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ルシフェル

作者:渡橋 邸
 俺は今、一人じゃない
 俺の近くには友が、家族がいる
 彼女は今、一人だ
 友はいなく、家族も、ましてや支えてくれる他人もいない
 孤独。そう、孤独
 空虚。故に色褪せた世界
 一切皆苦。彼女の世界はまさしくそれ
 俺の心が、その空が晴れていても
 彼女の空は、夜の闇で閉ざされる


 この世に一切の楽なし
 そんな悲しい世は認めない
 否。そんな世に浸ることを俺は許せない
 苦を越えんとする者(かのじょ)祝福する太陽(たすけるおれ)でありたい
 闇夜(ぜつぼう)照らす月(うちけすもの)でありたい
 (すくい)を与える先導者(きぼう)でありたい


 その願いは、傲慢なのだろうか
 思い上がりだと、一笑に付すのだろうか
 昼と夜
 流転する世界
 終わりなき夜なんてない
 暗く厳しい夜を越えた先に
 昼があると信じたい


 積み重ねられた努力
 泥沼の底辺で泳ぎ続けたその思い出
 全てを抱いて明日へと向かうあの子を支えたい
 その思い
 闇を切り裂く光になれ
 夜闇を抜ける羽となれ


 この世に一切の苦はなし、進め若人
 夢抱き目指す天は神々しき至高の頂
 是。掴まんとせよ。俺はその思いを無碍にはしない。
 (きぼう)知性(おもいで)がある限り、その道揺らぐことはなし
 生みの親(いだいなるしゅ)が立ちふさがろうとも諦める(とまる)必要もなし
 周りの人々(てんしたち)が敵であろうとも仲間(とも)がいる限り負けはなし


 この言葉、君は嘘だと思うのだろうか
 信じてくれないのだろうか
 逆らう者共
 減り行く希望
 それでも諦める事はなく
 戦い抜いた先に
 輝かしい未来があると、俺は信じたい


 友との絆が打ち切られても
 新たな友を見つけ出し
 屈する事無く明日へと向かって欲しい
 その思い
 闇を切り裂く光になれ
 夜闇を抜ける羽となれ


 終わりの日、訪れても
 悔いなき終わりを迎えて欲しい
 願いよどうか光となって
 貴方の道を照らして欲しい
 光の大天使の如く
 傲慢でも、貴方の前で、貴方を引っ張りたい。助けとなりたい


 ノートに綴ったその詩を、俺は丁寧に切り離し
 ガラス瓶に封入して、そっと海へと流した
 どうか、彼女へ届きますように、という願いをこめて――――。

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