42話:VSクレネとナイトクロス(敵確定♪)
前も後ろも横も上も下も、全てが白い世界。
一度見たな。
歩くと、黒い影がいた。
振り返ると、やはり白くて赤い影がいた。
黒い影と白くて赤い影は、両方少女で、無表情だった。
黒い影は黒い長髪に黒い瞳に黒いワンピース。対照的に肌は白かった。
白くて赤い影は、白い服に紫色の少し長めの髪、そして赤い瞳。肌はやはり白い。
……さて、この少女達は一体何者なのだろう。
黒い少女が口を開いた。すぐに白くて(略)も話しかける。
《私は貴方の使っている短剣。クレネと共に戦い意思を持った》
『私はクレネ。相棒を帰して』
……成程、ナイトクロスは意思を持った短剣。
クレネはそれに取り憑いた魂、ってところか。
……マジ?
『《帰して!》』
……両方、俺の元から離れたいらしい。
失礼な。
俺は寝る時に着ていた服のままで、武器は何もない。
体術しろってか。
通常の生身で戦えるか。
しかし手放したくはない。
だって大金払ったし。
どうしよう?
そんな事を考えていると、クレネが俺に殴りかかってきた。
俺は咄嗟に避けたが、鎖と十字架付きになった短剣、ナイトクロスをクレネが持つ。
……勝ち目ないなあ。
『《覚悟》』
俺を殺せば解き放たれますと?
「俺はまだ死にたくないんだが」
『《それは皆同じ》』
それもそうだな。
……ふー。
仕方が……ない。
〜〜〜
ぱち。
うん。夢だな、勿論。
王子も送り届けたし。
報酬も貰ったし。
クレネとナイトクロスも服従させたし。
OK完璧だ。
「次はどこに行くのにゃ?」
ナーエが言った。例によってシーフィスは熟睡中。
「あのさ、ファニーナとシェンラとリーノ、いたじゃない」
ベルが言った。む?
「いましたね」
「迷惑、色んなところにかけてたし……これ以上あると、さ」
成程。
「しかし……どこにいるんでしょう?」
うん。まず、それだな。
「元凶はあれだろ? 何か、あの人とか言ってたし」
「そうですね、何者なんでしょうか」
「きっと世界征服を企んでるにゃ!」
「いやいやいや、もっとこう、現実的に考えてさ」
「作戦名は『パーフェクト☆スター』とかですかね」
「ダサっ!?」
「ねずみ算式で魔法をかけていってー……」
「それ結構早く征服されちゃうぞ!?」
ティリのツッコミが最近冴え渡ってきた気がするな。
『俺の引退もすぐだな……』
「何その襲名みたいな!?」
お見事。
結局、『積極的に情報収集をしよう』という目的で落ち着いた。
見つかり次第GO。
ティリ、頑張れ。
「おれだけ!? 何で!?」
〜シーフィス観察記、宝がほしいの巻〜
「おい黒、食料と金が底をついた」
はあ!?
そんな事ないだろ、食事は質素だったし、金はそこそこあったし、そんないきなり……
「原因はお前だな。食いすぎ」
…………。
過去にこだわってたら駄目だよな?
「ここに悲報があるらしい」
悲しいなオイ。
俺達が入ろうとしているのは廃れた神殿。
……確かに宝はありそうだな。
ってシーフィスいねえし。
まあとりあえず俺も入る。
中には豪華な調度品が沢山あり、こっち売った方が早くね?
モンスターも出た。
俺はナイフでさくさく刻んでゆく。
投げたり突き刺したり。
……ふきふき……再利用再利用。
大物発見。
『グーダタートル』。凄く硬いが身は超美味。しかもでかい。
……俺の知識が偏ってないかって? 何だ、どこらへんが……食用? ……そんな事ないぞ。気の所為気の所為。
さあ狩りだ!
と思った瞬間シーフィスがトドメをさした。
グーダタートルの唯一の弱点、尻尾に。
……。
別にいいんだけども。
グーダタートルの袋から、ああグーダタートルの腹には袋がある。その袋はモチモチしてて中々の珍味……はっ。
ふ、袋から丸い珠が出てきた。
「これか、訃報って」
違う違う。超悲しいから、止めろ?
……まあそんなこんなで俺達の懐は温かくなった。 |