パーティはのんびり旅します。(40/53)縦書き表示RDF


 書いててむかつきました。
 いやいやコメディーですよ。
パーティはのんびり旅します。
作:摩璃藻



40話:VS山賊(何様俺様王子様♪)


 王子の護衛を任されました。

 「アウスレグ=ファイナーションです」
 「よろしく頼むよ。この紹介状を持っていって向こうの城の兵に渡してくれ。報酬を貰えるから」

 ……俺達は、この依頼を受けた事を存分に後悔する事になる。

 王子様は十三歳茶色い髪に青い瞳、活発そうな顔つきをしている。
 そして、その表情は……城を出て少しした森の中で、ベールがはがされた。

 「あーあ、何でこんなシケた奴等に守られなきゃいけないワケ?」
 王子様のその言葉は、パーティの表情を凍りつかせるには十分だった。
 「……申し訳ありません。何分この道には、A、Bランクのモンスターがごろごろといますので。城の兵士ではかないません」
 「それにしたってもっと強いパーティ居たんじゃねえの? 父上ももうちょっと考えろよなー」
 ……俺の拳の震えよ、治まれ。
 いやまあパーティ全員同じような状態になってはいたが。

 「疲れたー」
 王子様が不満を漏らした。
 「誰かおぶれよー。あーるーけーなーい」
 こ、コイツ……
 残念ながら、俺はそんなに気が長い方ではないぞ。
 王子は座りこんだ。
 「歩かないとつきませんよ。私達とは一緒にいたくないんでしょう?」
 「何だお前、喧嘩売ってんのか? 王子様の命令が聞けないっていうのか? 縛り首にしてもいいんだぞ」
 我慢だ我慢! 報酬報酬!
 ……シーフィスとシュヴァでさえ青筋浮いてるぞ。
 「あ、お前は助けてやってもいいけどな」
 王子がシュヴァに向かって言った。
 「乳でかいし」
 シーフィスの目がうっすらと金色の光を帯びた。
 ついでに……おい、耳。耳隠せ。

 えーと、あの後、力が強くなったナーエは、シーフィスの呪いをほぼ完璧に解いた。
 ただ、理性はそのままで狼になるかもしれない、らしい。
 他人を傷つけるのだけは嫌だとシーフィスが言って、ナーエがその部分を集中的に押さえつけたところ……体力の減少と、理性が飛ぶ事はなくなった。
 しかし、シーフィスが望めば一時的に狼になれる事、それから怒ればなるかもしれないそうだ。

 「……マセガキが……」
 シーフィス、こえーよ地味に。
 「……世間知らずのクソガキ……」
 ナーエ。語尾語尾。
 「……ウザイ」
 ティリが見た事もない表情に……
 「……暗殺……」
 ベル。ヤバイ事言うな。
 「……ふふふ」
 シュヴァ、その笑い声が怖い。
 俺も勿論イラついてますが。
 しかし王子はまったく気付いていないらしい。

 「なあ、お前女?」
 「……おれは男だ」
 「敬語ぐらい使えよな」
 「……」
 「お前胸ねえな?」
 「……ほっといてくれませんかにゃ?」
 「語尾変だな。絶対もてねえよ」
 「……」
 「年上は敬えよ」
 「……そうですね。非力だから何も出来ませんよ」
 「ちっ。役立たず」
 「……」
 「なあお前、髪」
 俺は、シーフィスに放たれようとした言葉を止めようと、思わず王子の口を抑えた。
 「むーむーむー!」
 王子は暴れた。

 もう抑えっぱなしで行こうと決めて、俺達は歩いた。
 王子はとりあえず大人しくなり、俺に抱きかかえられている。
 ナーエの鋭い視線には気付いていないフリをする。

 「ハッハー! 本当だぜ、ありゃあ王子様だ!」
 「ククク! 攫えば身代金が大量に手に入んぞ!」
 「ボディーガードはぶち殺しちまえ!」

 王子は顔を青褪めさせ、俺達に助けを求めるような視線を送った。
 俺達は何処吹く風。
 「!?」
 ……王子には気絶してて貰う。
 俺は抱える体勢を少し変えて王子の首筋に手刀を叩きこんだ。
 そしてそのまま、後ろに放る。

 「あん?」

 俺はラックを構えて、山賊の足を狙って発砲した。笑顔で。
 シュヴァは近くの山賊にハイキックを繰り出した。笑顔で。
 ティリは風の精霊と炎の精霊を呼んだ。笑顔で。
 ナーエは黒い刃と光る刃を出現させた。笑顔で。
 シーフィスは剣を構えた。笑顔で。
 ベルはドラゴンを呼んだ。笑顔で。

 超スッキリ。
 ……でも、王子との旅はもう少し続く様です。最悪だ。

 〜シーフィス観察記、モンスターとの戦闘の巻〜

 「おい、モンスターだ」
 見りゃ分かるわ。
 小さな鳥みたいなモンスターだ。

 「ははははははははははははは!」
 シーフィスはモンスターをさくさく切り刻んでゆく。正直怖い。

 俺に一匹のモンスターが飛びかかってきた。
 咄嗟にラックを撃ったが、出てきたのはティッシュだった。
 薄い紙。
 ヤバイと思ったが上手い具合に顔に被さって何とかなった。
 とりあえず銃身で殴り落とした。

 「さて、行くか」
 シーフィスの顔が心なしかつやつやしていた。
 コイツやっぱり怖い。


 次話はまたシリアス……ぐ、ぐふう。
 ついてきてくれている方はいるのでしょーか?











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