つい最近わかったことだ。
彼女の両親は研究中になくなった・・・
しかも彼女は両親を知らない..
赤みのかかった茶髪の彼女は
黒に染まった組織に
居た。
そこはとても居心地が悪いところだ。
しかも冷酷で冷淡な居場所。
あの方である私自身も
この場所は、嫌だった。
蘭はシェリーを思い出すたび
悲しそうな瞳をしている。
,彼女はなんてかわいそうな人なんだろう,
いつも、同じことをおもっていた…。
彼女は昔もそして今も
パソコンとにらめっこ..
研究ばかりの毎日に
覆われていた。
APTX4869の開発だって組織がすべて
押しつけてしまった。
そのせいで志保ちゃんも
『自分のせいで何人もの人々はなくなってしまった』
と罪悪感を感じるようになった。
両親も現実にはありえない秘薬の
開発をしていた。
志保ちゃんはその研究を
引き継いだことを
今もとても悔やんでいる。
『どうして私は、こんな死者が増えるだけの研究を進めたりしたの?
薬に毒が含まれているなんて
知らなかった・・・
そのことを知っていればすぐに研究なんて止めていたのに・・・』
彼女は博士の家のパソコン室で
1人で引きこもって、
小さな声で同じ言葉を
何度もつぶやいた。
私は最近は、
しばしば博士の家に行くことがある。
その時は必ずパソコン室のドアの前に
立って彼女の呟きを聞いている。
「どうしてかしら・・・」
えっ…‥。
この発言に何か感じた。
「どうして・・・組織は
私のお姉ちゃんを殺してしまったの?
両親も私が物心がついた頃にはなくなって、
私にとってはお姉ちゃんはかけがえのない存在だったのに・・・
どうして私は長い間1人ぼっちなの?
私を愛してくれた人はこの世から逝ってしまった・・・
どうして……」
その声はとっても切ない。
隠せない志保ちゃんの気持ちを
しみじみと感じる。
ドアという目の前に存在する壁から、
志保ちゃんのつらさが
伝わってくる。
私はただ彼女の絞り上げた声を
聞いていることしかできなかった。
志保ちゃんが、
APTX4869という毒薬を作ったしまった罪悪感、
そして組織に殺された明美さんのことで
心を痛めていることを
痛いほどわかっていたのに・・・
その原因は、組織を作ってしまったのは、
あの方である私なのに・・・
私は何もできない。
ガチャン・・・
ドアを開ける音がした。
志保ちゃんがうつむいて
涙を流していた。
灰原も目の前にいる蘭を見て
驚いた表情になる。
灰原の瞳には、蘭が
明美さんと重なって見えた。
「蘭さん……私あのね、あの・・・」
気持ちがこみ上げってくる。
志保ちゃんは突然私の前で
大声で泣き出した。
は私を頼っている様子だった。
普段あまり涙を見せない彼女が、
悔しそうに泣いていた。
大粒の涙はながれている。
私は痛感した。
これが彼女の本音だと・・・
必死に私を頼っている志保ちゃんには
言えなかった..
私が組織のあの方だとは・・・
|