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  幸せのありか 作者:smile
遭難と出会い
遭難してから二日目の朝。

昨日は太陽が沈んだ後、暗闇に包まれた山の中これ以上進むには危険だと感じ
途中にあった小さな洞穴のようなところで野宿をすることにした。
座ったとたん全身がドッと重くなり、靴下だけで歩いていたあしに至ってはものすごく痛くて
これ以上歩けそうにない。
もう今日は眠ろうと横になって瞼を閉じたが、なかなか寝つけなかった。
遠くで鳴く狼らしき声、近くで響く鈴虫の音。
決してうるさい訳でもないが、今の自分にとっては夜中に街中で響く
救急車の音のほうが心地よく聞こえる気がした。

浅い眠りの中朝日が瞼の上を照らし、その温かさに目を覚ました。
「ううっ・・・・」
起き上がろうと動くが体が思うように動かない。
筋肉痛だろうか。
全身も冷え切ってて、まるで死体にでもなった気分だ。
お腹もすいた。そういえば昨日は何も食べていなかった。
・・・・本気でこれはやばいんじゃないか。
遭難二日目でやっと自分の置かれる状況が身に染みて感じた。
これは下手すると死ぬ!
とぞっとしたのと同時に、こんなわけわからない展開で死んでたまるかと思った。
うー、と唸りながら全身に力を込めてゆっくりと起き上がる。
大丈夫。歩けそうだ。人はそんなに脆くない。
私はゆっくり大地を踏みしめるように歩き始めた。








二日目の日が沈んでから少したった後、薄暗い森の中で私はただひたすら
人に会いたくて歩き続けていた。
といってももう、一歩歩くだけで全身が悲鳴を上げる。
足の裏に関してはもう感覚がない。歩いている途中何かを踏んづけたらしく
足の裏を切ってしまった。応急処置で持っていたハンカチを足の裏に巻いてみたが、正直気休めだ。
舗装されない手つかずの森は歩きにくく何度も転んだ。
膝は傷だらけでもうお嫁に行けない気がする。
しかし全身の痛みよりも空腹に喘いでいた。
食べ物を探しに川から離れることも考えた。しかし食べ物が見つかったとしても再び
この川に戻って来られるかわからない。

もう無理だ歩けない。

私はその場にうずくまり膝を抱えて、泣いた。



ひとしきり泣いた後少しすっきりした為か、ふと顔をあげて辺りを見回した。
と同時に異変を感じた。とっぷりと暗闇に包まれた中、うーうーと何かが唸る音が聞こえる。
私は確認するように自分の腹に手を添えた。私の腹の音ではなさそうだ。
それによく聞いてるとその音は一つだけではなくて二つ・・三つ・・・・・いや数え切れないほど
聞こえてくる。
これはあちがちな死亡フラグ。
気がつけば星の光に照らされたいくつもの眼球が私を囲うように見つめている。
狼かどうかわからないが、穏やかに草を食べるようなそんな輩ではなさそうだ。
よだれを滴らせる口の中から覗く大きな牙がそれを物語っている。
肉を引きちぎる為の歯なのだろう。
神様あんまりではないか。
こんな数に襲われたら身も骨も残らない。
そうして私は人知れず死んで誰も葬式なんてあげてくれない。
とっさに悲鳴がこぼれた。
その一瞬、私に襲いかかろうとしていた捕食者たちに隙ができた。
その一瞬を逃すものかと私は駆け出した。しかし疲労で弱り切っている私が
出せる速度などたかが知れている。あっというまに追いつかれ
後ろを振り向けばそれらが飛びかかってきた。
あっ、と目を瞑り襲いかかる痛みに備えていたが、その瞬間は訪れなかった。

おそるおそる目を開けてみれば大きな黒い影が私の前にあった。
その横を見れば首のない襲撃者が横たわっている。
助かったのかよくわからないが、初めてみた首のない死体と
はちきれそうな疲れから私は気絶し、その場に倒れた。
黒い影の正体とは?次回明らかに!


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