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精霊達の楽園と理想の異世界生活 作者:たむたむ
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六十八話 山岳地帯

 ファイアードラゴンを倒した後……シルフィが倒した後、五十一層の洞窟で広い場所を探し、移動拠点を出して一泊する。ファイアードラゴンを倒した後に明らかに力が上がったのでレベルの確認をしてから、この迷宮を八十七層まで攻略した英雄の本を読んだ。


 名前 森園 裕太
 レベル 80 
 体力  A  
 魔力  B
 力   A
 知力  B
 器用  A
 運   B

 ユニークスキル
 言語理解
 開拓ツール 

 スキル
 生活魔法
 ハンマー術
 夜目

 あはは、レベルが一気に三十五も上がっちゃった。この迷宮に入って結構な数の魔物を倒したけど、力が明らかに変わったのはファイアードラゴンの後だった。

 レベルが上がれば上がるほど、次のレベルアップが大変になるなか、おそらく二十以上はファイアードラゴンで上がった気がする。こういう事を棚から牡丹餅ぼたもちって言うのかな?

 たぶん俺も相当強くなったんだろうけど、身近にシルフィが居ると、だからどうしたって気分になるのが不思議だ。

 上には上が居るって事を噛み締めて、気分を切り替える。レベルが上がったのは良い事なんだから素直に喜ぼう。さて、英雄の本を読もう。

 ………………うらやましい程のハーレム生活。まさに英雄色を好むを地で行く人物が書かれていた。迷宮の情報もっており、ファイアードラゴンとの死闘は中盤の山場になっていた。

 この本によると五十層以降は四十九層程ではないが、普通に出てくる敵のレベルも上がり危険度がかなり増すらしい。

 その分、採取できる物に貴重な物も多くなる。五十六層から五十九層は山岳らしく、貴重な薬草と鉱石が発見されたらしい。五十層までが第一ステージで第二ステージが始まった感じなのか。

 百層以降があるのか分からないが、あるのなら百一層からは第三ステージになるんだろうな。

「シルフィ。そんな感じだから、明日からは山岳地帯で貴重な薬草と鉱石を沢山採取してから戻ろうか」

「私はそれでも構わないけど、八十七層以降を目指さないの? 英雄を越えたら間違いなくギルマスは後悔するわよ」

 それも考えたんだけど、それだと駄目なんだよね。温すぎる。

「シルフィ。もし俺が八十七層を越えたとして、ギルマスは驚くだろうし、悔しいだろうけど、謝るのも簡単だと思わないか?」

「どういうこと?」

 シルフィには分からないらしい。俺の性格が悪いだけのようだ。

「なんて言うか、英雄を越えたら、そんな相手に頭を下げるのはある意味簡単だよね。周りもしょうがない事だと思うだろ。だって英雄を越えた相手に嫌がらせをしてたんだから」

 これだけでも見る目が無いとか言われてダメージは受けそうだけど、それだけなんだよね。謝られたら今度はこっちの器量が問われる。許したらそれで終了だ。そんなに簡単に終わらせるのもちょっとね。

「でも、山岳地帯の物ばかり卸していたらどうなると思う? ギルマスは四十九層で進めている作戦が成功すれば、追いつけるんだから頭を下げる気にはならないと思うんだ。物凄く悔しいとは思うけど、作戦の成功を信じて俺が素材を卸している間も我慢して頑張ると思う」

「確かにそうね。でも成功したら追いつかれちゃうわよ」

「あの作戦は時間が掛かるって言ったよね。その間のギルマスの心はどうなんだろう? それに成功したからって、追い抜かれるとも限らないし、失敗したらギルマスはそれこそ地獄だと思うんだ。俺が先に行っている限り、迷宮都市の冒険者ギルドなのに、特定の迷宮の素材が自分の所に運ばれてこないんだから」

「裕太って本当に性格が悪いのね」「ゆーた。悪い子?」「キュー?」「よくないよ?」「クー?」

 ベル達にたしなめられてしまった。シルフィの言葉は呆れよりも、そんな考え方もあるのねって雰囲気だから問題は無いだろう。ベル達には言い訳しておかないと。

「みんなよく聞いて。ジェネラルゾンビの時にも言ったけど、これも俺の、いや、精霊術師の尊厳を掛けた戦いなんだ。冒険者ギルドで嫌みを言われていたのを聞いてただろ。精霊術師がバカにされているんだ。舐められたら危険なこの世界、徹底的に戦わないと駄目なんだよ」

 ちょっと楽しくなってはいるんだが、それは言わない事にしよう。

「そう?」「キュー?」「んー?」「クゥ?」

「そうなんだ」

 力強く断言する。ここで戸惑ってはいけない。よし。どうやらベル達も納得してくれたようだ。危なかったな。シルフィとは違って、ベル達は純粋な良い子なんだ。みにくい物を見せてはいけない。最低でもこちらの正当性は認めて貰わないとな。

 これと俺が上手に精霊術師を育成出来たら、ギルドの人達はどうでるか。……なんか楽しくなってきた。


 ***


 洞窟を抜けて山岳地帯に突入した。

「本当に大きいな。これを迷宮って言って良いのか?」

 なんで迷宮の中に山々が連なってるんだよ。意味が分からない。

「そうね。裕太が本で読んだ通り、五十一層から別物になるみたいね。今までの階層に比べると五倍位広くなっているわ」

 ……五倍か……今までの階層を隅々まで見た訳じゃ無いから想像だけど、洒落にならない広さだな。

「うーん。採取に力を入れたいんだけど、どこに行けば良いのか分からないね。階段に向かうのなら目的地がハッキリして楽なんだけど」

 火山は植物がチョボチョボだから見通しも良かったけど、山岳地帯は木も草も全力で自分のテリトリーを主張している。

「裕太以外に人もいないんだし、飛び回ってめぼしい所を調べてみる?」

 どれだけ時間が掛かるかも分からないしそれが良いかな。迷宮のロマンは、アンデットが出て来た時に捨てたし、これだけ広いと他に手段があるのに普通に探索するのは嫌だ。ロマンは他の都合の良い時に発動する事にして、今回は楽な方に舵を切ろう。

「そうしようか。特徴がある所を重点的に探そう」

 シルフィに風の繭を張って貰い、空を飛びあがる。ベル達にも面白そうな物を見つけたら知らせて貰うように頼み別行動だ。凄い物を見つけると、それぞれ張り切って飛び去って行った。ちなみに何故かベルはレインに乗って飛び去って行った。一緒に探すのかな?

「裕太。あそこに集落があるわ」

 シルフィの指さす方向をみると、確かに集落がある。山を切り開かれて小屋のようなものが沢山建てられている。結構規模が大きいな。

「何の集落なの? 人じゃ無いよね?」

「ええ、オークキングがいるわ。大規模な群れを作ったのね。他にもゴブリンキングの集落とコボルトキングの集落、トロルキングの集落、オーガの集落が山々に点在しているわ。どうやら集落同士で争っているみたいね」

「各キングってどうなの? Aクラス?」

 五十層を越えてもゴブリンやコボルト、オークとの縁が切れないのか。しかも集団とか迷惑だ。

「ええ。Aクラスね。群れで考えるとアサルトドラゴンよりも大変かもしれないわ」

 なんか迷宮の山岳地帯で魔物達の戦国時代みたいになっているらしい。うーん。もう大軍を相手にするのは飽きたよ。見つかったら空を飛んで逃げよう。あいつら飛べないから逃げられるはずだ。

 普通にこの広い山岳を各種軍団と戦いながら探索とか、胃が痛くなりそうだ。空を飛びながら良い物がありそうな場所を探そう。

「シルフィ。なんにもピンと来ないんだけど、どう探せば良いのかな? 本には最上級の魔力回復薬の原料になる魔力草や最上級の万能薬の原料になる万能草とか、結構貴重な薬草があるって書いてたんだけど、下に降りないと駄目かな?」

 本には山岳で入手できる薬草で、英雄達が更に準備を整え更に先に進む力になったと書かれていた。この二つは一応迷宮以外でも取れない事は無いらしいが、物凄く希少な薬草らしく迷宮で発見された当時は大騒ぎになったそうだ。

 更に迷宮を進むと、神力草という。欠損回復薬が作れる薬草があるらしい。これに至っては英雄達が初の発見者で、強力な力がこもった薬草に薬師ギルドが総動員で研究した結果。欠損回復薬が生み出された。

 まさに神のような力を持つ薬草なので神力草と名付けられたらしいが、神様の力がこもっている訳では無いそうだ。

「その方が探しやすいのは確かね。下に降りる?」

「そうした方が良さそうだね。あれ? トゥルが戻ってきた。もうなにか見つけたのか?」

「いいものみつけた」

 開口一番のトゥルのセリフだ。ニコニコして少し自慢げなトゥル。自信があるらしい。手を引かれてトゥルに連れていかれた場所は、岩肌がむき出しになっている。

「トゥル。ここに何があるの?」

「みすりるのこうみゃく」

 ……ミスリルってあれだよね。ファンタジーでの超有名金属。ミスリルの剣とかミスリルの鎧とか超欲しい。

「凄いなトゥル。良いもの見つけてくれてありがとう」

 頭を撫でまわし褒めまくる。ミスリルとかかなりのお宝だよ。確かトゥルには鉱物の抽出はまだ出来ないって言ってたから、鉱脈を岩ごと収納して、ノモスと契約してから抽出してもらおう。

「俺は鉱脈を掘るから、トゥルは掘る場所の指示をお願い。シルフィは周囲に魔物が近づいて来たら排除しておいて貰える?」

「うん」

「分かったわ」

 トゥルの指示に従って、魔法のシャベルで鉱脈を抉り取って収納する。この岩の塊にどのぐらいのミスリルが含まれているんだろう? 崩落もトゥルが岩を固めて補強してくれるから、ガンガン掘り進む。

 なんか迷宮内に迷路みたいな場所を作っているな。堀終わったら埋めておいた方が良さそうだ。

「ゆーた! ゆーた! べるとれいんでね、すごいのみつけた。きてー」「キュキュー。キューーー」

 ギュンっと飛んで来たベルとレインが、大興奮で大騒ぎする。

「ちょ、ちょっと待ってベル。いま岩を掘ってるから。トゥル、あとどのぐらい鉱脈が続いているの?」

「まだたくさんある」

 沢山あるのか。良い事だよね。沢山ミスリルが手に入るんだから。

「そうか。なら掘るのは一時中断して、ベルとレインの方を確認しようか」

「うん」

「ゆーた。はやくー」「キュキュー」

「分かった今行くよ。ベル。レイン。少し落ち着いて」

 自分の発見した物を一刻も早く見せたいのか、大興奮で手足をワチャワチャ。ヒレをパタパタしている。可愛い。外に出てシルフィと合流して、穴は岩で塞いでおく。魔物が中に入ったら面倒だからな。今にも飛び立とうとするベルを落ち着かせ、シルフィに風の繭を張って貰う。

「準備完了だよ。ベル。レイン。案内をお願い」

「いえっさー」「キュー」

 言葉と同時にビュンと発進するベルとレイン。いったい何を見つけたのかな? ギュンギュン飛んで行くベルとレインを必死で追いかけ到達した場所は、鬱蒼うっそうと木々が茂った、少し薄暗く不気味な場所だ。

「ゆーた。ここ。ここみて」

 短い人差し指をピンと伸ばしてアピールするベル。ベルの指の先には大きな木が……よく見てみるとベルが指をさす先には木のうろがある。近づいて中を覘くと……。

「うわっ。これって宝箱だよね。しかもすっごく豪華だよ」

 木の洞の中には金色に輝く、ゴージャスな宝箱がデンっと鎮座している。ピカピカだ。

「凄いねベル。レイン。よくこんなの見つけたね。どうやって見つけたの?」

「べるすごいー」「キューーー」

 興奮したベルとレインは褒められた事を切っ掛けに喜びが爆発したのか、森の中を飛び回り始めた。うーん。落ち着くのに時間が掛かりそうだ。

 しかし、鬱蒼とした森の中の、他とたいして違いの無い木の中ほどにある洞……こんなの誰が見つけるんだ? いやベルとレインが見つけたんだけど、普通見つからないよね。

 さて、このゴージャスな宝箱に何が入っているのか。とても楽しみだ。
読んでくださってありがとうございます。
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