パーティはのんびり旅します。(47/53)縦書き表示RDF


 悪は格好良く、とことん悪に。
 前代未聞の一日3話アップ……。
パーティはのんびり旅します。
作:摩璃藻



47話:VSリーキ(S魔法使い)


 「はああああ!」
 「うらあああ!」

 シーフィスとシュヴァが黒い槍を砕き、父様に迫っていく。
 俺は倒れていて、動けない。
 「アクアリルウィンディアブレイド!」
 「ダークモスキート!」
 ティリの魔導、風を纏った水の剣と、ナーエの魔法、黒い布のようなものが父様へと向かってゆく。
 「ちっ」
 父様は舌打ち一つ、魔法で剣を壊した。
 しかし黒いものがその腕に纏わりつく。
 「ぐぅっ……」
 それはどうやら、血を吸う様だ。
 父様の顔に焦りの色が浮かぶ。

 当然だ、絶え間なく槍を出現させて……さらに血を吸われて、成す術もない。

 そこに、無慈悲ともいえる、槍の雨を掻い潜ったシュヴァの一撃が入った。
 布が纏わりついた右腕に。
 「うぐあ!」
 シュヴァは拳と脚の乱打を始める。
 そこに槍が飛ぶが、シーフィスが砕いた。
 「あ、が……」
 父様は必死で防御をしようとするが、シュヴァの力の強さは半端ではない。
 やがて、吹っ飛ばされる。

 「俺が……お前らなどにっ……っ!?」
 父様が驚愕の表情を浮かべる。
 背後に、シーフィスがおり。
 その剣が、体に突き刺さっていたから。

 「ぐああ……」
 「お前はやりすぎだ」

 シーフィスは耳と尻尾が両方生えており、瞳は金色に光り輝いていた。

 「糞……これは、リオがやっていたのに……っ! 剣士のリオが!」
 「運命も全て狂わせた、貴方の自業自得でしょう」
 シュヴァが冷徹な声で言った。
 「……俺も、ここまでか……」
 「やけに諦めが早いにゃ」
 「打つ手がないからな……お前の魔法の所為で。あんな特級魔法、悪魔に魂を売った俺にも効くにきまってるだろう? 力のほとんどが消された……そうだな、未来を読んだときも、お前はそれをして……」
 父様。

 俺が、まだ、いるのに?

 「諦めは、早く。それは悪の美学だ。今からクロ……いや、リオを使ったとしても俺は勝てないな。どうしても。お前らは強いから」
 ……。
 「最後に、読んだ時のを教えてやろう。シュヴァは格闘家で今のまま。シーフィスも今のまま。ティリとリオは剣士で、ナーエは白魔法、今のまま。ベルは槍使いだったか……。シェンラは魔導師だったな。大して変わってなかったが……」
 「……お前の名は、リーキか」
 「今更か。ああそうだ、お前ら、クロはどうするんだ?」
 ……?

 「クロは俺達の仲間だ」

 「ドSで」

 「大食いで」

 「愛しくて……」

 「面倒くさがりで」

 「兄さんで」

 「わりと強くて」

 「女装したりして」

 「シーフィスとくっついてほしくて」

 「アタシとくっついてほしくて」

 「参謀っぽくて」

 「甘党で」

 「勇士兼銃士で」

 「ツッコミ兼ボケで」

 「……そして」

 「「「「「大事な仲間」」」」」

 「シェンラは、少し、ずれちゃって居なかったけど」

 景色が滲む。

 「旅がたとえ終わっても、私達の絆は切れませんよ」

 「……」
 父様は目を瞑った。
 「……来世があったらの話だが、次は絶対に俺が勝つ。……覚えておけ」

 シーフィスは、父様の体を切り上げた。
 光が舞った。

 「……」

 俺『達』は、それを奪いに来た悪魔を見た。

 『……かなり昔、私がまだ悪かった頃』

 悪魔、クレネ。

 『この人の願いを聞いて、契約を交わした後に、正しい事に目覚めた。同胞を沢山殺した』

 《魂は契約だから貰っていく》

 『そしてこの力があれば、貴方に服従する程弱くはなくなる』
 《じゃあね》

 クレネとナイトクロスは消えた。

 光の粒子を、俺達は見ていた。


 でもなんだか良い人に見えてきた。
 ……ふう











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