36話:VSリーノ(あの人崇拝者♪)
目覚めるとそこは洞窟だった。手足は縛られてた。
後少女一人。
少女は緑の髪を二つに縛っており、瞳の色は赤。かなりの無表情だ。
「……女装趣味」
……い、今のはわりと心に来たぞ。ぐさっと。
「趣味じゃない。そこだけは否定する」
「……」
少女は、俺に顔を近づけた。
「……そのうち帰す」
「そうしてくれ」
喋ってるって? いいんだよ、今は女だから……声なんて……
「クロー」
かなり気の抜けた声で俺は名を呼ばれた。シーフィスか。
「助けに来たぞー」
……ナーエが攫われた時はキレた癖に。男女差別? いや今は女だが。
とりあえず全員やってきた。
「ダーリーン! いやああああ何で顔近いにゃ!?」
ナーエが叫んだ。うるさい。
「うざっ」
「テメーシーフィス、表出ろや! にゃ」
「上等だ」
「喧嘩は止めなさい!」
例によって喧嘩を始めた二人に、シュヴァの鉄拳制裁が飛んだ。
……ついでに星と鳥も飛んだみたいだが
「クロをかえしやがれっ!」
「……はい」
ティリが叫んで、少女が返事を返すと俺の体は空中へと投げ出された。
「おっと」
で、シーフィスがキャッチした。
……あんな少女があの細腕で、ねえ…………プライドが打ち砕かれた気がするな。
「シーフィス、下ろせ」
「お前今は女なんだから言葉使いを」
「関係あるか」
俺はシーフィスの腕の中から下りた。やっぱり何か嫌な響きだ。
シュヴァ。改めて俺達を見つめるな。
「……私はリーノ」
「ファニーナとシェンラと関係はあるの?」
「……ありまくり……正直やだ」
リーノが自身の名前を言い、ベルが質問して、リーノが正直に答えた。
「……あの人の命令……あたらしい仲間作る……作るのファニーナ……捕まえるの私……シェンラは知らない……後一人」
……わりと長く喋ったな。
「……私……貴方達倒す……貴方達あの人の妨げになる……私貴方達潰す」
微妙に物騒だな。
まずシーフィスが突っ込んでいく。
リーノは隠し持っていたらしい短剣で、シーフィスの剣と切り結び始めた。
そしてティリ、ナーエ、ついでにベルの補助が入る。
シュヴァも隙を見て、リーノに蹴りかかろうと構える。
俺はラックをリーノに向けて撃った。……弾かれた。
リーノは力が強く、一撃が重い。それを剣で受け止めたシーフィスが少し後ずさる程だ。
だが、そこにシュヴァの蹴りが入り、リーノの短剣を弾き飛ばした。
短剣を失ったリーノはシュヴァの足を掴んで投げ飛ばした。
「アクアリルウィンディアブレイド!」
ティリの魔導、水と風の魔を纏った光り輝く剣が、リーノに向かった。
リーノはそれを殴り飛ばした。
「ダークバット!」
ナーエが魔法を放った。黒いコウモリの様な形をした闇属性の魔が、リーノを覆った。
同時に、
「アイスウッドランス」
樹氷属性のベルの魔法が、その闇属性の魔に突き刺さった。
「……殺りましたか?」
シュヴァ、怖い。
「……無駄……私は不死身……そういう体……でも痛い……それからしばらくは霊体になっちゃう……ばいばい」
リーノは消え去った。
男達を操っていたリーノが居なくなったため、全員が正気に戻った。
でも男達は山賊だったらしいので、勿論引き渡した。
町の人々の感謝を受けた。
報酬も貰った。
「……何とお礼を言っていいか……」
「いえ、しかし、子供さんには関係がなかった様で……」
「それでも町は平和になりました。ありがとうございました」
「……何だか行く先々に居ますね、あの人崇拝者」
うん、まあ。
〜シーフィス観察記、眠いの巻〜
「眠い寝る」
はええ。寝るのはええ。
こいつの生態どうなってんだろう。
えーと、起きたら歩いて走って狩って食べて寝る。
……ある意味不思議だ。パターン化してるし
俺はついていくだけだな。
……シーフィス、でも一日の半分寝てるのはどうかと思う |