54話 嫌われ者
この話で、一章が終了になります。
「ふぅ。これでようやく、外に出れるな」
王城の外に出たのが、昼過ぎのこと。
すでに季節は冬に差し掛かっていて、空気はちと冷たい。
なのに、牢屋に迎えの兵士がきたのは、太陽が昇ってすぐの明け方だった。早ぇだろ。
その癖、他の『異世界人』に見られてもいいようにか、最近続いていた獣人による先導ではなく、迎えはイガルト人の兵士だった。
どうやら獣人での案内は、イガルト人の感覚じゃ礼を失した行為らしい。俺に取っちゃ、イガルト人に世話される方がよっぽど無礼だと思ったんだが、口にはしなかった。
最後だっつうことでちょっと会話を試みたが、兵士は基本俺を無視していた。まあいいけどよ。
で、何だかんだで時間が過ぎ、昼になってようやく、王城の外の景色を眺めている。
「さて、行くとするか」
一度大きく背伸びをして体をほぐし、歩き出す。
王城を下ると城下町が広がり、昼頃にもなると雑多な人混みでいっぱいだ。
ま、俺の地元は田舎過ぎず都会過ぎずの場所だったせいか、この人混みくらいだったら驚きもない。
驚きなのは、ファンタジー異世界でそこそこの高さを持つ建物が並んでいたことか。
どうやら魔法を使って建てたものらしく、全部が石造りで二階建て以上の建物が目立った。
どう作ったのかまでは興味ねぇけど、石造りだから強度はそこそこ強そうだ。
魔法的加工で、湿気や熱や換気なんかの問題もある程度クリアしてんのかな? 見た目冷たい印象があるが、何かしらの対処はしてんだろうな。
まあ、元々獣人の国だったことを考えれば、無理矢理作った感が否めねぇんだが。
視線を城下町の外周部に向ければ、木造建築が多く見られた。最初にいた獣人たちは、そっちで住んでいたんだろうと推測できる。
っつうことは、この石造りは侵略してから建てたもんなんだろう。
いつここを陥落させたのかまではわからねぇが、突貫工事にしちゃなかなかよくできた街並みといえるな。
町を作った経緯が侵略じゃ、素直に褒められたもんじゃねぇがな。
大通り沿いに並ぶ商人のかけ声は威勢が良く、とても【魔王】の襲撃に怯えているようには見えない。
意図的に情報操作が行われているのか、知りながら日常生活に影響が出てねぇのか、そこまでは判断つかねぇな。
何にせよ、市場はそこそこ賑わっているように見える。
王都に住んでいるらしい平民がほとんどだったが、冒険者らしい武装した人々もちらほら見ることが出来て、ザ・ファンタジーって感じがして面白い。
ほぼ初めてだった異世界の景色を堪能しつつ、するすると人の間をすり抜けていく。
「……面倒だな」
が、進行スピードがあまり上がらず、少し苛ついてきた。
多少治安は悪ぃが、大通りから外れた裏路地へと足を進める。
建物との間に出来た細い道は、日の光を遮って足下が暗くなっている。その分、人の影が一気に少なくなったから、足の進みも早くなる。
さっきまであった人による圧迫感が消え、気分良くストレスフリーで歩く。複雑な裏道とはいえ、おおよその順路は把握しているため、迷いなく足を動かしていった。
「止まれぇ!!」
しかし、いきなり恫喝に近い声が背後から響き、振り返る。
すると、見たことがある顔がいくつも並んでいた。
「アンタたちは……」
「そうだ! お前を殺し損ねたせいで、地獄みたいな牢屋に一週間もぶち込まれてたキミヨシだよ!!」
そう喚き散らしたのは、記憶より少しやつれた様子の俺の担任だった。
先頭にいた担任の後ろには、合同訓練の時に俺と担任の試合を傍観していた教師の姿も見え、担任同様顔がやつれている。
「お前のせいで、あんな暗くて狭くて臭い部屋に、長時間閉じこめられたんだぞ!?」
「石のベッドに穴だけのトイレ、パンとスープだけの簡素な食事しか与えられない上、鼻が潰れる臭いが常に漂ってたんだ!? あんな酷い環境に押し込められたのも、全部お前が生きていたからだ!!」
「あの時、どうして先生に殺されなかったんだ!! そのせいで、私たちは本当に地獄を味わったんだぞ!? それなのに、お前は自分の罪も忘れて、別の場所で生活するだと!? そんなこと、許せるはずがない!!」
たかだか一週間でこんだけ疲弊するなんて、鍛え方が足りねぇな。
俺なんか八ヶ月いたんだぞ? ざっとテメェらの三十倍以上に渡って牢屋生活していた俺にいう恨み言にしちゃ、かわいいもんだな。
しかもコイツら、いっそ天晴れなくらいの逆恨みじゃねぇか。
俺が死ななかったのが問題じゃなく、俺を殺そうとしたお前らの考えそのものが問題だったんだっつうことに気づけよ、バーカ。
それにコイツら、もし俺があのまま死んでたら、会長たちによって殺されてたかもしれねぇ、って考えなかったのか?
あん時の会長はそれくらいの迫力あったぞ? あれだけの気迫を向けられて、よく自分は安泰だったなんて考えられるな? アホか?
「おいおい、さっきから何を言って……」
「うるさいっ!! お前は、お前だけはっ!! 絶対に殺してやるっ!!」
呆れた様子で声をかけようとしたが、気が触れたらしい担任に言葉を遮られてしまった。
ギラギラとした正気とはほど遠い視線と一緒に向けられたのは、新たに支給されたんだろう長剣の刃。
だけでなく、担任の後ろにいた教師たちもそれぞれの武器を抜き、一斉に構えた。
「ちょ、ちょっと待て! こんなところで武器を抜くなんて、正気か!?」
「問題ねぇよ!!
お前の殺害は、王様から与えられた正式な依頼なんだ!!
よってぇ!!
お前のやるべきことはぁ!!
俺たちにぃ!!
今ぁ!!
ここでぇ!!
おとなしく殺されることなんだよぉ!!」
完全にイっちゃってる目で無茶苦茶なことを言い出した担任は、俺を切った時に見せた速度そのままに、こちらの懐まで入り込んできた。
「死ねぇ!! クズがぁ!!」
そして、あの日の再現のように、右下腹から左肩にかけて、逆袈裟の切り上げを繰り出した担任。
「ぐ、ああっ!!」
口から漏れ出すのは、苦悶の声。
突然の踏み込みに対処できず、以前よりも傷は深い。
胴体から吹き出る血潮を顔に浴び、さらに猟奇的な色を瞳に宿した担任は、口角を怪しく吊り上げた。
「はははっ!! そうだ、これだ!! これが本来あるべき、正しい姿なんだよぉ!! ざまぁみやがれ、クソガキがぁ!! ひゃはっ!! ひゃははははははははははぁ!!!!」
どうやら、『俺』を切り捨てたことで、完全に理性がぶっ飛んだらしい。
狂ったように上げる哄笑が路地裏に響き渡り、耳障りな担任の声が気持ち悪い。
「が……っ、ぐふ…………」
「あぁ!? まだ生きてたのかぁ!? しぶといガキだなぁ、おい!?」
仰向けに倒れて血を吐く姿に、担任は笑い声を引っ込めて近づいてきた。
まるでこちらの恐怖を煽るように、長剣の切っ先を地面に擦らせ、担任の笑い声以上に不快な引っかき音が耳朶を打った。
「しょうがねぇなぁ!! ほら!! 先生方もご一緒にやりましょうよ!! この大人を舐めたクソガキに、ちゃあんと教育してやるのも、大人の勤めですよぉ!?」
『おおおおおっ!!』
まだ息があることがそんなに気に入らなかったのか。
担任が背後にいた教師連中を焚きつけ、バタバタと近くに人が集まるのがわかる。
そして、視界いっぱいに、様々な武器を掲げた醜悪な大人の顔が並んだ。
「や…………、め…………」
「死ねぇ!!」
制止の声を上げるが、担任たちは聞かない。
掲げた武器を。
地面に倒れた体に。
振り下ろす。
何度も。
突き刺す。
何度も。
抉る。
何度も。
「ひゃはははははぁ!!!!」
『ぎゃはははははっ!!!!』
「ぁ……、…………が………………」
血が流れ。
意識が遠くなり。
薄れゆく感覚の中で、最後まで残ったのは。
心底から楽しそうな、歪んだ笑みと。
鼓膜を震わす、下卑た嗤い声。
声はどんどんか細くなり。
突き立てられた刃に乗って、腹から臓物がまき散らされ。
瞼はどんどん落ちていき。
命の灯が、消えていく。
「ひゃははははははははははぁ!!!!」
『ぎゃははははははははははっ!!!!』
それでも。
担任たちの、この世の者とは思えぬ醜い嘲笑は。
いつまでも。
いつまでも。
耳の奥にこびりついて、離れなかった。
「……という夢を見たんだ」
「は? いきなり何を言い出すんだ、お前さん?」
「あ、すんません。こっちの話なんで」
ガッタンガッタン揺れる馬車の中で、御者をやってるおっちゃんに訝しげな視線を受けたが、俺は愛想笑いを返して誤魔化した。
変なものを見る目はなくならなかったが、おっちゃんは首を傾げながらも頭を正面に戻した。
ま、いきなり何の脈絡もなく独り言を話し出したら、そら不審にも思うか。
俺が今いるのは、もちろん担任らがリンチかましてる城下町の路地裏じゃなく、町からだいぶ離れた馬車の中だ。
御者のおっちゃんは、今朝知り合ったばかりの商人で、金を払う代わりに荷台に乗せてもらっている。
きちんと検問じゃ『通行税』も払ったが、特に兵士たちに止められることもなく、町を出ることが出来た。
兵士には《魂蝕欺瞞》で俺の外見的特徴の認識を狂わしたが、それに気づいた様子もなさそうだった。
ついでに、御者のおっちゃんにも《魂蝕欺瞞》で俺への印象を誤魔化してっから、おっちゃんの口から『平渚』の存在がバレることもない。
ちなみに俺の印象をどうしてるかというと、イガルト人とは違う人族の特徴に見えるようにしている。
イセア人っつって、純粋な人族の中じゃだいぶ温厚な種族だな。俺の性格に合わねぇって? ほっとけ。
主に大陸の西側に住んでいて、外見的特徴はイガルト人と同じく白人系。淡い色合いの茶髪に水色の瞳の、素朴だがファンタジー色の強いカラーリングをしている。
顔立ちは髪と目の色が違うだけで印象ががらっと変わるから、ほとんどいじってねぇ。
日本人の顔立ちには合わねぇかもしれねぇが、それも込みで《魂蝕欺瞞》の効果で違和感を感じさせねぇようにしたから、誰からも突っ込みはこない。
恒久的に姿を偽るんなら、《同調》からの《神経支配》の方が効果的だ。
が、短期間の付き合いで後の記憶に印象づけるだけだったら、《魂蝕欺瞞》の方が手っ取り早い。言葉をかけるだけで発動するし、誤認識は俺が解くまでずっと残るんだからな。
また念のため、俺のステータスを何らかの手段で見られたとしても、言い訳できるように《機構干渉》で表記をちょっといじっている。
吸血鬼でいろいろ試した成果か、《機構干渉》を含めてスキルレベルが少し上がったんだよな。
それのおかげで、俺の『名前』と『種族』を偽装することに成功した。
また、《機構干渉》を使い、【普通】で特殊表記になった『状態』と各種項目、スキルもいじって隠しステータスに移動させた。
他人からすると、今の俺のステータスは『平渚』の初期ステータスとほぼ同じように見えているはずだ。
そんなこんなで、『異世界人』の身体的特徴と身分を隠した俺は、正式な手順を経て堂々と王都の脱出に成功した。
ちなみに、俺がさっきまで覗いていたのは、今朝俺を呼びにきたイガルト人兵士の視点だ。
すでに《同調》が施されていた兵士の視覚を共有し、《神術思考》で分割した思考の一つで、兵士の行動を追体験していたっつうわけ。
理由は一つ。
『俺』がイガルト王国でちゃんと『死んだ』ことを確認するためだ。
俺がやったのは、そう難しいことじゃねぇ。
まず、《同調》にかかってた奴ら全員に、《神経支配》を発動させて『俺を迎えにきた兵士』が『俺』だと錯覚させた。
確実性を増すため、二つのスキルに《限界超越》でテコ入れもしたから、ばっちりかかってくれたようだ。
んで、他者からは『俺』に見えている兵士には、先導中に俺の一方的な会話で仕掛けた《魂蝕欺瞞》を使って、『とある指示』を深層心理に植え付けた。
それは、『昼まで他人に姿を見せない』ことと、『昼からは指定の場所まで移動する』こと。
この二つの命令を下したのは俺だが、《魂蝕欺瞞》で発言元が歪んで伝えられたため、兵士の認識じゃクソ王から直々に命令されたことになっている。
それを忠実に守った兵士は、王城内で誰にも会わないように姿を隠し、昼になってからふらふらと城下町に出かけ、俺の指示したルート通りに路地裏を歩いて、担任たちに遭遇して無惨に殺されたんだな。南無。
もちろん、俺は担任たちがあの場にくることはわかってた。わかった上で、兵士を俺の身代わりとして殺させたんだ。
何でわざわざこんなことをしたのかというと、俺が交渉で金を手にした直後に、クソ王と担任たちが密会しているのを《同調》で見ていたからだ。
担任たちに《同調》を仕掛けたのは、俺が合同訓練で怪我を負った三日後。つまり、残念先生の治療を受けた部屋から、自分の牢屋に戻った時だ。
牢屋に戻ってすぐ、生きがいい新人たちの声があったが、俺はあれが担任たちのもんだとすぐに気づいたのがきっかけだ。
で、その時点でどうも精神状態がちょっとアレな感じだったから、コイツらだったら『異世界人』でも《同調》に気づかねぇかも? と思って《同調》を仕掛けたんだよ。
あん時は『異世界人』に仕込めてラッキーくらいに思ってたが、まさか魔族討伐訓練(誤字にあらず)が終わった直後に、俺の殺害計画をクソ王と嬉々として打ち合わせてるほど壊れてたなんて、少々予想外だったがな。
とはいえ、《同調》越しに《神術思考》で観察してからずっと、担任たちの感情は俺への憎悪で支配されてたようだったから、遅かれ早かれ、って奴だったんだろうがな。
会長たちの襲撃に怯えながら、クソ王と担任の会話を盗み見ていたのが昨日の夜中。
最初は真正面から返り討ちにしてやろうかとも思ったんだが、そこで思いついたんだ。
どうせなら、担任たちの殺意を利用して、俺の『死』も偽装してやればいいんじゃね? ってな。
一回ワンコの『死』を偽装した経験も手伝い、あれよあれよと計画と段取りが進んで、夜が明けたと同時に決行。
結果は見ての通り、殊の外うまくいって万々歳、ってところだな。
これで、イガルト王国にはしばらく『平渚』は死んだものと判断され、追跡の手が緩む、あるいはなくなることだろう。
《同調》がねぇ『異世界人』が兵士の死体を見れば、死体が俺じゃねぇってことはバレるだろうが、それまで時間稼ぎにはなる。
その間に、俺は王都から出来るだけ遠くに離れ、クソ王の目から完全に逃げる。
だから、俺がクソ王からもらった金は、ほぼ全額移動に使う気でいる。
王都から他国までの距離と、おおよそ馬車の移動速度、そんで乗り合い馬車の金額相場や町々の『通行税』からざっと計算すりゃ、一ヶ月後にはイガルト王国の外にギリ出られる。
ってわけで、操った兵士の先導で人知れず早朝に城を出た俺は、さっさと余所の町に行く馬車を見つけて、同乗させてもらってるってわけ。
向かっているのは、東。
《世理完解》によると、イガルト人やイセア人とは違う、純粋な人間種の国家があるらしく、とりあえずそっちへ足を運んでみようと思った。
とりあえず、国外後の目先の目標は冒険者となり、身分証明を得ること。
その次は、適当に仕事をして金を稼ぎつつ、日本に帰る手段でも探そうか。
王城の『禁書庫』には、《勇者召喚》の記述はあっても、《異世界送還》に関連した記述のある本はなかったからな。
俺自身にゃ日本への未練なんざさらさらねぇが、貞子みてぇにこの世界が合わねぇ奴はいるだろう。
そういう奴らのため、ってのは言い過ぎだが、帰る手段があるのかどうかは調べてみてもいいだろう。
俺が帰るかどうかは、そん時に決める。
後は、そうだな。もし俺にちょっかいかけてきやがったら、【魔王】を倒すことも考えとくか?
俺の最終目標は『平穏な暮らし』だしな。
え、ダサ、とか言った奴、ちょっと表出ろ。
今日までの俺の生活環境を思い出してみ?
『平穏な暮らし』がどんだけ貴重で尊いものか、嫌と言うほどわかるだろうが?
ってわけで、その目標を邪魔するんだったら、魔族だろうが【魔王】だろうが、ぶっ殺しておくのも悪くねぇ、って思ってる。【普通】がありゃ、何とかなりそうだしな。
ま、あくまで俺の生活を邪魔するなら、ってことだ。俺から喧嘩を売るなんてこと、まだ考えてねぇよ。
「あ~、そういやお前さん、名前は何だったっけか?」
今後のあれやこれやを考えていると、御者のおっちゃんが俺に振り返った。
「えぇ~? ただの道連れとはいえ、ちゃんと覚えてくださいよ? 俺はヘイトっす。そんな長くて覚えにくい名前じゃねぇっしょ?」
嫌われ者。
それが、新しい俺の名前。
出会う奴全員に疎まれて、知り合った奴ほとんどに殺意を持たれる。
それに、本名の『平渚』を別の読みにすりゃ、『平渚』とも読めるだろ?
意味的にも読み的にも、俺にゃぴったりな偽名だ。
何の捻りもねぇ安直なネーミングだが、妙にしっくりくるし、偽名なんて言葉遊びくらいでちょうどいい。
今の俺は、イセア人のヘイト。
『異世界人』の『平渚』は、もういねぇ。
「おっとっと。そうだったそうだった。いや~、何せお前さん、顔に特徴がねぇもんだから、ふっと忘れちまうんだよ」
「ちょっと、おっちゃん。勘弁してくれよ~」
おいおい、割と失礼だな、このおっちゃん。
ま、どうせ一期一会の関係なんだ。
無理に名前と顔を覚えてもらわなくてもいいか。
なんてことを考えながら、御者のおっちゃんと雑談に興じつつ、俺の異世界冒険が始まったんだ。
……ってか、『普通』の異世界召喚ファンタジーって、旅に出るまで八ヶ月もかかるっけ?
日本にいた頃、結構色んな異世界もののネット小説とか読んできたつもりだけど、俺みてぇなパターンって、あんま『普通』じゃねぇよな?
…………ふと我に返ったら、なんか色々心配になってきたな。
俺のこれからって、大丈夫なのか、マジで?
俺は揺れる馬車で増幅していくケツの痛みに堪えつつ、誰に聞けばいいのかわからん不安に苛まれていた。
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名前:ヘイト(平渚)
LV:1(【固定】)
種族:イセア人(日本人▼)
適正職業:なし
状態:健常(【普通】)
生命力:1/1(【固定】)
魔力:1/1(0/0【固定】)
筋力:1(【固定】)
耐久力:1(【固定】)
知力:1(【固定】)
俊敏:1(【固定】)
運:1(【固定】)
保有スキル(【固定】)
(【普通】)
(《限界超越LV10》《機構干渉LV2》《奇跡LV10》《明鏡止水LV1》《神術思考LV2》《世理完解LV1》《魂蝕欺瞞LV2》《神経支配LV2》《精神支配LV2》《永久機関LV2》《生体感知LV1》《同調LV2》)
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