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フォーンキャッスル冷徹の姫 作者:佐久野宗希
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22話 氷の洞窟

定期的に洞窟内の魔物を討伐する。
それはずっと前から決められていたフォーン軍の任務だった。
しかし戦いが頻繁に起こっていた最近は、中々討伐に向かわせる事が出来なかった。
なので、報酬等を用意して冒険者に討伐させていたのだが、ダークエルフ軍の進軍などもあり、それも中止していた。
その結果……。

「はぁ!!」

大斧が振るわれ1匹のスノウコンドルが叩き落とされる。
スノウベアーがグランへ向けて鋭い爪を振りかざすが、2撃目を斧でその腕に落とした。
けたたましい悲鳴を上げ、2歩ほどスノウベアーは後ずさる。
すかさず3撃目を頭上から繰り出すと、スノウベアーは真っ二つになった。
4撃目は、グランの後ろから頑丈な氷で出来た拳を向けていたアイシクルゴーレムの足をさらっていた。
両足が膝下から無くなったアイシクルゴーレムはバランスを崩し、大斧を頭上にかかげたグランは、容赦なく振り下ろす。
耳をつんざくような音が響く。
アイシクルゴーレムはその一撃で粉々になっていた。

「……なんという力」

洞窟内は、魔物の巣窟となっていた。

「じょ、嬢ちゃんも……少しは戦ってくれ」
「そ、そうは言われましても……」

体の大きいグランが先導している限り、魔物の狙いはシュネリアに向かないのである。
そのような狭い道を、二人は歩いていた。

「で、では私が先導を」
「それはならん!」

片手をシュネリアへ向ける。

「……はぁ」

ため息が白い。

「なんで俺ばっか狙われるんだ……?」

グランの体はシュネリアの倍はあるのではないかというほど大きかった。
つまり前から現れてくる魔物には、シュネリアを認識する事が出来ないのだ。

「え、ええと」

それをなんと説明しようと考えるが、次から次へと魔物はグランを狙い襲い掛かってくる。

「あぁうっとおしい!!」

大斧を振り回す度にスノウコンドルが次々と斬られ落下していく。
グランは身長が高く、さらに持っている斧もかなりでかい。
そのせいもあって、もはや飛行能力を活かせていないスノウコンドルを、シュネリアはただ可哀想だなと思った。

「まだ来るかああ!!」

シュネリアがスノウコンドルに同情している事など知る由もないグランは、大斧を振るい続けていた。









氷の洞窟地下2Fへ辿り着いたシュネリアとグランは、巨大なゴーレムと戦っていた。
そこは広いフロアになっている。
この巨大ゴーレムの寝床なのだろうかと思いながらシュネリアは剣を振るう。
ブリザードゴーレム。
アイシクルゴーレムとは違うゴーレムで、その大きさは4倍ほどあるように見える。
時折氷の氷柱を落としてくる範囲攻撃が厄介だが、巨躯のグランが大斧を回転させ全て落としてくれるのでなんら苦戦する要素はなかった。
的が大きすぎて適当に武器を振るっているだけでも当たる。
ダークエルフの兵士よりも簡単に思えた。

「ふん!!」

繰り出されたブリザードゴーレムの拳を、グランは大斧で叩き落とす。
それをシュネリアが追撃し、確実にダメージを与えていく。
基本シュネリアは足を狙い、グランは腕を狙っていた。
斧は重すぎて連続攻撃がしにくいため、グランの合間を縫ってシュネリアは追撃を入れていく。
暫くすると、シュネリアの連続した攻撃に耐えられなくなったブリザードゴーレムの足が先に砕けた。
体勢を崩し、動けなくなったブリザードゴーレムに2人は猛攻撃を繰り出す。
やがてブリザードゴーレムの体は破片を散らかしながら崩れていった。

「こんなやつがいんのか……」

大斧を肩に担ぎ、シュネリアへ言う。

「はい。しかも倒しても倒してもいずれまた現れ、徘徊するのです」
「なぜ倒しても現れるんだ?」
「それが分かっていれば苦労はしません……」
「そ、そうだよな……ははっ」

頭を掻きながら照れるグランを見て、シュネリアは嘆息する。

「プランシア女王も、この現象には関心があり研究を最優先でしているはずです……」
「俺はそういう事には疎いんだ」
「そう、ですか……」

自信満々に言うグランを見て、シュネリアは冷たい目線を向ける。
そんな目線など気にもしないグランは歩き出していた。

「ここを降りたら神秘の泉がある祭壇なのか?」
「そうです。そして、守護神であるフィンブルも居るはずです」

フィンブル。
ブリザードゴーレムのように全身は氷で出来ているように見え、足と背中には冷気のようなものが炎のように揺れながら覆っていると、シュネリアの父スルドアは言っていた。

「……やっぱり、戦わなきゃいけないって事も覚悟した方がいいんだろうな」
「言葉が通じるのであれば、それを回避する事も可能なはずです」
「あのスルドア様が討伐隊を編成して倒せなかったんだ。俺ら2人じゃあ……」
「難しいでしょうね……」
「……とにかく、行くか」
「はい」

2人は意を決し、フィンブルが居るであろう神秘の泉の祭壇へと向かった。
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