第9話
加山は自分の通っている中学校、東浜中学校の校門の前に立っていた。
先に走っていった飯田の後を追ってここまできた。
飯田の慌て方からして学校で何かあったのだろう。
ここまで追ってきただけの事件はありそうだ。
もしかしたらおもしろいモノが見られるかもしれない。
そんな期待を胸に、加山は校門から敷地内に入った。
怪しまれるから飯田には気付かれないようにしないと…
いろいろ説明すんのメンドいしな。
それに見つかったら、まるで俺がストーカーみたいに思われちまう。
…とその時、
「加山!何でいるんだ!?」
え…
靴箱の前に飯田が立っていた。
飯田は真っ直ぐ加山をとらえていた。
…さっそく見つかっちまった…
しょうがない。
加山は何で学校にいるのかをすべて話した。
加山と飯田は一緒に廊下を歩いていた。
飯田の話だと…前半の部分は難しくて理解できなかったが、まあ高見が危ないらしいことは分かった。
まあ高見を助けたいとは思わないが、矢崎のやつも気にくわない。
仕方ない、矢崎をたおすという理由の元で出向いてやるか。
しかし暗いな。
懐中電灯があるからかろうじて足下くらいは見える。
懐中電灯がなかったら危なっかしくて歩けない。
「不気味だな…」
飯田がそんなことをつぶやいている。
確かに昼間と違って夜の学校は不気味だ。
いつもより廊下が長く感じられる。
飯田がいなければ普通に歩いてなどいられないだろう。
ホントに高見はまだこの校舎にいるのだろうか。
人気がない、静かすぎる。
……ガッシャーン!
突然、静寂を破り何かが床にぶち当たる音がした。
「なんだ!?この音!?」
急に恐怖がわいてきた。
突然の衝撃音。
突然すぎたその音は、俺の恐怖心をあおりたてた。
コワイ。
コワイ、コワイ、コワイ。
「上だ!行ってみよう。」
飯田が冷静に言った。
しょうがない。行くしかなさそうだ。
二人は一番近い階段までダッシュした。
3階。
飯田と加山は慎重に階段をのぼっていた。
音の方角と大きさからして、あの音は3階から聞こえた。
つまり、近くに矢崎がいてもおかしくない。
慎重に…慎重に…
階段をのぼりきったところで、辺りを懐中電灯で照らす。
!!
音楽室の電気がついている。
誰かいるのか!?
そしてドアの前には人影がある。
誰だ?暗くてよく見えない。
その人影を懐中電灯で照らす。
灯りを足からどんどん上に移す。
「た、高見!?」
加山と飯田は声をそろえて言葉を口にしていた。
そこに立っていたのは高見裕也、自分たちが救出しにきた本人だった。
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