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作:東河哲也



14.恐怖の小次郎




 この世界の人間は基本的には各自孤立していた。各自が各々を憎みに憎み切っていた。小次郎グループは団結していた。このグループは非常に恐れられた。
 数年が過ぎて、ピート他一部の子供たちはもうすでに子供と呼ぶにはふさわしくない成長を遂げていた。それでもピートは小次郎に忠実で、グループを纏めていた。
 小次郎グループは村を訪れた。道行く大人達は小次郎を見るとこびへつらう様な態度を見せた。この数年小次郎は殺しに殺しまくった。殺すことは何よりの快楽だった。
 「小次郎様、ここですよ。この家です」
 「おお、じゃあ、ちょっと呼んでこいよ」
 小次郎はそう言った。彼等は自分達のグループに逆らう者を探していた。この家に住む村人は小次郎の命令に逆らった。一日娘を貸せという命令を無視した。小次郎は飛び上がって喜んで早速その命知らずの家に来た。
 「おお、お前か。いい根性しとるの、お?」
 小次郎は残忍な薄笑いを浮かべ、村人を小突き始めた。村人は小次郎を前にして、完全に戦意を喪失していた。小次郎はピートに命じて、村人を村の中央へと連れて行って、村の連中にそこに集まるようにと命じた。みな誰も逆らえずぞろぞろと出てきた。
 「じゃあ、お前にはどんな目にあってもらうかな、そうだな……」
 小次郎は薄ら笑いを浮かべながら、しばし考えていた。そしてふいに彼の目はキラキラと輝きだした。
 「おもしれえ事、思いついた。おいナイフかせ。そいつは上着脱がせろ。そしてうつぶせにしろや。こりゃおもしれえぞお」
 上半身を裸にした村人を子分達に抑えておくように命じる。そして小次郎は村人の首の後ろから尻にかけてナイフで切り目を入れた。まるで料理か何かをするような淡々とした作業だった。村人は大絶叫を上げ、気を失った。小次郎はまだやめようとはしなかった。何かしらの作業に夢中になっていた。
 「ほら、もうちょっと切れ目を入れろ。ちょっと水ぶっかけろ。よしよし、そうそう、おい、みんな見とけよ」
 小次郎は村人達に大声で声をかけて、ナイフの切れ目から丹念に背中の皮を剥ぎ始めた。村人は痛みで目をさました。
 「起きてろ。なるべく頑張れ。簡単に死ぬなよ。抑えろ、抑えろ。へ、この豚野郎が」
 小次郎は夢中になって村人の背中の皮をナイフでゆっくりと剥いでいった。村人は痛みによる大絶叫の末、絶命した。それでも小次郎は皮を剥ぐことをやめず、背中の皮をすっかりと剥ぎ取ってしまった。赤い筋肉や白い脂肪がむき出しになった。
 「おい、なんか牛肉みたいだなあ。食ってみるか。え、おい」
 小次郎は狂気の目つきで笑い転げ、そう仲間達に声をかけていた。
 最初の頃は、小次郎はただひたすら一生懸命だった。全力で周りの人間に恐れられようとしていた。そして怖がられること、恐れられる事ばかりを考えているうちに、残虐行為が楽しくなっていた。もうほとんど人間の心を失っていた。













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