frozen times〜二度と戻らない時間(とき)〜(1/7)縦書き表示RDF


東大生だが周囲から嫌われ者の扱いを受ける主人公とおっとりしていて一見、馬鹿そうに見えるが神聖な雰囲気をかもしだす一人の女子大生…、二人の出会いは偶然でもあり、実は必然だったのかもしれない…
frozen times〜二度と戻らない時間(とき)〜
作:りす君



凍話1-出会い-


日本に寒波が押し寄せ凍てつく12月の中旬、東京・汐留のビル街はクリスマスシーズンに向けての巨大なツリーへの豪華な飾り付けにより、美しいイルミネーションが完成しようとしていた。
クリスマスに近づくに連れて、沢山の恋人達がその完成間近のクリスマスツリーの周辺に溢れていた。

「…クリスマス…か…。」

そう呟く一人の青年…、彼の名は青葉充(アオバミツル)、東京大学法学部に通う21才である。ある時から頭脳明細、運動神経もそこそこあったがスポーツは特にやってなかった。
181cm、70kgと長身で東大生に一目置かれている存在だった。しかし彼は、彼自身の性格の問題によって周りの人からも嫌悪され、やがて彼から友達などが離れていくのだった…。

彼の性格…、それは人を信用せず、冷たくあしらい、時には自分の良いように利用する。さらにリアリズム(現実主義)であるので、普通に同じ若者の夢や幻想を潰し、相手の精神(ココロ)を傷つける。そして、自分より下と思う者を嘲笑するなどの冷酷極まりない性格だった。
彼は元々、そのような性格では無かった。ある事件によって彼の性格、及び彼の人生観が大きく変わったのだ。

東京の都心部は華やかなイルミネーション達が彩っているが夜は深くなるに連れてまた一段と冷え込む。充は、ツリーを一蔑し、ゆりかもめの駅に向かった。
その途中、不意に誰かとぶつかってしまった。充自身は倒れなかったが、相手方は尻餅をついているようだった。
充は、心底で面倒臭いなと思ったが一応、
「大丈夫ですか。」
と声を掛けた。良く良く見てみると自分と同じ学生だと気付いた。
「大丈夫です、ごめんなさい…私、大学に提出するレポートをじっくり見ていて…そのためよそ見してしまい…。そちらこそ、怪我はありませんでしたか。」
その女子大生が顔を上げた瞬間、充は衝撃を受けてしまった…。

………。…嘘だろ?…とても良く似ている。………、あの時の母の顔と…。

「あのー、どうしました、私の顔に何か付いてますか?」
ふと我に返った充は、
「いえ、何でもありません。」
と何事も無かった様に振る舞った。
「そうですかぁ。」
と一言言った女子大生は、地面に散らばったレポート用紙を拾い始めたので充も自然に拾うのを手伝っていた。そして拾い集めた用紙を彼女に渡した。
「助かりましたー、ありがとうございました。私、茅場零葉(カヤバレイハ)って言います。あなたは…。」
「別にここで名乗る必要は無いので…、失礼します。」
と、充はぶっきらぼうに答え、一方的に話を終わらせ、やや駆け足気味でその場を後にした。

茅場零葉…、どこかで聞いた事がある名だな…と思いつつ、充は汐留駅へ向かった。












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