寂しさ
あと少しで後宮に辿り着く頃、私は何となく寂しい気持ちになった。
きっと、久々に部屋から出られたのに、もう戻らなくてはいけないからだと思う。
はあ、と小さくため息をつけば、
「どうした」
とレッグが尋ねてきた。
意外と人の事気にしてくれるんだなあ、レッグは。
「いや、また軟禁生活が始まるかと思うとね・・・」
そう答えると、急に沈黙が訪れた。
軟禁生活に対してはノーコメントか!そりゃあ、レッグにどうにかして欲しいとは言わないけどさ!
何か言え、とレッグを見つめていると、レッグもこちらを見てきた。
何か言う気になったんだろうか、と考えていると、
「・・・すまん言い忘れた。陛下がおまえの城内の移動が許可された。
さっきあの場所に俺がいたのは、その事を俺からお前に伝えるためだ。
城内ではもちろん常に兵を連れてもらうが、少しは自由になるだろ。」
「・・・ほ、本当に!?」
「嘘を言ってどうする。まったく・・・こっちの仕事が増えるから、本当は部屋から出て欲しくないってのに。」
そんなの知らん!閉じ込めてるのはそっちだろ!同時に守られてるのはわかってるけど!
嬉しくて、笑みが止まらない。
「ありがとう!レッグ!これからも護衛よろしくね!」
そう言った後、レッグが私から露骨に目を逸らしたが、
頭の中全てが喜びに包まれていた私は、それを気にするほどの余裕はなかった。
「じゃあさ、手始めに城内にある図書室に行きたい!」
私は自分の部屋に入る前にレッグにそう言った。
「おまえこの国の字、読めるのか?」
「読めないと思う。」
「じゃあ行く必要ないな。」
じゃあな、と言ってレッグはその場を去ろうとする。
こいつ、ただ単に面倒くさいだけじゃないか!?
私は逃がさないように、彼の腕を抱えた。
「じゃあレッグが読み聞かせて?」
色気は無いので、子供が大人に甘えてるという感じで、交渉してみる。
レッグは顔を顰めた。
「俺にはそんな暇はない。」
そう言って彼は私の腕を自分の腕から外し、さっさと去って行った。
くそう。やっぱ色気が無いと無理か・・・
今度彼に頼みごとする時は、もっと色気が出る服装で挑もう。
私はそう思いながら、自分の着てる、ひらひらふわふわの子供用ドレスを見た。
その後シェリさんに促されて部屋に入った。
あとはいつも通りの時間が過ぎていく。
夜シェリさんが、ゆっくりお休みください、と言って部屋を出て行ったあと
私はベットの上で不思議な寂しさを感じていた。
ホームシックなのだろうか。それにしては今更すぎはしないか。
どうしたんだろう、と自問自答をしているうちに睡魔に負け、私は眠りに就いた。
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