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死神 ーTHE GOD OF THE DEATHー
作:sea



第三章 愚作 上





「ル、キ」


呟いた後、ZEROは瞬きをする。


『しかし、“ソレ”を作る時には失敗は許されない』

ソレ。


ソレハ、“ミカ”。



ZEROは目を伏せる。


自分には有る失敗が無い、完璧な存在。

完成品。


それはZEROの『心』を、ある筈も無い『心』を萎縮させる。


そして、その完成品はルキの命を奪おうとしている。


ルキは絶対に殺されてしまう。


ZEROガ、ルキヲ、マモラナクチャ・・・



「ルキ!」


叫んだZEROに、瑠樹は怯む。


その一瞬の間、真っ直ぐに伸ばした瑠樹の右腕が緩む。


ZEROが瑠樹の腕の緩んだ瞬間に、腕を跳ね退ける。



瑠樹は息を飲んだ。



そして、ZEROは瑠樹の前に立ちはだかる。


ばっと大の字に両腕を広げ、口を真一文字に結ぶZERO。


男二人は目を見開く。


ミカの瞳が紅く光る。



途端に、ミカの腕からZEROを遥かに凌ぐ光線が発射される。


ZEROは微動だにせず、近付いてくる光線を見据える。


瑠樹が目を見開く。


「ZERO・・・!」


ZEROはゆっくりと振り向く。


そして、にこりと笑った。


「ダ、イ、ジョ、ブ」



そう言い終わるかどうかのうちに、光線はZEROに命中し、貫通する。


ばらばらになったZEROの上半身と下半身がそれぞれ、音を立てて地面に落ちる。

瑠樹は、一度だけゆっくり瞬きをした。

音も無く地面に膝を着く。

無造作に落ちた、ZEROの上半身を拾い上げる。


ZEROの瞳から、完全に光が失せていた。


綺麗だった紫色のショートヘアは焦げだらけになっている。


だらんと垂れ下がったZEROの右腕が、胴体から落ちた。



見るも無惨な姿になったZEROの頭を瑠樹がそっと撫でると、首が千切れ頭部が転がる。


そのZEROの頭を大切そうに抱き抱えた瑠樹は、ゆっくり立ち上がった。



「お前等はそれで満足なのか」


首を二人に突き付ける瑠樹。


「これが望みなのか」


二人は顔を見合わせて、鼻で笑う。


「行くぞ」


「はい、博士」


「ハイ」


ミカと二人が背を向けた。

瑠樹は唇を噛み締め、ふと落ちたZEROの右手に目を落とす。


そしてにやりと笑った。


瑠樹の手で拾われたZEROの腕は、瑠樹の左腕と共に真っ直ぐにミカを向く。


激しい轟音。


そして、煙が晴れた時、ミカの姿はどこにも無かった。


「・・・ミカ」


荒垣が呟く。


「ミカーーーー!!」


地面に崩れ落ちる荒垣。


もう一人の男が、瑠樹に近付いてきた。

身構える瑠樹を手で制する男。


「・・・ミカは、博士の亡くなった娘さんの代わりなんです」


溜め息をつく男。


「それが、何時の間にか大量殺戮用の兵器を作り始めて・・・でも、確かに初めは博士も、愛を持ってミカを作っていたんです」


「それがどうした」


瑠樹のぶっきらぼうな返事。


「だから、だから博士は・・・ZEROに自我をプログラムしたんですよ・・・人間に近付けるために」


瑠樹が目を見開く。


「・・・もう、博士は馬鹿げた物は作らないでしょう・・・ありがとう」


瑠樹は答えなかった。

そのまま瑠樹は男に背を向け、何処かに去っていった。


その瞳に、溢れんばかりの涙を溜めて・・・


死神四 愚作 終わり
五に続く












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