25話:VSラミアとキングレム(機嫌が悪いんです♪)
「なあ、クロ」
森をぱぱっと抜けた俺達は、草原に居た。
モンスター狩りまくれば強くなるんじゃね? という事で、モンスターを斬ったり撃ったり討ったりふっ飛ばしたり。
シーフィスも折角なので、と屋敷で手に入れた剣を使っていた。ちなみに見た目は、鞘が黒くて少し大きめなだけで普通の剣とそう変わらない。
「取れん」
シーフィスが手を開いて、ぶんぶんと振った。
その手には剣。
完璧呪われてるじゃねえか。
「何か衝撃波出るし」
シーフィスが剣を握って振ると、何かが近くに居たぷよぷよのモンスターに当たり、モンスターは倒れた。このモンスターの名前『メタボ』だったりしてな。
それより、まあ……便利な事には違いないな、衝撃波。でも取れないのはまずいか。
『ナーエなら白魔法か聖属性の魔法で呪いぐらいはとれるんじゃないか』
ナーエはモンスターに近寄ったり離れたりしながら数発で倒していた。
「…………?」
……。よくこいつと旅してたよな。意思疎通まったく出来てなかったのに……
「にゃ〜……あったにゃ!」
ナーエは、シーカーの研究所から持ち出してきた本で武器の呪いを解除する魔法を探した。
「……えーっと、呪文はわかったけど……アイテムが必要にゃ」
「何がいるんですか?」
「『目玉』」
全員で身を引いた。
「『唇』」
全員で顔を青褪めさせた。
「『舌』『歯』」
全員自分の体を抱きしめた。
「……『ラミア』のにゃ」
ラミアは大蛇みたいなモンスター。
一通り全員でナーエを殴った後、俺達はラミアが住んでいる洞窟にやってきた。
ティリの魔導でな。
「うげ、コウモリ」
ティリが言った。キーキーうるさいな……
「ちょっと黙って?」
ベルがコウモリに向かって言い放ったが、コウモリは鳴くのを止めない。
「黙れ?」
あ……コウモリがちょっと焦ってる……
「黙りやがれカス」
洞窟の中がしーんと静まり返った。
パーティは ベルにさからうのは やめようと ちかった!
ちょっと怖くなりつつも洞窟の奥へ進む。
カチ、という音が先頭のシーフィスの足元から聞こえた。
「む」
「あ」
「え」
「にゃ」
「わ」
『お』
ズズン……
…………何だろうな、この、大きな扉が開いた様な…………
ザッバァ!
…………何だろうな、この、水が大量に横道から流れてくるような…………
「水が迫ってきた」
「冷静に実況している場合じゃないでしょうが!」
「に、逃げるにゃ!」
「ぎゃああああ!」
「流石にここにはドラゴン居ないよね……」
『シーフィスの阿呆』
まあ逃げ切れる筈も無く、俺達は水に巻き込まれた。天井が高かったのが幸いだが。
俺は泳げはするから心配ないな。
シーフィス、精神統一してる場合じゃねえよ。
シュヴァ、……は問題無しだな。
ベル、ナーエ、ティリ……あっぷあっぷ。
沈んでいっているのは約四名、と…………冷静にしてる場合じゃないな。このままじゃまたドSと言われてしまう。あ、今更いい人ぶっても手遅れ?
「がぼごぼ静かなる水のがぼごぼっ」
「……」
「にゃぶっがほごぶぅォエッにゃ」
「がぼぼっ」
シーフィス以外はピンチ。
「ポチ!」
シュヴァが叫んだ。
『いやこの状況で何をしろと』
しかし流れ速いな……
「いいから皆を助けなさいよ馬鹿! 能無し! 変態!」
今のはシュヴァです、って素のシュヴァキツっ!
『の……へんた……』
うわあ、ポチが目に見えてショック受けてる……。
でも一応助けに行ってるな。意外と良い奴なのかもしれない。評価を少し改めよう。少しだけな。
水の流れがいきなり止み、俺達はボスの前に放り出された。
『冥土の土産に教えてやるが、わらわの名はラミア。さて、どいつから食べようかのう……』
「シーフィスの馬鹿! 阿呆! 屑! にゃ!」
「放っておけ! この猫!」
シーフィスとナーエが喧嘩を始めた。うるさい。
「シーフィス……もうちょっと考えて行動をしたほうが……」
「はーはー。バカヤロー」
「どうしてこんな苦労しなきゃいけないの? シーフィスのためにやってるのに」
シュヴァ、ティリ、ベルも口々に文句を言った。
「ぐ。全員で俺を責めるか……」
「責められても文句言えない事したからにゃ」
「……何か、お前には言われたくないな」
「にゃにを!?」
うむ、それは確かに。
まあしかし……結果オーライ?
『聞けい貴様ら!』
ラミアが憤慨した。女性の顔は怒り狂っている。よく見るとあれだな。ちょっと好みかもしれん。
「うるさい! 頭落としていけ!」
シーフィスがラミアに向かって叫んだ。
『あ、頭!?』
「この剣微妙にうざったいんだよ、まったく腹が立つ! それよりナーエ、これ本当に取れるのか!?」
「ふん、シーフィスの態度にもよるにゃ!」
何でこんなに仲悪いんだか。この間に割り込んだら、『殺されそう』、だ。
「ねえ、ラミアって、頭切ってもまたはえてくるんでしょ?」
「そうですね。でもその姿を見た者はあまりのグロさに精神的外傷を負うそうですよ」
「でも……ちょっと気になるよね?」
「そうですね……気になりますね」
ベルとシュヴァの瞳が、危ない光を宿した。
「……経験値とか、凄いんじゃねえかな」
ティリがニッと笑った。
ぴょこ。
ん〜……これは……大きな……
『貴様ら、わらわを無視しおって……殺してくれる! 行くぞキングレム!』
『ゲロ!』
蛙……か……
「「「「「「あ?」」」」」」
『ヒッ!?』
『ゲロロッ!?』
ズガーンバババババシャッキンドガンズゴォザシュザシュシャギャアアア
ああ、キングレムは、蛙型のモンスターの事だ。
ズゴゴゴゴバキャッドゴンドゴッバァァジャキッドドドドドドドドバーン
その後は……想像にお任せする。呪いは解けた、と言っておこう。 |