47話:VSリーキ(S魔法使い)
「はああああ!」
「うらあああ!」
シーフィスとシュヴァが黒い槍を砕き、父様に迫っていく。
俺は倒れていて、動けない。
「アクアリルウィンディアブレイド!」
「ダークモスキート!」
ティリの魔導、風を纏った水の剣と、ナーエの魔法、黒い布のようなものが父様へと向かってゆく。
「ちっ」
父様は舌打ち一つ、魔法で剣を壊した。
しかし黒いものがその腕に纏わりつく。
「ぐぅっ……」
それはどうやら、血を吸う様だ。
父様の顔に焦りの色が浮かぶ。
当然だ、絶え間なく槍を出現させて……さらに血を吸われて、成す術もない。
そこに、無慈悲ともいえる、槍の雨を掻い潜ったシュヴァの一撃が入った。
布が纏わりついた右腕に。
「うぐあ!」
シュヴァは拳と脚の乱打を始める。
そこに槍が飛ぶが、シーフィスが砕いた。
「あ、が……」
父様は必死で防御をしようとするが、シュヴァの力の強さは半端ではない。
やがて、吹っ飛ばされる。
「俺が……お前らなどにっ……っ!?」
父様が驚愕の表情を浮かべる。
背後に、シーフィスがおり。
その剣が、体に突き刺さっていたから。
「ぐああ……」
「お前はやりすぎだ」
シーフィスは耳と尻尾が両方生えており、瞳は金色に光り輝いていた。
「糞……これは、リオがやっていたのに……っ! 剣士のリオが!」
「運命も全て狂わせた、貴方の自業自得でしょう」
シュヴァが冷徹な声で言った。
「……俺も、ここまでか……」
「やけに諦めが早いにゃ」
「打つ手がないからな……お前の魔法の所為で。あんな特級魔法、悪魔に魂を売った俺にも効くにきまってるだろう? 力のほとんどが消された……そうだな、未来を読んだときも、お前はそれをして……」
父様。
俺が、まだ、いるのに?
「諦めは、早く。それは悪の美学だ。今からクロ……いや、リオを使ったとしても俺は勝てないな。どうしても。お前らは強いから」
……。
「最後に、読んだ時のを教えてやろう。シュヴァは格闘家で今のまま。シーフィスも今のまま。ティリとリオは剣士で、ナーエは白魔法、今のまま。ベルは槍使いだったか……。シェンラは魔導師だったな。大して変わってなかったが……」
「……お前の名は、リーキか」
「今更か。ああそうだ、お前ら、クロはどうするんだ?」
……?
「クロは俺達の仲間だ」
「ドSで」
「大食いで」
「愛しくて……」
「面倒くさがりで」
「兄さんで」
「わりと強くて」
「女装したりして」
「シーフィスとくっついてほしくて」
「アタシとくっついてほしくて」
「参謀っぽくて」
「甘党で」
「勇士兼銃士で」
「ツッコミ兼ボケで」
「……そして」
「「「「「大事な仲間」」」」」
「シェンラは、少し、ずれちゃって居なかったけど」
景色が滲む。
「旅がたとえ終わっても、私達の絆は切れませんよ」
「……」
父様は目を瞑った。
「……来世があったらの話だが、次は絶対に俺が勝つ。……覚えておけ」
シーフィスは、父様の体を切り上げた。
光が舞った。
「……」
俺『達』は、それを奪いに来た悪魔を見た。
『……かなり昔、私がまだ悪かった頃』
悪魔、クレネ。
『この人の願いを聞いて、契約を交わした後に、正しい事に目覚めた。同胞を沢山殺した』
《魂は契約だから貰っていく》
『そしてこの力があれば、貴方に服従する程弱くはなくなる』
《じゃあね》
クレネとナイトクロスは消えた。
光の粒子を、俺達は見ていた。 |