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72 我が家のペット

 先代魔王ナイトレインとの会食後、時間が余ったので俺は一人孤児院へと戻る事にした。


「ウォォォン」


 ゲートを潜り、孤児院へと戻って来た俺を出迎える声があった。

 声の主は、以前にフィナが拾って来た子犬"フェン"だ。


 そんなフェンだったが、かつてのミニチュアダックスのような姿は見る影も無くなっている。

 体高が俺の背の高さ程まで成長しており、顔つきも狼のような凛々しいモノに変化している。


「はは、重いって」


 もっとも、拾った当時の人懐っこさは相変わらずで、俺を見つけるとすぐに飛びついてくるのだ。

 まあ、子供たちに同じことをやられると大変な事になるが、それをしないだけの分別はきっちり持ち合わせているようだ。

 ちゃんと相手を見極めて接し方を変えている辺り、中々に知能が高いように感じられる。


「ちゃんとここを守っていてくれたか?」


 そんな俺の問い掛けにも「ウォン」と返事をくれる。


 フェンは見た目の威圧感同様に、高い戦闘能力を持ち合わせているらしく、今は孤児院のマスコット兼護衛としてすっかり定着している。

 異様な成長速度といい、その身体の大きさといい、生態的に色々と謎が多い奴が、悪意の類は一切感じられないので、俺もコイツには割と信頼を置いている。

 なんだかんだと孤児院を離れることが多いので、正直、助かっているのだ。


 ◆


 商品の補充などの雑務を片付けた後、俺は自室へと引き篭もる。


 スマホを取り出し、いつものように某掲示板を開き、とあるスレッドを開く。


 トラバント達への商品提供の際、この掲示板で色々とアドバイスを貰ったので、そのお礼を述べる為にスレを立てたのだが、それが今は若干趣旨が変わりつつも存続しているのだ。

 そこで俺は定期的に異世界ネタを投下していた。



【感謝】異世界から感謝の言葉を【御礼】


 571 : 1

 ちーっす

 異世界ネタを今日も細々と投下しに来ましたー!


 572 : 風がそよぐ名無し

 お、1さん来たか


 573 : 風がそよぐ名無し

 待ってました!


 574 : 風がそよぐ名無し

 今日はどんなネタをぶっこんでくるのかな?


 575 : 1

 今日は少々趣向を変えて、うちのペットの紹介をしたいと思います

 名前はフェンっていいます

 孤児院の敷地に倒れてたのを拾って育てたんだが、これがまた色々凄くてね……


 ちなみに拾った直後の姿がこれ

 〈動画添付〉


 576 : 風がそよぐ名無し

 ほうほう

 可愛い子犬やねぇ


 ってただのミニチュアダックスフンドやん!


 577 : 風がそよぐ名無し

 確かに可愛いけど、異世界っぽさが全く無いな……


 578 : 風がそよぐ名無し

 へっ

 うちのワンコの方が可愛いぜ!


 579 : 1

 やっぱどう見てもミニチュアダックスフンドですよねぇ


 そして現在のフェンの姿がこちらです

 〈動画添付〉


 580 : 風がそよぐ名無し

 ……なんだこれ

 てかサイズおかしくねぇ?

 実は1はかなりチビとか?


 581 : 風がそよぐ名無し

 どう見ても狼じゃないですかやだー


 ……まじで同じ犬なの?


 582 : 風がそよぐ名無し

 あらまあいやだ

 声まで変わって


 いや絶対別の犬だろこれ

 てか犬……なのか……?


 583 : 風がそよぐ名無し

 ふむこれはいわゆる魔物的な存在なのかな?

 こないだの炎の魔法の実演動画も中々出来が良かったが、これもまたいい感じだね


 1はガチで異世界にいるんだと、最近信じてしまいそうになるよ


 584 : 1

 >>580

 身長は確か180cm近くあります


 >>581

 自分もいまいち信じられないですが間違いなく同じ犬です


 >>582

 犬だと思ってたんですけどねぇ

 狼? 魔物?

 謎です


 >>583

 ガチで異世界にいますよー!

 いやまあ信じられないのが普通なんでしょうけどね




 今回はフェンに関する話題で、色々と盛り上がる事が出来た。

 こんな感じで当初のスレッドの目的からはズレているものの、俺は日本の皆さまと楽しく交流させて貰っている。

 日本にいた時は、自室に引き篭もっていても、常に襲撃を警戒していたので、こんな風に穏やかに過ごす事は出来なかった。


 さっさと大迷宮攻略を終わらせて、女神どもをぶん殴って、諸々に決着を付けたい所だ。

 それが終わったら俺は今度こそ本格的に引き篭もるのだ。

 その時は、有り余る日本円を活かしてネトゲ三昧なんてのもいいかもしれない。


 そんな風にして俺は、激動の日々が訪れる前の、ほんの僅かな安息の時間を目一杯満喫するのだった。


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