パーティはのんびり旅します。(31/53)縦書き表示RDF


 何か精霊出してた方が面白い……
パーティはのんびり旅します。
作:摩璃藻



31話:VSファニーナ(雪山にて♪)


 こんな事がありました。

 〜〜〜

 「『雪氷華』?」
 「ああそうだ。フロームリアの雪山にしか生えていない花でな、それが薬草の材料になるんだ」
 冒険センターの依頼で、こんな会話があった。
 まあそれぐらいなら簡単だろうと思っていたんだが……

 〜〜〜

 「ささささ寒いにゃ……」
 「こ、凍えそうです……」
 「つ、つうか凍りそう……」
 「さむっ、寒いっ……」
 「寒いか?」

 シーフィスは何で平気なんだてめえ。
 ナーエはいつもは腰に巻いている黒い長袖のパーカーを羽織ったが、中の半袖と長袖一枚づつなので絶対寒い。しかも下は半ズボンだ。
 シュヴァは白いセーター白いマント、中にも何か着ているみたいだし、長いスカートと長ズボンを重ねてはいている……でも寒そうだ。
 ティリはナーエと同じく黒い半袖に白いローブに半ズボンで、ローブは少し長くてもやっぱり寒そうだ。
 ベルには……俺の半袖のコートを貸している。しかしでかいのでそこそこ腕は隠れている。でもやはり中は半袖半ズボンなので寒そうだ。アーミーブーツが温かいのが救いか。
 シーフィスはセーターに胸当てに長ズボン……でも寒くなさそうだ。何故だ。
 そして俺は……

 「ダ、ダーリン……平気にゃ?」

 唯一半袖の一枚着だ。下は長ズボンとブーツだが、うん寒い。
 腕組んで何とか紛らわせようとするものの、その意味はほぼ無い。
 うわあ……腕が赤い……
 我慢だ。ナーエとティリの足も真っ赤だし。うん、そう思うと……やっぱり楽じゃないな。

 「こんな事なら装備を揃えてきた方が良かったにゃ……」
 「凪月だからって油断してましたね……」

 「ティリが炎の精霊呼べばいいんじゃないのか?」

 シーフィスが言った。……。
 「呼んでるけど来ないんだよ……寒いのやだって……」
 文句言うなよ精霊!
 うう……さっさと帰りたい……これ思いっきり本音だな……

 「何か洞窟にあるらしいぞ」
 どうしてか元気なシーフィスが言った。
 「シ……シーフィスどうして平気なの?」
 ベルが聞いた。
 「この髪留」
 ……。そんな特殊効果あったか?
 「この寒さはどうやら魔法か何かで作り出しているらしいぞ。不特定多数に向けて使ってるし攻撃ではないから、一回きりという制限も無視されているようだ」
 …………それ貸して欲しい…………
 「さあ行くか」
 『「「「「……」」」」』
 コイツ……殺意が沸くわ

 見事な洞窟だった。俺達全員で息を飲んだ程だ。
 外の暗くて寒い雪景色とは違って、水晶が光と熱を放っているため明るく、暖かい。
 ……綺麗だな。つか出たくねえ此処。
 「多分これだな」
 シーフィスが雪氷華を見つけたらしい。雪の結晶の姿をしている花だ。……高く売れそうだな、これ。

 「おほほほほ! ここで会ったが運の尽きですわ!」
 ……あ、何か聞いた事あるぞこれ。
 「こ・のファニーナが! 貴方達を成敗してくれますわよ! おほほほほ! 華麗にね!」
 やばいコイツ果てしなくうざったい!
 「俺達は別に成敗される筋合いは無いが」
 その通りだ。
 「なんとなくですわ! というか、貴方達があの方の邪魔になりそうなんですもの! 成敗ですわ! おほほほほ!」
 …………。
 「シュヴァ、貴族って皆あんな喋り方するのにゃ?」
 「いいえ? むしろ貴族ぶりたい庶民に見えます」

 「ドキッ!?」

 ……口で効果音言う奴初めて見た。
 「そそそそそそそそんな事はでででデマに決まってますわ!? お、おほほほほ! 貴方もどうせ庶民で……」
 「貴方『も』?」
 「はうっ!? ちち違いますわ!」
 「ちなみに私は王族の護衛、騎士団長をしていましたが」
 「申し訳ありませーん!」
 ファニーナがスライディング土下座をした。うん、お見事。

 「その秘密を知られたからには生かしておけませんわ! もっと成敗してくれます!」
 もっと?

 「燃エ盛りシ炎を纏いシ極焔ノ龍! ソの大いナる力で敵ヲ討ちタまヘ!」
 ファニーナが……えっと、『S魔法』を唱えた。
 忘れた人は11話へGO。
 S魔法とは、実は禁じられた魔法。
 魔法使いの命を削って撃ち出す魔法で、種類はW魔法より全然少ない。
 しかしその威力は、もしも命全てを使ってしまえば……国一つ滅ぼしかねない威力になる。
 そして魔法自体はまるで呪いの様な効果を持つものも多い。
 S魔法自体を『呪われた禁忌の魔法』と唱える者もいる。
 「オおオオおオおおオオぉォウゥぅ!」
 龍をかたどった様な炎は、周りを溶かしたりしつつまっすぐ俺達に向かって飛んできた。
 「静かなる水の精霊よ! 大いなる風の精霊よ! 両者我が前に姿を現せ!」
 美しい、蒼い髪の水の精霊と、おなじみの風の精霊が現れた。
 『きゃん☆あんなの怖ーい! パス』
 『貴方の方がキモ怖いです』
 『テメー! 喧嘩売ってんのか!? ああ!?』
 『素がでてますよ』
 『はっ! いっけないピョン☆』
 『キモっ』
 『だーら喧嘩売ってんのかあ!?』
 『二万円になります』
 『高っ!?』
 コント?
 猫かぶりな水の精霊と冷静で毒舌な風の精霊。中々面白いコンビだ。
 「あれ消さないと、特に水の精霊。蒸発するぞ」
 『ええっ!? ちょっとお、風! アンタもやりなさいよ!』
 『炎が居ないのでやる気出ません』
 『ダボが! あたいが消えちまうかもしんねーじゃねーか!』
 『好都合です』
 『殺すぞ!?』
 『……ま、苛めがいもわりとありますし、手伝って差し上げます』
 『……コイツムカつくわー……』
 精霊二人(?)は龍に向き直った。

 『全ての水の力よ、あたいに従いな……アクアバースト!』
 『全ての風の力よ、私に従いなさい……ウィンドブレイク!』
 凄い量の水と風は、龍に向かって……やがて、龍と共に消えた。

 「ぐううううう! えーんえーん、テレポート!」
 あ、ファニーナ消えた。使えるのアレだけだったのか?
 「何にしてもこれで帰れますね」
 『あたいも帰る……私も帰るねっ♪』
 『手遅れです』
 『うっさいわ!』
 「ふーっ」
 「ティリお疲れにゃ〜」
 「もう一働きしてくれ、ティリ」
 『テレポートな』

 追伸:依頼者には凄く喜ばれました。


 勇者「オレはー」
 そろそろ諦めて。
 勇者「えーんえーん」
 嘘泣きはやめなさい。どんだけ抑揚ないのさ、てか目隠すぐらいしろよ
 勇者「死んどけー」
 いきなり物騒!?











ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう