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守護山娘シリーズ 作者:白上 しろ
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葛城は咲く③

 季節はもう秋でした。葛城の高原のススキがたくさん風に揺れています。ススキの群れの中に、葛城の顔。そして青年、渉の顔。二人はお互いに目が合いました。
「あの・・・・・・」
渉の話始めた言葉。それよりも早く、葛城は叫びました。
「わたくしは、オオカミではありません! 怖い者ではありません!」
葛城の大きな声に合わせて、今度は渉も頑張っていいました。
「分かっています!」
今度は葛城です。
「私は・・・・・・」
『私はこの山の守護山娘です』というつもりでした。しかし、渉は先に叫びました。
「あなたは、僕たちと同じ人間です!」
葛城は瞬きすると、言葉が止まりました。
「そうですよね?」
渉は問い掛けました。葛城は『違います』と、言えませんでした。心のどこかで、自分も人間でありたいと思う事がありました。その思いに添った言葉が、渉の何か優しい気持ちをプラスして葛城には心に届いたのです。葛城は嬉しくなって、突然渉に向かって走り出しました。渉から見ると、葛城が急にススキの中に姿を消したので、どこへ行ったのかキョロキョロと探しました。でも見あたりません。いきなり、ガサッ、と目の前のススキが左右になぎ倒されて、目の前に葛城が現れたので、渉は『うわっ!』と驚いて尻餅をつきました。葛城は、しまった、と思いました。
「あぁ! また驚かせてしまいました!」
慌てる葛城に、渉はいいました。
「だ、大丈夫です」
葛城のボサボサの髪に、たくさんのススキの穂が絡まっていました。渉はそれを見て思わず、プッ、と笑いました。葛城はなぜ笑われたのか分かりませんでした。とにかく渉が自分の頭を見て笑っているので、ボサボサ髪の頭を両手で押さえました。そして葛城も何だかおかしくて笑っていました。そんな二人の側には、渉のスケッチブックが開いた状態で落ちていました。以前どこで見つけたのか、ツツジの花のスケッチが鉛筆で描かれていました。
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