帰り道
日が暮れる。
いい子はおうちに帰らなきゃいけない。
友達はみんな帰っていった。
だけど私は帰らなかった。
お母さんが帰ってくるなっていったから。
だから私は家出した。
だけど途中で怖くなった。
怖いから家に帰ることにした。
道を歩けば歩くほど、家はどんどん遠くなる。
今来た道を帰らなきゃ。
だけど足は進み続ける。
道の先にはお母さんがいた。
「お母さん!」
私は嬉しさにたまらず走り寄った。
お母さんは悲しい顔をしていた。
私を抱きしめながら泣いていた。
「お母さんどうしてなくの?」
私は不思議に思って聞いてみた。
「いいのよ、お母さんが悪かったのよ」
そうしてお母さんは私の頭を撫でた。
二人は家に戻らなかった。