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第3話:感動の再会なんてありえない
『え~、今日は生き別れたカエルの兄妹のお話をします。あるところ―――』
……どうして校長の話はつまらない上に長いんだろう?それにうちの校長の話は趣味が入っていて、もはや人生の肥やしにはならない内容を延々と話し続けるのだ。まぁ普通科高校の校長なんてそんなもんだろうが。
「やってられないわね」
どこからか…ていうかオレの隣からそんなつぶやきが聞こえる。クラスで男女一列ずつ並んでいるので、必然的に女子だ。
(……ていうか度胸あるな)
オレの名字は哀川。これまた必然的に一番前だ。で、二年生で真ん中に並んでるから校長の真正面にいるのに……
「転校初日からこんなつまらない話を聞くなんて」
オレの隣の女の子は普通にそんなことを言っている。……いや確かにつまらないけど、それいっちゃダメだって。というか少しは声落とそうよ。校長に聞こえるとやばいだろ。
『そこでワッツはジェニファーに言います。
「クライマックスまでには追いつく...先に行けよ。...心配するな、帰ったらお前の結婚式なんだ。死ぬわけには行かない...」
「兄さん!一緒に行くって約束したじゃない!」
ジェニファーは叫びます』
……気付かないな。校長もう一人芝居状態だ。というかワッツ死亡フラグたてすぎ。
「もっとジェニファーの気持を話の中で入れ込まないと訳がわからなくなるわ……もっと構成をしっかりするべきよ」
真面目に聞いてたの!?
「そこのあんた。あの話は校長の自作なの?」
と、意外に真面目だった少女はオレのいる方向に顔をむけ誰かに話しかけた。
「あんたよあんた。こっち向きなさい」
口の悪い人だ。こんな人に話しかけられた人は可哀想だな。
「いい度胸ね。そういうつもりなら無理やり向かせてあげる……いやむしろ皮を剥く」
恐ろしい少女だ。
「いいからこっちを向きなさい!」
と、いきなりオレの顔が妙に柔らかいもので挟まれる。見てみると、隣の子がオレの頬に両手をあて、はさんでいた。
「は?……って、うわっ!?」
無理やりオレの顔が少女の方へ向かされる。……ってオレをよんでたのか?
「って……アレ?あんた……」
「えっ?……あ……」
オレと少女は見つめあう。すると、なにか込み上げくるものがあった。
「もしかして……誠矢!?」
「そういう君は……誰だっけ?」
「…………………………………」
「…………………………………」
オレの中に込み上げてきたもの。それは完全な戸惑いだった。


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