医薬、麻薬、秘薬
医薬と秘薬と麻薬の区別をつけ始めたのって、中世も終盤に入ってようやくで、定着したのは20世紀に入ってからようやくみたい。
1400年代には痛風の特効薬って事で、アヘンとか麦角が処方されていたらしいよ。それも、貴族つきのプロの医者がさ。痛み止めの効果は絶大だけど、逆に中毒になってしまうだろうに。
魔術的なようそとして使われたのはいわゆる秘薬だね。かなり、麻薬よりの効果や、習慣性があったって考えられている。
中世から現代に至るまで、もっとも長く医薬として効果的と考えられていたのは、実は下剤なんだ。次に吐しゃ剤。上から出すか下から出すかの違いはあるけど(ごめんね)毒気を体外に出すわけね。
しゃ血っていう方法も同じ。いわゆる血抜きなんだけど、これも毒を体外に出すこと。さらに、不足した血を元に戻そうと体がとてもがんばるので、栄養の吸収力が高まるわけね。
ただし、この二つのやり方は患者の体力勝負になる。だから、治療の途中で患者が死ぬことってかなりあったらしい。そりゃ、体力のなくなった患者の血を抜いたら・・・ねえ?
ちなみに、このしゃ血。おもに、床屋さんの仕事だったんだ。床屋の前にある、赤と青の線が動くやつ。あれって、動脈と静脈をあらわしているの。
中世医療の基本は、邪悪や悪性のものが体内にあるから病気になる。だから、それを取り除く。という考えが中心だったみたい。
結果として、変な仮面やら杖やらを持って、患者の周りで踊りまくって、悪霊を払うってのが中世のかなり終期まで残ってたみたい。神官の祈りとなると、もっと近年まで残っていたかな。
医療と儀式的要素が分化したのは、近世にはいってからじゃないかな。