32話:VSシェンラ(再戦&おまけ♪)
小さな町だ。
まあ冒険センターがあるが……それがなかったら村なんじゃねーのってぐらい小さな町だ。
で、暗い。
「依頼……ですか……」
冒険センターの受付まで怖い……
「盗賊退治……これ、この町暗い原因……敵強い……ボスの名前はシェンラとか……」
……またシェンラ? アイツ強いよな。
「あの人達色んな所に迷惑かけてますね」
「だな。正義の名において許すわけにはいかん」
「人助けだけでも大切にゃ〜」
「勝てればいいんだけどな……」
「報酬しょぼいよね」
『まったくだな』
「「「ドS! 守銭奴!」」」
「……(ちょっと同意してしまいました……)」
「いかにもアジトって感じの洞窟だなあ……」
ティリが言った。確かに言えてるな。
「……」
「……」
敵さんのお出ましだ。
先頭の一人は何か筋肉モリモリの、斧を持った大男。もう一人はナイフを持った、ローブを羽織った青年だ。後ろにも沢山控えている。
あれだな。目がイっちゃってるな。
「グぉオオおオオおぉ!」
「時の歌ヨワたシのこエヲ聞ケ! カの者の時間ヲ止めたマへ!」
……げっ。またS魔法……しかも指定俺かよ。俺の動きが止まった。
そこにどっちゃり襲いかかってきた。
…………。
『……俺のコエが聞こえるだろう? 俺のコエが……聞こえる、だろう?』
襲いかかってきた者達の動きが止まると共に、俺にかかっていた魔法が解けた。
俺はナイトクロスを取り出した。やっぱり黒いオーラが……
《……操り魔法……解けろ……》
……やはり操り魔法か。
俺達はシェンラの元へ向かった。
シェンラは、今回は少女の姿だった。
シェンラが俺を、悲しそうな瞳で見つめる。
「……。かかってこいよ、タイガース!」
……台無しやん。
「黙ってください気色悪い配色の癖に!」
「ちょ!? ほっとけよ!」
「白い目って気色悪いよな」
「ひでっ!? ちぃっ……もう許さねーぞ。全員木っ端微塵にしてやる!」
マジかよ。
「邪ナる炎を纏いシ鳥よ! 我ニそノ力を与えン!」
シェンラの背中に、黒い炎をまとった翼が生えた。
「ダークファイアフェザー!」
その羽根が飛んでくる。たまったものではない。
「ポチ!」
『お久しぶ』
「御託はいいから盾作りなさいボケ!」
『…………全てを吸い込む闇、ダークホール』
おお、羽根が吸い込まれて行く。
『飛んでけ!』
そして、それをシェンラにそのまま返した。
シェンラは別に焦りもせず、それを見ていた。と、羽根が途中で掻き消えた。
『あん? ……』
「ポチ、援護しなさい」
『あ、ああ』
ポチは何だか不思議そうな顔をしたものの、シュヴァと共にシェンラに向かっていく。
「殺すなよ」
シーフィスも、言いながら向かっていく。
「静かなる水の精霊よ……全てを飲み込む波紋の鎧、アクアメタル!」
「聖なる光の天使よ……邪を討ち払う力を持ちて、敵を防がん、ヒアリングメタル」
ティリは水の精霊の魔導、ナーエは光魔法を使った。
俺はやる事がない。いや向かってけとか言われても。
「嗚呼……神よ……貴方は私にひとつをくれた……私の全てはひとつだった……あの人はそのひとつを奪っていった……ひとつは……きっと、消えてしまったのか……」
シェンラが何かを呟き始めた。
「私は……あの人を恨みましょう……あの人は気付いている……だけど私は足掻こう……ひとつを取り戻すタメ……誰にも奪わせやしない……そのためにここにはいられないんだ……」
シェンラは、一体……何を言っているのだろうか。
「ここは一旦引く。……じゃあな」
シェンラは消えた。
退治した(?)ので礼と、報酬を貰った。
蜂蜜ケーキが役得だったので良しとする。
〜シーフィス観察記、洞窟へ行こうの巻〜
「クロ、洞窟があるぞ」
白くて短めの髪の毛、青い瞳。シーフィスだ。
その目は今、凄く輝いている。
入るのかまさか。
と思ったときには既に見えなかった。
一分走った。体力尽きた。もういいや。歩いてりゃどっかぶつかるだろ。
その内シーフィスとも会うだろうし……
俺はアイテムの探索とかしながら行こう。
「クロ、やばい」
何かと思ったらドラゴンに追っかけられていた。その手には子供のドラゴン。
コイツ阿呆だ。
俺は子供のドラゴンを取り上げて親に放り投げた。でもやっぱり届かなかった。
ゴメン。十四歳にしては遠投力無くて本当ゴメン。
シーフィスの手を掴んで洞窟を抜けた。
「あー吃驚した」
死んでたかもしれなかったんだぞお前。
コイツの行動は興味深いが、危険だ。うん。
常識ぐらい覚えさせておかないとこの先ヤバイかもしれない。 |