わかりだ。
ゴークが金を出すのをケチったか、裏工作員を雇うパイプ役がいねぇか、そもそも手慣れたプロがレイトノルフにいないのか。
いくつか要因は考えられるが、全部当たらずとも遠からず、ってところかもしれねぇな。
ゴークのことだ。今までこうした連中を使えば思い通りになったんだから、今回も大丈夫だっつう根拠のねぇ自信で動いたんだろう。
だとしたら、本当に救いようのねぇ馬鹿としか言いようがねぇ。
ゴークも、コイツらも。
「ほう? この『トスエル』を潰す? これは異なことを仰る」
「おいおい、テメェはバカか? この状況で、まだ俺らが単なる客だと思ってやがんのか? だとしたらテメェ、とんだ脳天気野郎だな。平和ボケしすぎて頭が腐ってんじゃねぇのか?」
再び上がる下品な笑い声。だから深夜だっつってんだろもっと声量抑えろ馬鹿ども。
だが、まあいいか。
これがコイツらの辞世の言葉になるんだ。
今の内に言いたいことを言わせてやるのも、一つの慈悲って奴かもな。
「そのお言葉、そっくりそのままお返しいたしましょう。店の裏手に回した輩が火をつけるのを待っているおつもりでしたら、いくら経っても無駄かと思われます。すでに彼らは、全員無力化いたしましたので」
「…………何だと?」
そろそろ十分馬鹿騒ぎしただろうと思い、俺は親切にも事実を一つ一つ告げていくことにした。
「おかしいとは思いませんでしたか? 皆様がお集まりになられてしばらく時間が流れましたが、『トスエル』には何の変化もないということに?
そちらの計画では、夜中に当店を包囲して放火し、店舗を従業員諸共全焼させるつもりだったのでしょう? もしそれを察知されても、数の暴力に訴え反抗の芽を潰し、家主の目の前で当店を破壊するつもりだった。違いますか?」
「…………」
最初から最後まで、ゴークみてぇな下衆が考えそうなセコくて雑な手だ。
夜中の隠密行動なのにこれだけ馬鹿騒ぎしてんのは、『トスエル』の関係者がこれ以上出てきても構わねぇと判断していたから。
『トスエル』を潰すのは大前提として、ゴークを容赦なく虚仮にした俺たちに屈辱と絶望を味わわせたいがために、こういう指示を出したと推測できる。
「沈黙は肯定ということでよろしいですね? それにしても、自称スラムのボスが勢ぞろいで直属の部下も全員引き連れるだけでなく、実力不足でまともな仕事がない冒険者も集めるなんて、そのお方はまた無駄なお金をお使いになられましたね?
スラム住民が計67名、冒険者が計31名ですか。100名近い大所帯でお1人様当たりいくらの報酬をお支払いになられたのかは存じませんが、当店にそれだけの人数を収容できるスペースがございませんので、営業中にお越しになられてもご案内出来なかったでしょうけど」
「お、おい、何でこっちの動向が全部筒抜けなんだよ? もしかして、この中に裏切り者がいるんじゃねぇのか?」
さすがに集まった人物の情報や襲撃人数をピタリと当ててみせると、ようやく危機感を抱いたのか。馬鹿の一人が焦ったように声を上げ、疑心暗鬼の波が広がっていく。
いや、遅ぇって。
「ああ、ご心配なさらず。この中に当店の息がかかった方はいらっしゃいません。これらの情報はすべて、私が持つ独自の情報網を駆使して集められたものです。皆様方の中に叛意を抱いている方がいないのは、私が保証いたしますよ」
「て、テメェに言われて、信用できるわけねぇだろ!!」
そりゃそうだ。
だが、だからといって自分たちでどう証明するつもりだ? 金で雇われただけの有象無象に連帯感もクソもねぇんだから、疑心暗鬼は濃くなる一方だぞ?
まあ、迂闊にも俺の前に敵意を持って現れたんだ。
今更ヤベェと気づいたところで、何もかもが手遅れだよ。
「狼狽えるな! 情報が漏れていたところで、所詮相手はガキ一匹! さっさと殺せば問題ねぇ!」
「事前情報じゃ、厄介なのは元冒険者の男だけなんだろ? こんなヒョロイガキ相手にビビってんじゃねぇぞ!」
「そうでなくとも、この仕事を失敗すれば、あの方からどんな報復を受けるかわかったもんじゃねぇんだぞ! どのみち、俺たちが後に引けねぇことに変わりはねぇ! 腹括れぇ!」
俺の得体の知れなさに恐怖を覚えたスラム住民や冒険者だったが、数人いたボスの発破にケツを蹴られ、ゴロツキどもの表情が引き締まった。
仮にもボスを自称するだけあって、多少のカリスマは持っているようだな。
いや、カリスマっつうより単なる恐怖支配の一種かもしれねぇな。冒険者はまだしも、スラム関係者はボスの怒声に完全にすくみ上がってっし。
「おや。意見が統一なされたご様子。ではあくまでもこちらを害する意思に、変わりはないと?」
「そういうこった。悪いが、俺らのためにも死んでくれねぇか? っつか死ねよ!」
あらまぁ意外、と大げさなリアクションを取ってみせると、一番先頭にいたスラムボスの一人が号令をかけ、武器を掲げた。
襲撃者どもの萎えかけた気持ちが奮い立ち、殺る気満々で目をギラつかせる。中には看板娘やママさんでも狙ってんのか、色欲で粘ついた感情を瞳に宿す馬鹿もいる。
だが、残念だな。
この戦い、……いや、戦いというのも烏滸がましい『茶番』は、もうすでに終わってるんだよ。
「……? おい、テメェら! 何してやがる! さっさと、っ!?」
鬨の声を上げたスラムボスは最初、高みの見物をするつもりだったのか、立ち止まったままドヤ顔を作ってた。
が、一向に動きのない仲間を怪訝に思ったらしい。さらに気合いを入れさせようと振り返ったボスは、しかし背後の光景に言葉を失った。
「申し訳ございません。当店へ危害を加えると仰られておられましたので、少々体の自由を奪わせていただきました」
「なっ!?」
ボスの背後、つまり俺が笑顔で睥睨する店の前の通りには、武器を振り上げたまま彫刻のように固まったゴロツキどもの静止画が作られていた。
タイトルはそうだな、『愚者どものアホ面』ってのはどうだ? それか『お前をガチ人形にしてやろうか!』とかな? 閣下の名言を拝借しちまったが、ここは異世界だし権利関係とかは問題ねぇだろ。
「て、テメェ! いったい俺らに何をした!?」
遅れて、自分の体も首以外動かないことにようやく気づいたのか、ボスも焦った表情で俺へ詰め寄る。
すでにまな板の上の鯉でしかねぇ雑魚が、口をぱくぱくよく吠える。ボスほどではないにせよ、他のスラム住民や冒険者たちも困惑の声を上げ、なかなかにうるさい。
「かしこまりました。それでは説明させていただきますが、その前に」
「な……っ!? ……ぁっ!?」
「皆様、現在の時刻を考えた声量を心がけてくださいませ。お休みになられているお客様はもちろんのこと、近隣にお住まいのご近所様方にもご迷惑になります。よって、少々気道を狭めさせていただきました。ご了承ください」
我ながら、そろそろ慇懃無礼が嘘臭すぎて気分が悪くなってきた。でも、一度やっちまったキャラだし、引っ込めるタイミングがいまいち掴めん。
とりあえず、店の前にいる間は丁寧な従業員キャラを通すか! なんてこの場では本当にクソどうでもいいことを考えつつ、酸欠ギリギリまで気道が締まって苦しんでいる無礼者どもに、満面の営業スマイルを振る舞った。
ええい、今日は大盤振る舞いだ! のっぺらぼうのキラキラスマイル、もってけ泥棒!!
「それでは、ご静聴いただけるということで、改めてご説明を。皆様の身体の自由を奪ったものの正体は、な、なんと! 私の所持するスキルだったのです! 以上」
「っ!? っ!?!?」
説明になってねぇじゃねぇか! って顔が並ぶが知らん。
っつか、さして親しくもない会って数秒の他人に、俺の個人情報をさらすとか本気で思ってたのか? おめでたい連中だな。
それに、まともに聞く気がない奴もちらほらいるみたいだし? 真面目に説明するだけ損だろ?
そこの連中とか、勝手に白目剥いて顔色青くして寝かかってるし。あそこは胸や喉をかきむしってて、それどころじゃねぇみたいだし。
一人二人ならまだしも、半数以上がこんな感じなんだぜ? 俺が菩薩並の寛容さを持っているとはいえ、最初から聞く耳を持たない連中の相手をするほど、暇じゃねぇよ。
とはいえ、詳細はそう大層なことじゃない。
俺がコイツら全員に《同調》を仕掛け、《神経支配》で行動を縛っただけだ。
ただし、《同調》はコイツらがこの場にきた瞬間に仕掛けた訳じゃなく、この場に到着した時には既に全員《同調》対象者になっていただけなんだがな。
厳密にはコイツらだけじゃねぇ。
レイトノルフの住民は一人残らず、もう俺の《同調》の支配下にある。やろうと思えば、今晩にでも全員を心不全で葬ることも可能だ。しねぇけど。
やり方は『大気浸食』なんて面倒なこともせず、至極単純。
俺が触れた《同調》が仕込まれた物体を、誰かに渡すだけでいい。
《同調》の利点は『間接接触で効果を広げることが出来る』部分だ。その効果に制限はなく、ルールさえ守っていれば対象はどこまでも広げられる。
この性質を利用すれば、《同調》は黒死病、コレラ、インフルエンザなどといった『爆発感染』を疑似的に再現することが出来る。
俺が仕掛けたのは、『金』。
つまり、『金貨・銀貨・銅貨』だ。
これらは優先的に『人間』の手に渡り、俺が特別何か仕掛けなくとも次の『人間』の手に渡る。
硬貨が経済に導入されているこの世界で、『一枚の硬貨』であっても同じところにとどまるはずがない。中流以下の市場で出回りにくい『金貨』ならまだしも、『銀貨』や『銅貨』を後生大事に持つ奴なんてほとんどいねぇしな。
もし、『銅貨』でも肌身離さず持ち歩くような奴がいても、そいつ自身はすでに《同調》が仕込まれている。そうなると、以降そいつが触れた物はすべて《同調》対象に出来るから問題ない。
そうして、硬貨に宿った《同調》は一気に広がり、俺が汗水垂らして働いている間に、レイトノルフの人間すべての生殺与奪を手中に収めることが出来たわけだ。
このやり方の欠点は多少の時間がかかることだが、俺がレイトノルフに来てからもう二ヶ月経ってんだ。
それだけの期間がありゃ、町一つ程度を支配下に置くなんざ、わけねぇよ。
案の定、スラム社会のボスであっても《同調》の感染には逃れられず、あっさり《神経支配》で操ることが出来た。
ゴークの嫌がらせに焦りがなかったのも、この町の人間がしでかすだろう出来事であれば、俺の決断一つでいくらでも操作可能だったからだ。
この町はもう俺の体の一部であり、手足の扱いと同じ支配領域の一つに過ぎない。
いくら権力があろうが、いくら財力を積もうが、いくら暴力に訴えようが、脳を掌握された端末が俺の『支配力』には抗えねぇ。
この町の住人は誰であっても、俺に喧嘩を売った時点で『詰み』なんだよ。
「っ、っ!!」
「? ああ、ご心配には及びません。この異常な光景を、ご近所の皆様に気づかれることはありませんよ。何せ、皆様はこの場に来てからずっと、『一言も発していない』のですから。もちろん、私も含めて、ね?」
「っ!?」
ボスの一人が、「あれだけ俺たちが騒いだ上で、こんな異常を他人に見られたら、お前の異常性が知れ渡るんじゃねぇのか?」的な思考をしたから、それには及ばないと安心させてやった。
だって、コイツらが『トスエル』にくるまでの道中から今までの会話全部、《同調》と《魂蝕欺瞞》と《神経支配》と《神術思考》で、全員が共通して見聞きしただけの『集団幻覚』だったんだし。
さらに、コイツらが店の前に来てからに限ると、時間は1秒も経過してねぇ。俺が店から出てきた瞬間から、コイツらの知覚速度はゾーン以上に引き延ばされてるからな。
すべての処理を具体的に説明すると。
脳からの命令と肉体の齟齬からくる違和感を《魂蝕欺瞞》で消し。
視覚と聴覚情報を《神経支配》で誤認させ。
俺が店を出た瞬間から、コイツらの体感時間を《神術思考》で延長させ。
全員一斉に誤差なく再現してやっただけ。
ついでに言うと、コイツらが今日の夜に起こした行動から今までに至っては、ひたすら無言の隠密行動を取らせていた。
誰かに気づかれる音を一切出してねぇんだから、第三者が気づきようもねぇし、介入出来るはずがねぇ。もしその様子を誰かに見られていても、《同調》を利用した《魂蝕欺瞞》で記憶を消せば一発だ。
よって、今晩も昨日までと変わらない静かな夜が展開されていて、俺が店を出た時から現実の時間軸はほぼ止まったまま。
夜中は全員寝てるような状況で、一体誰の目を気にする必要がある?
「では、ご納得いただけたところで、参りましょうか?」
「……っ!?」
まだ呼吸が浅い襲撃者どもの脇をすり抜け、俺は『幻視』に映る笑顔を維持したまま通りに出た。
通りの中央を、西の門がある方角へ歩を進め、襲撃者たちを丸ごと視界に収める位置まで来たところで、一度立ち止まる。
「皆様方にお似合いの終着点へ、ね?」
雲一つない巨大な月を背負い、接客モードの仮面を剥ぎ捨て振り返った俺は、心からの『無関心』を表情に浮かべた。
そして、声帯ではない『幻聴』でコイツらの鼓膜を震わせ、告げる。
今から行くのは、テメェらの死に場所だ、と。
『幻視』ではない『俺』を見たコイツらの思考は、一瞬で未知の『恐怖』で埋め尽くされた。
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名前:ヘイト(平渚)
LV:1(【固定】)
種族:イセア人(日本人▼)
適正職業:なし
状態:健常(【普通】)
生命力:1/1(【固定】)
魔力:1/1(0/0【固定】)
筋力:1(【固定】)
耐久力:1(【固定】)
知力:1(【固定】)
俊敏:1(【固定】)
運:1(【固定】)
保有スキル(【固定】)
(【普通】)
(《限界超越LV10》《機構干渉LV2》《奇跡LV10》《明鏡止水LV2》《神術思考LV2》《世理完解LV1》《魂蝕欺瞞LV3》《神経支配LV3》《精神支配LV2》《永久機関LV3》《生体感知LV2》《同調LV3》)
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