挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
精霊達の楽園と理想の異世界生活 作者:たむたむ
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

5/100

五話 燃料確保

 デスリザードの素材を諦めて先に進む。

「そう言えば裕太、レベルはどうなったの?」

 おお、いきなりのグロシーンで本来の目的を忘れていた。レベルを上げるために戦ったんだよな。

「今から見てみるよ」

 ステータス画面を呼び出しシルフィと確認する。

 ステータス

 名前 森園 裕太
 レベル 7 
 体力  E  
 魔力  E
 力   D
 知力  C
 器用  C
 運   B

 ユニークスキル
 言語理解
 開拓ツール 

 スキル
 生活魔法

 おお、レベルが七になってる。小さな子供の平均がレベル三だったよな。子供の平均レベルは超えたな。体力、魔力、力だけが上がっった。こんな物なのか?

「シルフィ、六レベル上がったのに体力と魔力と力が一つ上がっただけなんだけど、こんなものなのか?」

「そうね。こんなものよ。簡単に言うと同じEでも幅があるの。その幅を超えたらDに上がる。だからたとえレベルアップしても、その幅を超えないと表示は変わらないわ」

 なるほど、おおまかな分類なんだな。Cに近いDとEに近いDでは結構な差がありそうだ。そろそろ海に向かって出発するか。歩きながらシルフィと会話する。

「シルフィとの契約まであと三段階も上げないと駄目なんだな。なあシルフィ、幼女精霊とはあと一段階上がれば契約出来るんだよな? 幼女精霊と契約したらシルフィと契約出来なくなるとか無いよな?」

「ええ、大丈夫よ。精霊が望んで魔力に問題が無ければ数に制限はないわ。まあ普通ならそんなに簡単に精霊と契約を結べないんだけど、裕太は精霊を見て会話も出来るんだからかなり有利ね」

「そういえば精霊に触れるのも凄いって言われたけど、何か役に立つのか?」

「んー、高位の精霊が実体化すれば触れる事は出来るんだけど、力の弱い精霊は実体化出来ないから、力の弱い精霊に触る事が出来る事かしら?」

 それは利点なのか?

「精霊の階級ってどうなってるんだ?」

「ただ漂っていたり動物や虫に変化しているのが浮遊精霊。その上が下級精霊。中級精霊。上級精霊。大精霊。精霊王になるわね。精霊王は各属性のトップで属性毎に一人しかいないわ。でも組織立っている訳じゃ無いから厳密な階級って訳じゃ無いのよ。精霊王以外は持っている力の目安ってところね」

 ……シルフィって大精霊だったよな。あの幼女精霊、そんな大物を連れて来るとは侮れないな。

「シルフィって凄い精霊なんだな」

「そうよ。人に祭られるレベルなんだから、裕太も光栄に思いなさいね」

 軽くふんぞり返って得意満面だ。いつの間にか幼女精霊も現れて、隣でふんぞり返っている。あれだな風の精霊は調子に乗りやすいのかもしれない。見た目はクールビューティ―なのに意外だよね。

「分かった。拠点が出来たらシルフィの像を作って毎日感謝を捧げるよ」

「目の前に私が居るんだから。直接感謝しなさいよ」

「なさいよー」 

「それもそうだね。今も感謝しているけど、落ち着いたらしっかりと直接感謝するよ」

 シルフィと幼女精霊が満足げに頷いている。随分助けて貰っているから、出来る限りお礼をしないとな。


 ***


「海だー」

「うみだー」

 目の前に美しく澄んだ美しい海が広がっている。デスリザードを倒した後は、先を急ぐために魔物を避けてひたすら先に進んだ。拠点を確保するために急いだだけで、魔物にビビった訳ではない。

「裕太。まだ到着してないわよ。あと三十分程歩けば、砂浜があるからそこまで行きましょう」

「砂浜かー。泳げる?」

「泳げるわよ。でも浅い所で止めておいた方が良いわ。深くなると大型の海の魔物が出て来るから危険よ」 
「水中で魔物に襲われるのは嫌だね。でも浅い所でも泳げるのなら十分だよ」

 ワクワクしながら歩き砂浜に到着する。おお。綺麗だ。遠浅で波が少なく透き通った薄い青の海。赤茶けた砂浜かと思っていたが白い砂浜でビックリだ。

 白い砂浜って珊瑚とか微生物の死骸が積もったんだっけ? まあ綺麗ならそれで良いか。

「いいところだね」

「ええ、死の大地の中で一番美しい場所だと思うわ」

「うつくしー」

「おお、木だ木がある」

 砂浜の奥に流木が幾つも流れ着いている。ヤバい驚くほど感動する。単なる木なのに宝物に見える。たった一日、植物が無い地面を歩いただけなのにこの感動。植物って大事だな。

「裕太。裕太。落ち着いて」

「あっ、ああ、ごめん。シルフィ。自分でも驚くほど感動しちゃったよ」

「そうなのかもしれないけど。流木に目を輝かせて騒ぐのは、周りから見たら危ない人だから落ち着いてね」

 ごもっともだな。まあ、人目が無いから騒いだと言い訳出来ない事もないが、無意味に見栄を張る必要もないから、素直に受け入れておこう。

「うん。気を付けるよ。さっそくだけど流木を回収するね」

 流木が溜まっている場所に近づき、手を触れながらドンドン魔法の鞄に収納する。おっ、竹だ。竹があるなら竹の子もある。竹の子ご飯が食べたいな。この世界にはお米はあるのか? 無かったら辛いな。

 幼女精霊が俺が手を触れた木材に一緒に手を触れて、自分で消している気分に浸っているようだ。一回毎に手足をバタつかせながら喜んでいる。

「たのしい?」

「う?」

 キョトンとした顔で見つめて来る幼女精霊。難しい事を聞いただろうか?

「木が消えるのは楽しい?」

「うん。しゅぱってなるのー」

 良く分からん。まあ楽しいのなら良いだろう。かなり大きめの木も何本か流れ着いている。竹も何本も見つかったし思わぬお宝が手に入った。ホクホクです。細かくて使えないような枝も、この場所においては貴重な燃料だ。無駄には出来ない。

「ふう。回収完了。これで木材と燃料が少しは確保出来たよ」

「かんりょー」

「ふふ、良かったわね。それでこれからどうするの? 海に入って食料を集める?」

「あー、食料も気になるんだけど、夜になるとゾンビやスケルトンが出るんだよね? 近場で安全な拠点を作りたいな」

 昨日は洞窟に籠っていたから分からなかったけど、ゾンビやスケルトンが徘徊する場所で休むのは遠慮したい。

「どうやって拠点を作るの?」

 どうやってって……どうしよう。安全なのは岩山に洞窟を掘る事なんだけど、あの狭苦しい中でこれから生活するのは厳しいな。

 そうだ岩山に魔法のノコギリで階段を作って、ある程度高い位置に拠点を作ろう。魔法のノコギリなら岩山も豆腐みたいなものだ。石材確保の為にも中盤より上は全部石材にしても良いな。

「あの岩山に拠点を作ろうかと思うけど、魔物とかいないかな?」

「ちょっと待って。……うん、いないみたいよ」

 何かしたようには見えなかったけど距離があっても確認出来るのか。流石風の大精霊。

 煌めく海に後ろ髪を引かれながら十分程歩き岩山に到着する。海からも程よい近さで良い物件だな。

「シルフィ。階段を作ろうかと思うんだけど、魔物が階段を伝って上がって来る事はあるのかな?」

「あるわね。ゾンビやスケルトンは階段を上るし、他の魔物も足場があれば登って来る事もあるわよ」

「そうなんだ。どうしよう」

「階段の途中まで切り離しておいて、収納出来るようにしておけば良いんじゃないかしら? 出入する時だけ出し入れすれば良いのよ」

「なるほど。良いねそれ。ありがとうシルフィ」

 よし。まずは切り離せる階段を作るか。幅は一メートルあれば良いか? 手すりが無いから一メートル五十位は幅を取るか。

 魔法のノコギリを一メートル五十に伸ばし、階段を切り出していく。説明文通り、豆腐みたいにスパスパ切れる。真っ直ぐ切るのが難しいな。あと切れ味が良すぎるから、切り過ぎないように注意しないと。チート万歳。

 高さ三メートル位までの階段を作り岩山から切り離す。うん。ちゃんと収納できる。後は岩山の中盤まで階段を作ろう。

 岩を切り出しては収納。切り出しては収納。何度も何度も繰り返す。レベルアップの効果か昨日より幾分楽な気がする。

「ふう。シルフィ。ここら辺で十分かな?」

 切り離した階段を合わせると、六メートルぐらいの高さだ。あまり高くしすぎても上り下りが大変だからな。

「良いと思うわよ。それ程大型な魔物は死の大地で生活出来ないから、この高さまで登れる魔物はいないと思うわ」

「よし。じゃあ家にする部分を残して、ここから上は全部石材にしちゃうね」

 上の部分を残しておくと岩を掘り抜いた時にぺちゃんと潰れそうだ。

「はーい。頑張ってね」

「てねー」

 美女と幼女の応援を背に、ドンドン石材を切り出し収納する。後で使う機会があるのかも疑問だが、容量制限が無いんだから、入れておいても問題無い。三時間程で使用部分以外の岩山を切り崩した。

「その道具の異常性は理解していたんだけど、短時間で岩山が解体されるのを見ると驚きね」

「はは。でも魔法がある世界なんだよね? 岩山を吹き飛ばすような人もいるんじゃ無いの?」

「うーん、なんて言うのかしら? 確かに攻撃で言えばこの位の事を出来る人は何人もいるんだけど、開拓ツールの中の、たった一つの道具でここまで大きな事が出来る事が凄いのよ」

 何人もいるんだ……怖いな異世界。

「確かに便利だよね。攻撃力もあるし何とか生きて行けそうな気がするよ」

「ええ。それだけの力があれば、国で好待遇で働けるわよ」

 マジで? 公務員生活……良いかもしれない。

「無事に人が居る場所に辿り着けたらの話だけどね。今は何とか生き抜けるように拠点作りを頑張るよ」

「それが良いわね」

「うん。あとは部屋を作るだけだから、日が暮れる前にさっさと作り上げるよ」

 何とか形だけでも出来るように頑張ろう。
読んで下さってありがとうございます。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ