プロローグ
悲鳴があがった。
それは、金属光沢を放つ、大きな、とても大きな、巨大な円柱の内部から聞こえた。
先端から? 中央から? それとも後方から?
その悲鳴は、もしかしてその巨大な円柱自身が、あげているのかもしれなかった。
そして――
※
宇宙空間を超高速で突き進んできた <傍点> 細長い円柱 </傍点> が、地球に刺さった。
今から約二百万年前のことである。
※
天保三年(西暦1832年)、葛飾北斎七十三歳のおり、大作『富嶽三十六景』を発表する。
その作品中、最高傑作と称えられたのが『凱風快晴 <がいふうかいせい> 』、通称『赤富士』であった。
山の中心を画面右に寄せ、ただ富士のみを捕らえたこの作品は、名作と呼ばれながらも、我々現代人の目には多少、奇異に映る。
山の形が、 <傍点> 不自然にとんがっている </傍点> のだ――
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