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くたばれっ! 一般相対論  ―― マッドサイエンティストの憂鬱 ―― 作者:畢竟 吾煌

序章 篩

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第2話 等方座標系の計算 その1 ――弱重力場近似―― 【計算注意】

 一応続きだが、具体的な計算で、弱重力場近似において一致してることを示し、強い重力場にて違いを示す( これは次回 )、それだけなのでどうでもいい人は読み飛ばしてください。
 そもそも弱重力場近似においては座標変換で変わらないわけですから。

 まず等方座標系の計算をして、シュワルツシルト座標系の計算と比較してみましょう。
 弱重力場近似ではシュワルツシルト座標系に一致することを確認して、現状の観測では計算上の違いが検出できないことを示す。水星の近日点移動と光線の湾曲。


 とりあえず

r = R (1 + a/4R)^2 ……(1)

◇◇◇ シュワルツシルト座標系 ◇◇◇

(ds)^2 = - (1 - a/r)(c dt)^2 + (1 - a/r)^(-1) (dr)^2 + r^2 {(dθ)^2 + (sinθ)^2 (dφ)^2} ……(2)

s : 世界線 ds :世界間隔
τ : 固有時間(試験粒子の辿る世界線に沿って動く時計で測った時間)
c : 光速
t : 座標時(質量源から無限に遠い静的な時計で測った時間)
r : 動径座標
θ : 余緯度座標(北極からラジアン単位で測った角度)
φ : 経度座標
a : 質量 M をもつ物体に対応するシュワルツシルト半径(M により a = 2GM/c^2 のように決まるスケールファクター。ここで G は万有引力定数)
R : 等方座標における動径座標
dx : xの微分

 (2)に(1)を代入する。

◆◆◆ 等方座標系 ◆◆◆

(ds)^2 = - {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2 } (c dt)^2 + (1 + a/4R)^4 [(dR)^2 + R^2 {(dθ)^2 + (sinθ)^2 (dφ)^2}] ……(3)

 もしくは極座標部分を直交座標系に直した場合

(ds)^2 = - {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2 } (c dt)^2 + (1 + a/4R)^4 {(dx)^2 + (dy)^2 + (dz)^2}

R = √{x^2 + y^2 + z^2}

x : 直交座標の一つの座標軸
y : 上と同様。直交座標の座標軸の一つ
z : 上と同様。直交座標の座標軸の一つ



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 光速の場合を見比べてみましょう。

(ds)^2 = 0 ……(4)

◇◇◇ シュワルツシルト座標系 ◇◇◇

 (4)を(2)に代入して。

0 = - (1 - a/r)(c dt)^2 + (1 - a/r)^(-1) (dr)^2 + r^2 {(dθ)^2 + (sinθ)^2 (dφ)^2}

 上記の第1、2項から、動径方向の光速は
(1 - a/r)^(-1) (dr)^2 = (1 - a/r)(c dt)^2
(dr)^2 = (1 - a/r)^2 (c dt)^2
(dr/dt)^2 = (1 - a/r)^2 c^2
(dr/dt) = ±(1 - a/r) c

 角度方向は立体角dΩで表すと
dΩ^2 = (dθ)^2 + (sinθ)^2 (dφ)^2
 角度方向の光速は
r^2 dΩ^2 = (1 - a/r)(c dt)^2
r^2 (dΩ/dt)^2 = (1 - a/r)c^2
r (dΩ/dt) = ±√(1 - a/r) c

◆◆◆ 等方座標系 ◆◆◆

 (4)を(3)に代入して。

0 = - {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2 } (c dt)^2 + (1 + a/4R)^4 [(dR)^2 + R^2 {(dθ)^2 + (sinθ)^2 (dφ)^2}]

(1 + a/4R)^4 [(dR)^2 + R^2 {(dθ)^2 + (sinθ)^2 (dφ)^2}] = {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2 } (c dt)^2
[(dR)^2 + R^2 {(dθ)^2 + (sinθ)^2 (dφ)^2}] = {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^6 } (c dt)^2
[(dR)^2 + R^2 {(dθ)^2 + (sinθ)^2 (dφ)^2}]/dt^2 = {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^6 } c^2

 a/r << 1 の弱重力場のとき
 a/4R << 1 で上記の右辺の係数の分子

(1 - a/4R)^2 ≒ (1 - 2a/4R) = (1 - a/2R)

 上記の右辺の係数の分母の部分

1/(1 + a/4R)^6 ≒ 1/(1 + 6a/4R) ≒ (1 - 3a/2R)

 上記の右辺の係数

 右辺の係数 = {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^6 }
 右辺の係数 ≒ (1 - a/2R)(1 - 3a/2R)
 右辺の係数 ≒ 1 - a/2R - 3a/2R
 右辺の係数 ≒ 1 - 2a/R

 これはシュワルツシルト座標系での動径方向の光速を弱重力場近似すると

(dr/dt)^2 = (1 - a/r)^2 c^2
(dr/dt)^2 ≒ (1 - 2a/r) c^2

 と係数が一致する。
 角度方向は一致しないのは当然ですが。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 軌道計算などいろいろな方法があるが楽になると思った方法でやることにします。
 基本は座標変換なため、どう省略して、どう近似するか、が胆になります。

 粒子のラグラジアンℒを

ℒ = m g_[i,j] u^i u^j

m :粒子の質量
g_[i,j] :計量
u^i :粒子の4元速度
i :0,1,2,3 0は時間軸(特別感があるため4よりも好きだから採用)。0以外は空間軸。

 オイラー方程式は

(d /dτ){∂ℒ /∂u^i} - {∂ℒ /∂x^i} = 0

 運動量は

p_i = {∂ℒ /∂u^i} = m g_[i,j] u^j

 オイラー方程式の第0成分は

 d p_0 /dτ = 0

 これより

p_0 = 積分定数 = mcε ……(2-1)

ε :無次元エネルギー

 オイラー方程式の第3成分は

 d p_3 /dτ = 0

 これより

p_3 = 積分定数 = mcal ……(2-2)

l :無次元角運動量

 ただし粒子の軌道面をθ = π/2 としている。

 ここで4元速度のベクトル長さが

u^i u_i = g^[i,j] u_i u_j = - c^2

 より

g_[i,j] u^i u^j = - c^2 ……(2-3)

 これに計量を代入して、定義した無次元量で表してみると



◇◇◇ シュワルツシルト座標系 ◇◇◇

- c^2 {1 - a/r} (dt/dτ)^2 + {1 - a/r}^(-1) (dr/dτ)^2 + r^2 (dφ/dτ)^2 = - c^2

(1/c^2)(dr/dτ)^2 = {1 - a/r}^2 (dt/dτ)^2 - {1 - a/r} - {1 - a/r} (r/c)^2 (dφ/dτ)^2

p_0 = - mcε = - mc{1 - a/r}(dt/dτ)
p_3 = mcal = mr^2 (dφ/dτ)

(1/c^2)(dr/dτ)^2 = ε^2 - {1 - a/r} - {1 - a/r} (al/r)^2
(1/c^2)(dr/dτ)^2 = (ε^2 - 1) + a/r - (a^2/r^2)l^2 + (a^3/r^3)l^2

 これにもう一度 p_3 を用いて φ の微分に置き換えると

(1/c^2)(dr/dφ)^2 = {r^4 /(a^2 l^2)}[(ε^2 - 1) + a/r - (a^2/r^2)l^2 + (a^3 /r^3)l^2]

 ニュートン力学のケプラー運動の軌道の式と同様に

u = a/r

 と定義すると

(du/dφ)^2 = (1/l^2) (ε^2 - 1) + (1/l^2) u - u^2 + u^3

 ついでに2階の微分は

(d/dφ){(du/dφ)^2} = 2(du/dφ) (d^2 u/dφ^2)
(d^2 u/dφ^2) = (1/2l^2) - u + (2/3) u^2

 非相対論的ニュートン力学でのケプラー運動の式は

(du/dφ)^2 = (1/l^2) (ε^2 - 1) + (1/l^2) u - u^2
(d^2 u/dφ^2) = (1/2l^2) - u

 これらの式と比較して最後の項が相対論効果である。



◆◆◆ 等方座標系 ◆◆◆

 上記と同様に

- c^2 {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2 } (dt/dτ)^2 + (1 + a/4R)^4 [(dR/dτ)^2 + R^2 (dφ/dτ)^2}]

(1/c^2)(dR/dτ)^2 = {(1 - a/4R)^2 (1 + a/4R)^(-6) } (dt/dτ)^2 - (1 + a/4R)^(-4) - (R/c)^2 (dφ/dτ)^2

p_0 = - mcε = - mc{(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2 } (dt/dτ)
p_3 = mcal = mR^2 (1 + a/4R)^4 (dφ/dτ)

(1/c^2)(dR/dτ)^2 = [1/{(1 - a/4R)^2 (1 + a/4R)^2 }] ε^2 - (1 + a/4R)^(-4) - (1 + a/4R)^(-8) (al/R)^2

 これにもう一度 p_3 を用いて φ の微分に置き換えると

(dR/dφ)^2 = {R^4 /(a^2 l^2)} [{(1 - a/4R)^(-2) (1 + a/4R)^6 } ε^2 - (1 + a/4R)^4 - (al/R)^2 ]

 ニュートン力学のケプラー運動の軌道の式と同様に

u = a/r

 ただし座標変換しているため

r = R (1 + a/4R)^2

 を代入して

u = a/r = a/{R (1 + a/4R)^2}

 これをRで微分して2乗

(du/dR)^2 = (a^2 /R^4){1 - a/4R}^2 /{1 + a/4R}^6

(du/dφ)^2 = (du/dR)^2 (dR/dφ)^2

(du/dφ)^2 = {(a^2 /R^4) (1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^6} {R^4 /(a^2 l^2)} [{(1 - a/4R)^(-2) (1 + a/4R)^6 } ε^2 - (1 + a/4R)^4 - (al/R)^2 ]

(du/dφ)^2 = [{R^4 /(a^2 l^2)} (a^2 /R^4)] {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^6} [{(1 - a/4R)^(-2) (1 + a/4R)^6 } ε^2 - (1 + a/4R)^4 - (al/R)^2 ]

(du/dφ)^2 = (1/l^2) [ {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^6} {(1 - a/4R)^(-2) (1 + a/4R)^6 } ε^2 - [{1 - a/4R}^2 /{1 + a/4R}^6](1 + a/4R)^4 - [{1 - a/4R}^2 /{1 + a/4R}^6](al/R)^2 ]

(du/dφ)^2 = (1/l^2) [ ε^2 - {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2} - {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^6} (al/R)^2 ]

(du/dφ)^2 = (1/l^2) [ ε^2 - {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2} - {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2} {al/R(1 + a/4R)^2 }^2 ]

(du/dφ)^2 = (1/l^2) [ ε^2 - {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2} - {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2} (lu)^2 ]

 ここで弱重力場近似にて a/4R << 1 として展開し、 a/R の2次以上は省略すると

{(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2} ≒ 1 - a/R
u ≒ a/R

 とすると

(du/dφ)^2 ≒ (1/l^2) [ ε^2 - ( 1 - a/R ) - ( 1 - a/R ) (lu)^2 ]

(du/dφ)^2 ≒ (1/l^2) [ ε^2 - 1 + u - ( 1 - u ) (lu)^2 ]

(du/dφ)^2 ≒ (1/l^2) [ ε^2 - 1 + u - l^2 u^2 + l^2 u^3 ]

(du/dφ)^2 ≒ (1/l^2) (ε^2 - 1) + (1/l^2) u - u^2 + u^3

 とシュワルツシルト解におけるケプラーの運動の式になった。
 このためシュワルツシルト解による水星の近日点移動の説明を受け継ぐことが可能である。

 光線の湾曲も結局のところ同様であるため、省略する。面倒くさいから。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 座標変換を以下のように施した上記では弱重力場近似でシュワルツシルト解に一致した。

u = a/r = a/{R (1 + a/4R)^2}

 しかしここで

u = a/R

 というようにしていたら値がおかしくなります。
 これが観測からの由来なら仕方ない。
 だが、厳密な方程式からの由来なら座標変換を普通に施すことが正しい。
 もしこんな方法で計算がおかしいとか言われても困る。
 しかしもしそれが正しくて座標変換した後の弱重力場近似で、座標変換の前後で一致しないなら。それはそれで一般相対論が間違っていることになります。
 私が一般相対論が間違っているという主張だから、それを否定するために相対論が間違っていることになるようなことをするのは本末転倒です。
 ということで、こんなことで否定は止めてほしい。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 シュワルツシルト座標系より

(du/dφ)^2 = (1/l^2) (ε^2 - 1) + (1/l^2) u - u^2 + u^3

 これを少し変形すると

(du/dφ)^2 = (1/l^2) ε^2 + (1/l^2){1 - u} - u^2 {1 - u}

 ここで {1 - u} に次を代入
u = a/{R (1 + a/4R)^2}

{1 - u} = 1 - a/{R (1 + a/4R)^2}
= [(1 + a/4R)^2 - (a/R) ]/(1 + a/4R)^2
= [(1 + 2(a/4R) + (a/4R)^2 - 4(a/4R) ]/(1 + a/4R)^2
= [(1 - 2(a/4R) + (a/4R)^2 ]/(1 + a/4R)^2
= (1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2

{1 - u} = (1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2

 等方座標系の計算より

(du/dφ)^2 = (1/l^2) [ ε^2 - {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2} - {(1 - a/4R)^2 /(1 + a/4R)^2} (lu)^2 ]

 これが

(du/dφ)^2 = (1/l^2) [ ε^2 - {1 - u} - {1 - u} (lu)^2 ]

 となって厳密にシュワルツシルト座標系

(du/dφ)^2 = (1/l^2) (ε^2 - 1) + (1/l^2) u - u^2 + u^3

 と一致する。

 行き当たりでやると無駄が多いですね。
 しかし、弱重力場近似だから観測値を入れても一致するわけですけど。



 次回は検証のための違いが事象の地平面の位置以外ではどんなものがあるのか。
 検証のための違い、安定する最小軌道の違いなどを重力半径近傍ではどうなるのか、を計算できたらと思います。







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