kou@第4話 BAD LUCK
ポカーンと口を開けたまま意識が飛びそうになった。
どうせなら意識が飛んでいた方がマシかもしれない↓
…確かに…今朝、彼に何かしらした事は認める…不本意だが…
だけど…恋人ですって彼言ってるけどあれだよ?
ボク認めてませんからね?
ホモだって認めてませんからね?
でも今日の二人で遅刻してきた事。昨日と変らないシワがついたシャツ。…そして彼の決定的な証言…。
明らかに弁解の余地はない↓
諦めよう…もう軽蔑の視線を浴びる覚悟をしようじゃないか…
ほら…お姉様方も驚き戸惑っているご様子だょ…
と思っていた…が、
『嘘ぉ!?千亜妃君、皇と付き合ってたの!?』
『てことは、やっぱり今日の二人で遅刻出勤って…♪』
『え〜ホントに?クソ〜、もっと早く千亜妃君にアタックしとくんだった↓』
ってぇ…アンタらなんだいその反応は…↓↓↓
違うだろ?もっとこう…男どうしで?とか、気は確かなの?とかそういう当たり前な所指摘しろよ!?
『ねぇ、皇!千亜妃君といつから付き合ってるのさ?』
『二人って前から妖しいなぁって思ってたんだよね〜♪ところでさぁ、二人はどこまでの関係なのょ?』
『アタシより皇が先に千亜妃君をオトスなんて…不覚だょ…まさかアンタに…』
俺は違う問題で意識が飛びそうで、お姉様方の言ってる事さえ耳に入って来ないくらいの放心状態に陥った。
ヤバイ…涙出そう…
『ねぇ!?聞いてるの?皇!』
嵐のような質問攻めをするお姉様方…
その時、俺の沈黙を破るように彼は口を開いた。
『彼が困っていますので、あまり皇を苛めないで下さいね』
最後にニコッと天使のような笑顔を彼女らに振りまくと俺の手を掴んできた。
『え?』
突然の事に呆気にとられた。
彼は再びニコッと笑い
『トイレ行こ?皇ちゃん☆』
と呟くと引っ張るようにトイレへ連行された。
この状況から逃げる為だろう…けど、手を振り払わなければ俺は彼の『恋人』だという事で彼女らに認識されてしまう…。
…でも今の俺には何をする気も失せていた。
仕方なく引っ張られるがままに彼について行った。
後ろでは婦女子(腐女子)たちの冷めやまないざわめきが聞こえていた…
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『恋人だとか嘘言って…どういうつもりなんですか?』
トイレに向かって歩きながら俺はさっきの彼の言動を問いただした。
だって…おかしいだろ?『付き合ってくれ』も何も言ってないのに、いきなり恋人宣言ってのは↓
質問をすると千亜妃さんは歩くのを止め、振り返っていつものように笑った。
『嘘じゃないよ♪昨日の夜に皇ちゃん言ったの覚えてないの?』
『え?昨日の夜…?俺が言った…?』
またまた〜そんな〜。俺が変な事口走るわけ…て
いや、待てょ…
頭をフル回転させ、昨日覚えている限りの事を思い出そうとした。(断じて思い出したくはないが…)
━ねぇ…しよっか?━
この部分は、覚えている…
あれ?そういえば…その前に…なんか俺が言ったような…
…確か…千亜妃さんから甘いいい香りがして…、とろ〜んと気分が良くなって…、んで
━千亜妃しゃ〜ん…しゅきでしゅ〜━
って……………あ"……………………………………!?
…言った…認めたくないが…確かに俺は言った…
目の前が白くなって来るのが分かった。
あまりのショックで、俺の頭の中のセーブデータが無理矢理消えようと頑張っている。
しかしそんな頑張りも空しく、鮮明にその時の記憶は蘇っていた。
『あの…千亜妃さ…』
謝らなければと、変な事を口走った俺が悪いんだと、口を開こうとした。
が、俺の声をかき消すように仕事開始のチャイムが鳴った。
あ"〜もう!なんでこう邪魔が入るかなぁ〜↓
何?これはどこかの組織の陰謀ですか?
狙ってるんならいっそ殺してくれ↓↓↓
『あ、ヤバイっ!皇ちゃん早くっ!また優太さんに怒られるよ!』
落ち込んでる暇はなかった。優太さんの怒った顔を思い出すとゾゾッと寒気がしたからだ。
『急がないとっ!!』
二人は目的地であるトイレまでたどり着く事なく来た道を走って戻った……… |