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第19話 腹ペコ奴隷の事情と紹介

事前にお話ししておきますが、この章は仲間(配下)集め編でもあります。

キャラがバンバン登場しますので、名前を覚えるのが苦手な方は頑張ってください。

最低限覚えるべきキャラは後書きに書きますし、久々登場とかのキャラは本編末尾に書こうと思います。

セラはメインキャラになりますので、覚えて頂けると幸いです。

「小さいころから人10倍くらいの量を食べていました。貴族ですからね、平民よりいいものを10倍も食べれば、それなりの金額が動きます」

「確かにそうだろうが、それだけで貴族が子供を奴隷に落とすとは思えないんだが?」


 クソ国のクソ貴族を見てるとあまり自信を持っては言えないけど…。


「ええ、それだけではありませんわ。見た限りではわからないと思いますが、私これでもかなり病弱なのですわ。頻繁に風邪や体調不良になりますし、身体能力も普通の人よりかなり低いですわ」


 そんなわけはない。もしそれが本当なら、俺が『面白い』なんていうわけがない。


「それに信じられます?わたくし奴隷商に売られる前は、体重が120kg以上ありましたの」


 確かに見た目からは想像できないが、先ほどの食事量を見れば納得できる部分もある。


「それは太っていた、と言うことか?」

「いいえ、今とほとんど同じ体型ですわ」


 確かにそれは不自然だ。セラの身長は170cm近い。プロポーションもいいから、多少の体重はあってもおかしくない。しかし120kgともなれば誤差の範囲には収まらないだろう。

 そういえば、ガリガリのセラを運ぶのに小間使いが2人必要だったな。


「考えてくださいます?非常によく食べて、不自然に重くて、やたら病弱な女を嫁にしたいと思う男がいると思いますか?」


 あまりいないだろうな。いたとしても相当の物好きだ。平たく言うと変態だ(ミオの話では貴族の変態率は決して低くないようだが)。


「今年で14になるのですが、1度の縁談も来ない無駄飯喰らいの娘です。両親は野心家で、使えなければ身内でも切り捨てる人達でしたから、14歳までよく我慢したのではないでしょうか」

「それでも親が簡単に…って、14歳?その見た目で?」


 そういえばステータスには14歳って書いてあったな。見た目があまりにも大人びていたから、すっかり忘れていたよ。

 セラの見た目は美人。美少女と言うよりは美人だ。10代後半、化粧によっては20歳を超えているといわれても不思議ではない。


「ええ、見た目と中身が一致しない不気味な娘です。捨てたくもなるでしょう?」


 なるほど。ここまでを1セットとして、捨てるという決断に至ったということか。


「それで捨てられて奴隷商に来たのですが、奴隷商では食事の量が不足していまして、あっという間にガリガリになってしまいました。これでもそこそこの見た目でしたので、いずれは買われるだろうと思っていたのですが、ガリガリになったのが意外と早く、気付いたら売れるような見た目ではなくなっていました」


 確かに俺が見た時には、しぼんだ胸とか色々見えていたから、かろうじて女と分かる程度の見た目だったからな。どう考えても後数日も生きてはいなかっただろう。


「もしかしたら、両親からの死刑宣告だったのかもしれませんね…」


 少し悲しそうに言う。そりゃあ、奴隷商の食事なんかアテにできないだろう。それを見越して、直接は手を出さずに殺そうとしたのかもしれないな。なんてクソ親だ。


「で、そんな折にご主人に買われ、お腹いっぱいになるまで食べさせていただきました」


 お腹をさすりながら言う。…その動き、妊娠しているみたいに見えるから止めて欲しいんだけど…。


「もしかしたら、生まれて初めてお腹いっぱいになるまで食べたかもしれませんね」


 その言葉でふと閃いた。


「なあ、ちょっと試してほしいことがあるんだけどいいか?」

「はい?なんでしょう?」


 俺は近くにあったソファを指さして言う。


「そこのソファを持ち上げてほしいんだ」

「何を言っているんですの?最初に病弱と言ったじゃないですか。そんなことできるわけないですわ」

「いいから、いいから」


 怪訝そうな顔を向けてくるセラ。だが俺も必殺のゴリ押しを発動する。


「わかりましたよ…。どうせご主人様には逆らえませんからね…」


 そういってソファに近づきしゃがみ込む。


「よいしょっと…」


 軽々とソファを持ち上げるセラ。全く重そうには見えない。


「え?あれ?軽い?何で?」


 当然のように驚いている。断っておくが、俺はセラにステータスやスキルを渡していない。間違いなくセラの素の腕力だ。


「もういいぞ。俺の考えていることが合っていると確認できたから」


 セラがソファをゆっくりと下ろす。念のため補足しておくとこのソファ、3人くらい座れるヤツで、引越し屋だったとしても1人で運ぶのは困難なサイズだ。


「なんでですの?体中から力が溢れているようですわ…」

「あー、俺の方から説明できるが、聞くか?」

「お願いします」


 その言葉に頷くセラ。まあ、ここで聞かない理由もないだろう。


「セラの今までの話はほとんど1つの要素で説明できる」

「なんですの?それは?」

「それはセラの身体能力の高さだ。正確には最大限パフォーマンスを発揮した場合に限定されるけどな」


 今、ソファを持ち上げて見せたのが、何よりの証拠だ。


「パフォーマンスと言うのは…、もしかして食事ですか?」

「ああ、その通りだ。簡単に言えば、セラは満腹の時はすごい身体能力を発揮できるっていうことだ」


 考え込むセラ。思い当たる節はあるのだろう。


「両親はわたくしの食べすぎを気にしていましたから、満腹になるほど物を食べたことはありません。それでも、多めに食べた時は不思議と体調がよかったような…」

「恐らく、身体能力が高い理由の1つに、筋肉の密度が高いって言うのもあると思うぞ。筋肉は人間の体重の中でも多くを占めているからな。その比重が高ければ、そりゃあ、体重も重くなるわな」


 元の世界でもダイエットと称して筋肉をつけすぎると、むしろ体重が増えたりするらしいからな。贅肉よりも筋肉の方が比重が高いという話だ。


「見た目の成長が早いのも、身体能力を十分に発揮できる姿に近づくためじゃないかな…」


 恐らくだが、老化も遅いんじゃないかな。最高効率でいられる期間が長いともいえる。


「当然だが、その身体能力を維持するためには大量のエネルギーが必要だ」

「それが食事ですか…。それが本当なら確かに話が繋がりますわね…」


 そういいつつもほとんど話を信じているようだった。嘘は言っていない。その理由がスキルのせいであると伝えていないだけだ。


「そういえばご主人様はなんでわたくしをお買いになったのですか?さすがにあの見た目で売れるとは思っていなかったのですが…」


 思い出したかのように言うセラ。

 見た目だけで言えば、ほとんどミイラだった。アレを愛玩用にするのは、酔狂や変態を通り越して、もはや狂気としか思えないよな。


「そりゃあ、もちろん。その身体能力を俺のために使ってもらうからだ」

「はい?」


 ハテナマークを大量に浮かべるセラ。セラからしてみれば、今明らかになったばかりの力を、最初からアテにされていたなんて言われも訳が分からないよな。


「詳しい説明は後にするが、俺は最初からお前が凄い力を持っているとわかっていた。具体的な背景は分からなかったけどな…。俺は旅をしているから、護衛や身の回りの世話をさせるために買ったと思ってくれればいい」

「…詳しい話は後でしていただけるんですね」

「ああ、まずは俺の仲間に紹介する。詳しい話はそこですることになるだろう」

「わかりました」


 俺は奴隷商を呼び、セラの身なりを整えさせるように言う。もちろん追加で1万ほど払った。

 しばらくして奴隷商とセラが戻ってくる。黒のロングスカートと白いブラウスを着て、身だしなみを整えたセラは目を見張るような美人だった。


「驚きましたな。最初来た時もここまでではありませんでしたぞ…。こうなるとわかっていれば、多少無理してでも食べさせておくべきでしたな…」


 悔しそうに言う奴隷商。


「まさか今から値上げなんてふざけたことは言わないよな?」

「まさか!奴隷商にとって見る目がないのは本人の罪です。1度売った奴隷にそんなことをするわけがありません!」


 叫ぶように言う奴隷商。真っ当とは言いにくい商売だけど、それなりの矜持はあるみたいだな。


「ちなみにこの状態で売るとしたら、いくらで買う?」

「ちょっとご主人様!それは鬼の所業ですわ!」


 泣きそうな顔をするセラ。


「そうですな。50万で買い取って、200万で売るくらいが妥当ですかな…」

「おお、投資金額の50倍かー」

「その場合、食事に関する但し書きが付くのと、維持費の都合上早めに売りたいですな」

「うう、わたくしのご主人様は鬼畜ですわ…」


 崩れ落ちるセラ。美人が凹んでいるのって結構そそるな。


「冗談だよ。そんな落ち込むなって」

「冗談だったのですか。いや残念。気が変わりましたら、ぜひ当店まで…」


 止めろ奴隷商。冗談にガチで返してくるな!そこまでのことをするつもりは(今のところ)ない。


「ううー、信じますわよ…」

「ああ、そんなもったいないこと誰がするか!」

「…何か違う気が…」


 そんなセラを連れて奴隷商を出る。真っ当な格好をしたセラは人の目を引くようで、何人もの男が目で追ってしまう。

 本当にこんな女子に求婚が来なかったのだろうか?そこんとこ、ちょっと不思議である。


A:奴隷商に来る前の慢性的な食事不足により、不健康そうな見た目になっていたことが原因だと思われます。


 あれ、ヘルプ先生ってこういうパーソナルな質問に回答したっけ?


A:そうなりました。


 …<千里眼システムウィンドウ>とヘルプにはスキルレベルがないはずなんだけど、なんとなく進化してる気がする。目に見えない形で進化されると不安になるのは、ステータスに毒された証拠かな…。


 宿に戻り店員にセラの分の追加料金を払う。念話で連絡はしているから、みんなはもう宿に揃っている。


「ただいまー」

「「「《お帰りなさーい》」」」


 全員が声をそろえて言う。マリアとミオはメイド服だ。そういえば、俺の方が帰るのが後になる場合はできるだけメイド服を着用してお出迎えするとミオが宣言していたな。でも今回はミニスカのメイド服だ。これでクラシックタイプとミニスカタイプの両方が揃ってしまった。もちろん、メイド服は好きな方だからウェルカムだ。後、動くとパンツが見える。


 全員の前に立って、セラを紹介することにした。


「この子が新しい俺の奴隷のセラだ。こっちは俺の旅の仲間だ。セラ、自己紹介をしてくれ」

「はい。皆さま初めまして。わたくしの名前はセラといいますわ」


 お辞儀をするセラ。そんなセラに反応するのは当然ミオだ。


「おおー、その口調元貴族ね!」

「ええ、ですが今はもう奴隷ですから、気にしなくて構いませんわ」

「じゃあ、皆も自己紹介を頼む」


 俺が促すと、ミオが最初に前に出てきた。


「ご主人様の1番奴隷のミオちゃんだよ!先輩って呼んでもいいからね!」


 (ない)胸を張って宣言するミオ。奴隷の間の力関係に口を出す予定はないが、いきなり先輩風吹かすのか…。何も考えてないのか牽制なのか…。


「同じく仁様の1番奴隷のマリアです。幸運にも仁様に拾っていただけた者同士、仲良くしていきましょう」


 お辞儀をするマリア。この子は話題を振ると俺の話をどっかに挟んでくるよな。後、1番奴隷が2人いるけどそれはいいのか?


「私はさくらです。えーと、仁君の配下やっています」


 なんで皆俺との関係性を前に出してくるの?最近はさくらに魔法を作らせているから、配下と言っても正しいだろうけどさ…。

 さくらがドーラを前に出すと、ドーラは無言で手を上げた。


「この子はドーラちゃんです。仁君のペットやっています」


 …おい、人聞き悪すぎるよ。事実だけどな。詳しい説明を省くとこうなるのか…。



「とまあ、これが俺の旅の仲間だ」

「仲間と言うか…、全員女性でご主人様の配下じゃないですか。…これはご主人様のハーレム軍団に加えられたと考えるべきでしょうか…」


 あ、外から見るとそうなるのか。手を出したりはしてないけど、見て触って愛でているからな。あんまり思い切った否定はできないな。


「そう考えていいと思うわよ。あ、安心してね。ご主人様は奴隷だからってあんまりひどいことはしないから。時々奴隷ネタでいじめて来るけど…」

「あー、その洗礼はもう受けましたわ…」


 それこそ何にも言えないな。止めるつもりはないけど。


「仁様は素晴らしい方です。私は奴隷商で死にそうなところを救っていただきました」

「…それはわたくしもですわ」


 マリアのフォローにセラも頷く。


「軽い自己紹介は終わったな。じゃあ次はセラの事情だ。セラも構わないか?」

「ええ、隠すようなことでもないですし、詳しい説明をする以上は必要でしょう」


 一応セラの了解を取ってから話す。


 「親に売られた」と「無駄飯喰らい」の辺りでマリアが反応した。マリアの場合は村的にやむを得なかった部分もあるけど、少し共感できるのだろう。

 「外見と中身が一致しない」でミオがそっぽを向いた。そうだな、お前とは逆のパターンだもんな。

 「体重120kg」の辺りでさくらがお腹を触る。俺は知っている。さくらが馬車の旅の途中、お腹のあたりを触りながら、『歩かないとカロリー消費が…』と言っていたのを…。


 その後は身体能力と食事の関係について話した。


「なるほど、お腹さえ膨れていれば強い子ってわけね?」

「ああ、<無限収納インベントリ>の中の料理をほとんど食われた」


 ご飯類だけは死守したけど…。


「嘘でしょ!?確か20人分じゃあ済まないだけの量があったはずよ!」

「あの量を1人で、ですか…。結構稼がないといけませんね」


 マリアがやる気を出す。いや、真っ当な手段で飯を食わせるつもりはないよ。こっそり考えを巡らせている俺を見てさくらが一言…。


「仁君、もしかして私か仁君の異能でなんとかするつもりですか?」

「正解。食べ物を出す魔法、もしくはMPを栄養に変える魔法とか作れないかな?」


 最初からさくらをアテにしていたんだよね。だって便利だもの。しばらく黙っているさくら。異能が適用できるか確認しているのだろう。


「…出来そうですね。MPを栄養にして、丸薬にするというのはどうでしょう」

「兵糧玉ね。それっぽいじゃない!」


 さくらの提案に、ミオが反応する。兵糧玉とは、忍者の携帯食で小さい丸薬だが、栄養がたっぷり詰まっており、お腹が膨れるというものだ。確かにそれっぽい。

 ちなみになんで『料理を出す』じゃないか聞いたら、料理が想像できなかったと言われた。リアル<料理>スキルの影響は意外と大きいようだ。


「わかった。後でその魔法を作ってくれ」

「今じゃなくていいんですか?」

「説明なしに見せてもびっくりするだけだろ?」

「ええ、びっくりしたわ」

「奇跡かと思いました」


 マリアとミオが頷く。あの時は驚かせることメインで派手なことしたからな。


「そういえばご主人様。この子の秘密はどっちなの?スキル?称号?」

「何の話です?」


 不思議そうな顔をするセラ。そうだな。そろそろメインの話をするか。


「セラの秘密。この身体能力はスキルによるものだ」

「へー、どんなスキルなの?」


 どうでもいいことだが、俺が説明したいので<契約の絆エンゲージリンク>によるステータス鑑定は切らせている。


「その名も<英雄の証>!高い身体能力で敵をなぎ倒す前衛職だ!」

「「「《おおー》」」」


 ちなみにこの反応、事前打ち合わせありです。ヤラセです。


「なんですの?誰か、説明を…」


 置いて行かれたセラが困惑している。


「さっき言ったろ?詳しい説明をするって」

「はい?」

「ミオ!カモン!」

「わかってるわよ…。説明は私の仕事なのよね…」


 そうそう。この間正式にミオの仕事に『新入りへの説明』を加えた。これで意外と説明が上手かったりするんだよな。1度説明してあることばかりだから端折るけど…。


「…と言うわけなの」


 ミオによる。スキル、ステータス、異能、メンバーの経緯などの説明が終わった。いやー、わかりやすい説明だった。


「にわかには信じがたいですけど、ここまでの証拠を見せられたら、信じないわけにもいきませんね」


 <契約の絆エンゲージリンク>により、ステータスなどを見せたり、さくらに<魔法創造マジッククリエイト>で「エナジーボール」の魔法を作らせたりしたので、セラも信じたようだ。


<固有魔法>「エナジーボール」

使用者のMP(魔法発動とは別途必要)を栄養素とカロリーに変換し、丸薬を作成する。最大で一般人20食分の栄養素を加えられる。


「そしてこれがわたくしのステータスですか」


名前:セラ

性別:女

年齢:14

種族:人間

スキル:<英雄の証LV5><敵性魔法無効LV->

称号:仁の奴隷、元貴族令嬢


「この<敵性魔法無効>って何ですの?」

「それは自分に不利益になる魔法を無効化するスキルだな。支援とか回復は受けられるけど、攻撃とか妨害は無効化するっていうチートだ」

「高い身体能力で敵に向かっていき、魔法に関しては弾き飛ばす。うん、英雄ね」


 ミオも納得している。かなり完成されたスキル構成だよな。問題は…。


「でもな…。ヘルプ先生に聞いたところ、過去にこのスキルを持っていた奴は全員、成人前には餓死しているんだよなー」

「マジですか…」

「マジです」


 ある意味仕方がない。食糧事情の良い世界じゃないからな。裕福な家に生まれなければ、最低限身体を維持するだけの食糧も望めないだろう。


「運が、良かったのかもしれませんね。捨てられたとはいえ、ここまでは生きてこれましたし、捨てられた後もご主人様に拾われることが出来たのですから…」

「そうですね。仁様に拾われたことは幸運です。ですから、私たちには仁様のお役に立つ義務があるのです」


 マリアが高々に宣言する。…まあ、力になってくれるのなら、文句はないさ…。


「そういえばご主人様、1つ気になってることがあるのだけど…」

「なんだ?」

「セラちゃんは<敵性魔法無効>があるのに、奴隷術が成功したのはなんで?」


 確かに相手を奴隷にするなんて、敵意と言っても過言ではないよな。


「だって、捨てられた上に奴隷にできないなんてことになったら、それこそ引き取り手がいなくなるぞ?身を守るためには奴隷になるしかないんだ。ほら、敵じゃない」

「持ち主の立場まで考えてくれるんだ…。気の利いたスキルね」

「そんな気の利き方はいいから、お腹が空かないようにしてほしかったですわ…」

「はは…」


 苦笑することしかできないよな。どうもこの世界は帳尻合わせに気を遣いすぎな印象があるな。メリットにはデメリットをセットにする。いや、メリットを台無しにするデメリットがセットで付いてくるといった感じか。


「もちろん奴隷になった以上は、しっかりと働かせていただきますわ。さしあたり、身の回りの世話と護衛、と言うか戦闘を担当すればいいんですわよね?」

「ああ、せっかくの能力を遊ばせておくのももったいないからな」


 そこまで言うとセラはモジモジし始めた。なんだ?


「それは分かりました。…それで、ですね。兵糧玉による栄養の摂取はいいんですけど…、その…、普通の料理も食べさせていただきたいと…」


 ああ、そういうことか。兵糧玉による栄養摂取は必要だが、毎食それでは味気ないということだろう。そこまで可哀想なことをするつもりは俺にはない。


「わかっている。ただし1食分だぞ。そうだな、途中まで普通の料理を食べて、間で兵糧玉を食べる。最後に残りの料理を食えばいいと思うぞ」

「はい、ありがとうございます。そうさせていただきます」


 兵糧玉の味は保証できないからな。最初と最後は美味しいものの方がいいだろう。俺も携帯食で似たようなことを考えたからな…。

 MPは大量にある。さくらに魔法を作ってもらうのと、セラのために兵糧玉を作るくらい訳はない。特にセラの兵糧玉は生命線だからな。いくらあっても困らないだろう。


 その後、セラの武器として大剣と大楯、大槍などを買った。大型の武器でも片手で軽々と振り回せるセラにとって、両手武器と片手武器の差なんてないに等しい。信じられるか?これ、ステータス上げてないんだぜ?


グレートソード

分類:大剣

レア度:一般級


パルチザン

分類:大槍

レア度:一般級


カイトシールド

分類:大楯

レア度:一般級


 冗談はさておき、多少のスキルとステータスを与えるだけで即戦力の前衛が出来た。マリアもそうだったが、デメリットさえ何とかしたら即戦力と言うのは、俺の異能と相性が良すぎる気がするな。


 後、さくらの装備として杖を買うことにした。掘り出し物で希少級の杖を発見したからだ。


ルビーの杖

分類:片手杖

レア度:希少級

備考:魔力が上がる


 …とりあえずこの街ですることは終わりかな。次の街でいよいよ冒険者登録と、本格的な観こ…、冒険の始まりだ。


*************************************************************


進堂仁

LV38

スキル:

武術系

<剣術LV7><槍術LV1 down><棒術LV6><盾術LV2 new><弓術LV3 down><格闘術LV6><暗殺術LV2><斧術LV1 down>

魔法系

<火魔法LV2><水魔法LV2><風魔法LV2><土魔法LV2><雷魔法LV2><氷魔法LV2><闇魔法LV3><回復魔法LV2><呪術LV1><憑依術LV1><奴隷術LV2><空間魔法LV2><無詠唱LV2><固有魔法オリジナルスペル>「リバイブ」「ルーム new」「ワープ new」「ポータル new」「エナジーボール new」

技能系

<魔物調教LV5><調剤LV3><鍵開けLV3><泥棒LV4><恐喝LV4><統率LV4><鼓舞LV4><拷問LV2>

身体系

<身体強化LV10><縮地法LV5><HP自動回復LV5><MP自動回復LV2><跳躍LV4><気配察知LV5><夜目LV3><覇気LV1><闘気LV5><狂戦士化LV1><索敵LV6>

異能:<生殺与奪ギブアンドテイクLV4><千里眼システムウィンドウLV><無限収納インベントリLV-><契約の絆エンゲージリンクLV-><???><???><???>

装備:霊刀・未完


木ノ下さくら

LV27

スキル:

武術系

<棒術LV7><格闘術LV2>

魔法系

<火魔法LV3><水魔法LV2><風魔法LV2><土魔法LV2><雷魔法LV3><氷魔法LV2><闇魔法LV5><空間魔法LV2><無詠唱LV2>

身体系

<身体強化LV7><MP自動回復LV2><跳躍LV3>

異能:<魔法創造マジッククリエイト

装備:ルビーの杖


ドーラ

LV26

スキル:

武術系

<棒術LV5><盾術LV3>

魔法系

<竜魔法LV3>

身体系

<身体強化LV9><HP自動回復LV2><飛行LV7><突進LV5><咆哮LV10 up><噛みつきLV8><跳躍LV3>

装備:僧兵のバトルスタッフ、鋼の楯


ミオ

LV20

スキル:

武術系

<弓術LV8><格闘術LV2>

技能系

<魔物調教LV1><鍵開けLV1><料理LV5><家事LV4>

身体系

<身体強化LV9 up><跳躍LV3 new>

装備:フェアリーショートボウ


マリア

LV28

スキル:

武術系

<剣術LV7><投擲術LV1><格闘術LV3><斧術LV1>

魔法系

<火魔法LV3><水魔法LV3><光魔法LV5><回復魔法LV3><生活魔法LV1>

技能系

<魔物調教LV1><調剤LV2><料理LV1><家事LV1><伐採LV1><狩猟LV2><裁縫LV2><採掘LV1><鑑定LV3><鍛冶LV2><乗馬術LV3><作法LV5><執事LV6>

身体系

<身体強化LV10><縮地法LV5><HP自動回復LV6><MP自動回復LV4><跳躍LV4><覇気LV5><闘気LV5><索敵LV5><心眼LV4><覚醒LV2><強靭LV2><不動LV2>

その他

<勇者LV5>

装備:ワンハンドアイアンソード


セラ

LV1

スキル:

武術系

<剣術LV7 new><槍術LV7 new><斧術LV5 new>

技能系

<乗馬術LV2 new>

身体系

<身体強化LV10 new><跳躍LV4 new>

その他

<英雄の証LV5 new><敵性魔法無効LV- new>

装備:グレートソード、パルチザン、カイトシールド


ここから下のスキルは各人に1ポイントずつ与えているもの。LV2以上だった場合、LV1だが占有している場合は個別で記載。


武術系

<剣術><槍術><棒術><盾術><弓術><投擲術><暗器術><格闘術><斧術><騎乗戦闘>

魔法系

<火魔法><水魔法><風魔法><土魔法><雷魔法><氷魔法><光魔法><闇魔法><回復魔法><生活魔法>

技能系

<調剤>

身体系

<HP自動回復><MP自動回復><気配察知><夜目><索敵><心眼><覚醒><強靭><不動>

その他

<幸運>

基本的に奴隷たちの元家族に関する話はしない予定です。

したとしても和解などはさせないでしょう。

今のところ情状酌量の余地のある元家族いませんし…。

あ、ドーラは違いますよ。どう考えてもドーラ編とかあるでしょう?


20150908改稿:

セラの武器を追記


20150913改稿:

修正(6)の内容を反映。

セラの武器をグレートソードに変更。

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マグコミ様にてコミカライズ連載中
コミカライズ
― 新着の感想 ―
よく食べて力があって肉体のベストな期間が長い? ブチ切れたら髪の毛逆立って金髪になったり青くなったり 月を見たら大猿になるどこぞの戦闘民族みたいな・・・
仲間今後もバンバン増えるのか…流石に多すぎないか?ヒロインはあまり多すぎても一人あたりのキャラが薄くなって良いことないぞ?せいぜい4~5人に留めておくべきだと思うが。 敵性魔法無効めっちゃ強いけどレ…
うーん 与奪の異能で当人の最初の能力値・スキルってほぼ関係ないんだよな レアスキルですらちょっと借りるだけで用済みになるし 面白い境遇なのは分かるけど メンバーに加えるなら戦闘センスか本当に道楽のつも…
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