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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

綺麗な花の棘と毒

作者: siro

遊森謡子様の武器っちょ企画に参加!!


条件は

●短編であること

●ジャンル『ファンタジー』

●テーマ『マニアックな武器 or 武器のマニアックな使い方』

では。どうぞ。

そうだな、ツインテールでヒラヒラビラビラした可愛い女の子女の子の服をきて、お姫様のように可愛い声の子が甘えてくるなら、抱きつかれても嫌な気はしない。










とある街のとあるカフェで、イチャイチャしているカップルがいた。

青年は黒いシャツに黒いスーツ、赤いネクタイという出で立ち。顎まである水色がかった灰色の前髪は左右に分けられ頬にかかる、肩甲骨まである長い後ろ髪は一束にまとめられている。

もう一人の少女は黒いゴスロリ服に、綺麗な薄紫色の髪を両脇の耳の上で結んで綺麗な縦ロールまいて、黒いヘッドドレスをつけていた、ヘッドドレスにはワンポイントに紫の薔薇がつけられている。

まだ幼さが残る少女の名はヴァイオレット、彼女の横に座る中性的な青年リースに自身が食べていたパフェをスプーンですくい差しだした。

「はい、ハニ~ アーンして」

その言葉に青年リースはちらりとスプーンの上に載っているものを見て言った。

「バナナがのってる」

そう言うとプイっと横を向いてしまった。


「あぁん!ハニーったら、食わず嫌いはだめよぉ~。なんなら口移しで・・・!」

すりつこうとする彼女にリースは、違う席にいるカップルを見ながら言った。


「美人だな」


その言葉に、ヴァイオレットはリースの目線の先を追って、視界に入ったカップルの姿に眉間に皺を寄せた。


カップルは誰が見ても美男美女、落ち着いた大人の香り漂う男性と豊満な体をした女性。


「ハニー!!よそ見しちゃ嫌!!あんなのより私のほうが」

ヴァイオレットが余所見をしているリースの胸元を掴み怒鳴ると


 ピリリリ!!


電子音が響き、ヴァイオレットの口をリースが手で押さえた。

リースの逆側の手には携帯電話、届いたメールをすばやく確認するとジャケットの上着に携帯を仕舞い、立ち上がった。

「仕事」

そう完結に言うと、リースは横に置いていたアタッシュケースを持ち、ヴァイオレットを置いてカフェを出て行ってしまった。


「あぁ!!ハニーまってよー!」




すたすた歩いていくリースにやっと辿りつくと、ヴァイオレットはリースの腕に自身の腕を絡めた。

「今日はどこのお宅に伺うの~?お迎えは?それとも電車?私が送っていく?」

上目遣いになりながらヴァイオレットはニコニコ笑顔で聞いてきた。


「・・・はぁ~。この先で迎えの車が来てる。・・・喧嘩を売るなよ?」

リースは表情をあまり動かさずにため息をつくと、ヴァイオレットに釘を刺した。


「やだ~、私が売ってるんじゃないわ~あちらサンが売ってくるのよ」

ヴァイオレットは小悪魔的な笑みを浮かべながら言った。

その様子に、またリースはため息をつくとクラクションの音が道路に響いた。

横の道路を見れば、十字を象った紋章が付けられた黒塗りの窓の縁が銀で出来た高級車が一台。


中からは、神父が一人出てきて後部座席を開けながらいった。

「お迎えに上がりました。リース様」


「ありがとう」


リースが礼を言いながら乗り込むのとヴァイオレットも続いて乗り込む、だが神父は明らかにヴァイオレットに対して鋭い視線を向けた。

その様子にヴァイオレットは笑みを浮かべてリースに抱きついて、小さく舌をだし挑発をする。

神父は声には出さずに、悪魔がっと罵りながらも車に乗り込んだ。


二人を乗せた車は静かに発進して、郊外へと続く道を走り始めた。


「今回の仕事は?」


リースが聞くと助手席に座る神父がその問いに答えた。


「とある伯爵家で、12歳になるお嬢さんに悪魔が付きました。調べた所その悪魔は何度も教会側でも確認済みの常習犯、流石にこちらに依頼が回りました。」


「ふーん。伯爵か・・・悪魔払いエクソシストではなく、悪魔殺しスタンキラーね。」

リースは、目を伏せながら言った。


「お布施弾んだんだろうね~。」

それに対して、からかうようにヴァイオレットが言うと、前に座る神父が淡々と返した。


「全ては神の御心のままに」


「はっ・・・」

その言葉にヴァイオレットが鼻で笑った。


「ヴァイオレット。」

その様子にリースはすかさず釘を刺すも、ヴァイオレットは小さく舌を出してそっぽを向いてしまった。車内の空気が悪くなった。


無言の車内のまま、車は郊外をひたすら走り、しばらくすると屋敷に着いた。

見事な門構えをくぐりぬけ、エントランスに車を付けると二人だけ降りた。


「明朝お迎えにあがります。」


車窓から神父がそう告げると、車はそのまま発進してしまった。


べーっと舌を出しながらヴァイオレットは車を見送ると不機嫌そうに言った。

「神父嫌い。」


「なら、付いてこなければいいだろう?」


「酷い!ハニーが仕事中何かあったらどうするのよ!」


「はいはい」


疲れたようにリースは返事をして屋敷の扉をノックした。

中からは老齢の執事が現れ、中に案内された。

入った瞬間屋敷に充満する淀んだ空気にリースは眉根を寄せた。

数歩中に進むと、ホールの奥の階段から恰幅のいい男が降りてきた、身なりからして伯爵だろうとリースは判断した。


「貴方が、教会から派遣された悪魔殺しスタンキラーですか?まだ若いようだが」

足元から頭まで値踏みするように見てから伯爵は小ばかにしたように言った。


「今晩は、伯爵殿。はい、私が教会から派遣された悪魔殺しスタンキラーです。お嫌なら直接教会の方に連絡をどうぞ」

若いために、よくこの手の嫌味は言われるためリースは慣れっこだ。

伯爵は、胡乱な目を向けるが今更文句を言っても協会側に無理を言って呼んだ手前これ以上の譲歩を向こうがするとは思えなかった。

文句は失敗してからでも良いだろうと判断し伯爵は、もう一人いる少女を見た。


「・・・はぁ。で、そちらの奇抜な服を着ていらっしゃるお嬢さんは」


「許嫁で・・」

「助手です!」


「い「助手です」」


にっこりと笑みを浮かべてリースはヴァイオレットと伯爵を見た。

ヴァイオレットは不満そうだったが、リースの笑顔が見れたから我慢するかと思いそれ以上言うのを差し控えた。

伯爵は思わぬ無言の圧力にそれ以上深追いをするのを止めた。


「で、お嬢さんは?」


「部屋に」


そう言われ案内された部屋に着くと、執事が開けようとするも部屋の扉はビクともしなかった。


「鍵でも?」


「いえ・・・、この部屋には着いていません。ただ・・」


「・・・悪魔に感づかれたか」


リースは一人頷くと、アタッシュケースを広げ小瓶と文庫本サイズの本をを取り出した。

ヴァイオレットは、あれほどくっ付いていたのに、男たちの後ろに避難済みだ。


扉に小瓶の中身を振り掛け、小さく呟くとガタガタと扉が振るえ突如勢いよく開いた。

と、同時に突風が吹き荒れリースだけ中に吸い込まれた。


「いやん!ハニー!!」

その後をヴァイオレットがすかさず追いかけ中に入っていった。


二人を入れた部屋はまた勢いよく閉じてしまった。


「いてっ!」

「はぁー最悪。商売道具廊下におきっぱじゃん。」


リースは疲れたようにため息を着いて、起き上がった。

部屋の中は薄暗く、全てのカーテンが閉じられている。目の前には宙を浮く少女が薄気味悪く笑っている。


「こえー」


「全然怖そうに聞こえないわよ、ハニー」

一緒に入ってきたヴァイオレットはリースを立ち上がらせると、パタパタとホコリを落とし、髪の毛の乱れを直している。


≪ 変わった神父だな・・・無駄なことだ・・・うひぃぃっぃ・・・今回はそう簡単に払えんぞ ・・・うひぃぃっぃ≫


「笑い方が気持ち悪い。」


≪しかも、処女の小娘まで一緒だ≫


「ねぇ、明朝まで時間かからないんじゃない?」


「でも、こんな郊外じゃ交通手段が無いから明朝まで待たないと」


≪この小娘の生気も吸い尽くしそうだなぁ~そろそろ新しい≫



「えー待てない。あのオヤジ夕飯用意してくれるかしら?」


「無理だろうね。それに時間かけないとありがたみが無いだろ?」


≪・・・新しいい娘が・・・≫



「着てあげただけでも、ありがためって感じ~」


「文句言わないの」


≪・・・てこらぁ!!俺の話を聞けよ!!!≫


「声大きい、煩い。ご近所迷惑だろ」


「ちゃんと防音魔法がかけられてるからどんなに騒いでも平気よ!ハニー!!」


≪・・・・ふざけやがって・・・・人間がぁあああ!!≫


ごぉおっと室内に竜巻が起こり、部屋の物物が飛ばされて二人にぶつかってきた。


「ハニー!!」


≪この小娘が!≫

そう言って少女に乗り移ってる悪魔が、押し倒したのはリースだった。


「がはっ・・・」


≪俺の目は誤魔化されないぜ・・・男の形をしてやがるが処女の臭いがぷんぷんしてらぁ・・・≫

少女の力とは思えないほどの怪力でリースの両腕を押さえ、胸元のシャツを破ろうと手にかけるとリースが口を開いた。


「ふぅーん。ただの低脳な悪魔ではないって事か」

そう言うとリースは、何かを叫んだ。


≪ ? ≫

「きゃぁあああああああ!」


突如少女が悲鳴を上げ、後ろに反り返り倒れこむ。


「闇に光あれ、混沌から秩序へ」

リースは呟き暴れる少女を押さえ込み額に指を置き何かを描いた。

すると少女はピタリと動きを止め、突風が少女から沸き起こりリースが飛ばされた。


≪ぎゃぁああああ≫


悪魔が飛び出し部屋中を暴れまわっていた。悪魔は黒い翼に綺麗な顔立ちをしていて、まるで天使のように見えた。

この顔で舞い降りてきたら、人は勘違いするだろうな~とリースは思いながらも、気を失った少女を安全そうな部屋の隅に移動させた。


≪こんな・・・こんな小娘に、あっという間に払いだされタダと?!!≫


「きゃーー!!さすが私のハニー素敵!!惚れ惚れしちゃう~」

ヴァイオレットは嬉しそうに扉の近くで飛び跳ねている。


「今までの神父と、僕は違うよ。僕は神父じゃないし、悪魔払いエクソシストでもなく、悪魔殺しスタンキラー


≪はっ・・・まさか・・・悪魔殺しスタンキラーだと?!≫


「そう」


一瞬悪魔は焦ったが、次の瞬間には余裕の笑みを浮かべた。

≪はっ・・・聖句だけで俺は殺せないぜ≫


「そうだね。」


悪魔がバサリと羽を動かすと本がリースに向って飛んできた。

手で払いのけながら、リースは自分のポケット探り始めた。


≪はっ・・・無駄だ、この部屋に引き込むときに危なそうな物は全部外に放り出したぜ。≫


「ふーん。器用だな。中級悪魔って所かな?」

武器になる銀のナイフも金のナイフも無い事を確認して、リースは小首をかしげた。


≪・・・今度こそ、その体頂くぜ。≫


悪魔が突進しをし、そのままリースを押し倒すと部屋の中を舞っていた物が、リースの手に重石のように振り落ちてきた。


「くっ・・・」


≪いいねぇー・・・痛みに耐える姿も。≫


舌なめずりした悪魔は、そのままリースのネクタイに手をかけ解きかかった。


「どけ、悪魔が」

戦意を失わない瞳に、悪魔は意地の悪い笑みを浮かべながら言った。

≪生意気な小娘が、どこまで耐えられるかな~?武器も持たない、お前にはもうなすすべも無いだろう~」


その言葉にリースはクスリと笑った。


「楽しそうなことしてるわね~もう一人わすれてなーい?低脳悪魔おばかさん」

その声に悪魔が振り向くと同時、声がした反対方向に悪魔は吹き飛んだ。


「ハニーったら、あんな男に抵抗もせずに二回も押し倒されて!酷いわ!私が押し倒すと全力で拒否するくせに!!」


「うん。だってまだ生きていたいからね」

そう言いながら、リースは起き上がった。


≪くっ・・・・ナンだ?!≫


「は~い。低脳悪魔。次のラウンドは私が相手よ」


≪なんだぁ?!このばばぁ!!見た目だけ若くしててふけてんだろうが!! お前の出る幕じゃねーんだよ!!≫


その言葉にヴァイオレットの眉間がピクリと動いた。

「リース・・・・解除お願い。」

顔は笑顔なのに漂う雰囲気はどす黒い、リースはため息を着くとヴァイオレットの首に下がっていた銀の薔薇のネックレスを外した。

「部屋壊しちゃ駄目・・」

リースが言い終わる前に、強い突風に吹き飛ばされリースは部屋の隅へと追いやられた。


≪ほう、この風に飛ばされないとはな~ばぁさん!!≫


「誰がばぁさんだ、下種が≫

ヴァイオレットの声が少女の高い声から低い重低音へと変わっていった。


≪・・・あぁ?!≫

ヴァイオレットを中心に竜巻が起こり、ドレスが舞う。


≪な・・・んだ・・・魔力だと・・・?!≫

悪魔はヴァイオレットからくる魔力に唖然とした。


黒い風が舞い、ヴァイオレットを包みこむとソコからは薄紫色の長髪から紫色の角を生やした、長身の男の悪魔が立っていた。

足元には、破けたゴスロリ服が・・・



≪あ・・・く・・・ま・・・?!≫


「ヴァイオレット服!服!」

リースは後ろで顔を真っ赤にして叫んだ。


≪おっと・・・ハニーには刺激が強すぎたか≫

ぱちんと指を鳴らすと黒い衣服が身に着けられていた。

その一瞬の業に、少女に憑いていた悪魔は、自分との格の違いに気づいた。

人間に化け、しかも性別まで分からなくさせるほどの技術。

悪魔である自分が気づかなかった程の隠遁術。

敵わない・・・そう思った瞬間、部屋から飛び出そうと背を向けた。


≪おっと・・・逃がさないぜ≫

ヴァイオレットが腕を振るうと、黒い影が悪魔に伸び手足に絡みつき引き摺り下ろした。


≪な・・・なんで悪魔が神父と一緒に居るんだ!!!≫


≪立派な羽も空を飛べないなら、邪魔だよなぁ~≫

悪魔の言葉を無視して、ヴァイオレットはそう呟くと、悪魔の背に足をかけ翼をもぎ取った。


≪ぁああああああ!≫


「ヴァイオレット!」


≪当分、羽ペンには困らないぞ?≫

そう言って振り返ったヴァイオレットに、リースは血の気が下がる、体が震えそうになるのを腕を強く掴んで必死に耐えながら叫んだ。

「遊んでないで、早く始末して!」


≪俺のハニーはお気に召さなかったらしい≫

残念そうに呟くが、顔は明らかに楽しそうなヴァイオレットは、いつの間にか手に持っていた黒い剣で悪魔の肩を貫いた。

その剣を見た瞬間、悪魔は気づいてしまった。

≪な・・・・んであんたが人間なんかに・・・!!≫


≪ん?≫


≪公爵の位を持つ程のあんたがなんで!!・・あんな姿になってたんだ!!≫


≪簡単だ、我が花嫁が望んだからだ≫

ヴァイオレットは自分の正体に気づいた悪魔に、機嫌よく答えた。


≪は・・・・花嫁?!その小娘が?忌まわしいヤツラのの犬だろ!!人間だろ?!≫

その言葉にヴァイオレットはもう片方の翼をもぎ取った。


≪がぁぁぁ・・・・・!!!・・・魔界の放蕩家ともあろう男が、あんな格好して恥ずかしくないのか!!≫

その言葉にリースも同調するかのように無言で頷いた。


≪だってハニーが女の子で、ツインテールでヒラヒラビラビラした可愛い女の子女の子の服をきて、お姫様のように可愛い声の子がいいっていったんだ!それだったら衣食住、ベットから風呂の中まで一緒にひっついていいと!≫


「待て、ゴルァ!誰がベットから風呂の中までくっついて言いといった!」

リースは思わず口悪く叫ぶと、ヴァイオレットが拗ねた顔をして言い返した。


≪言った!抱き疲れても嫌な気はしないって!≫


「その言葉で?!飛躍しすぎ!!!」


二人が言い争いをしている間に、悪魔はそろりと逃げ出そうとするもすぐにヴァイオレットに見つかり消滅してしまった。


≪ハニーが入ってきたから、力加減忘れてあっさり始末してしまった。残念もう少し遊びたかったのに≫


「遊ばないでよ!!そして抱きつくな!!」

本来の姿に戻ったヴァイオレットは2メール近い大男だ、リースはすっぽり抱きこまれ身動きが取れない。


≪少しは褒美をくれてもいいだろ?ハニー≫


「誰がやるか!!やったとたんに魔界に連れ込む気だろ!」


≪おや、ばれてしまったか。くくくくくっ・・・・どっちにしろ魔界に行くのは決定事項なのだから諦めたらどうだ?我が花嫁≫


「花嫁なんかじゃない。ただの人柱だろ。さっさと人の姿に戻れ!!ヴァイオレット!」

ヴァイオレットはくすくす笑いながら、リースが差し出した魔力封じの首飾りを首にかけた。

魔力を押し込められる感じはとても不愉快だが、ほんの少しのあいだの余興だと思えばそれも楽しいものだ。

必死に悪魔である己に弱みを見せぬように振舞うリースの姿を見るのも、ヴァイオレットにとっては楽しい余興の一つでもある。

だから、そんな些細なわがままも聞いてやるのだ。


「なんで、男の格好なのよ!早く、いつもの姿に戻ってよ!」

ただ、体を縮めて人の姿を模ると顔を真っ赤にして怒るリースにヴァイオレットは楽しそうに笑いながら、リースが要望した少女の姿に化けた。


「ねぇ、ハニー。男嫌いは直したほうがいいと思うのよね」


「っ・・・煩い!。嫌いなわけじゃない!苦手なだけだ!」


「私が男の姿でハニーの横に立てば、男たちは近づいてこないわよ~?」

「・・・さて、お嬢さんを清めないと。」


「ぇー無視?無視しちゃうの?!」


リースは気を失っている少女を抱き合げ、浴室に向う。

男の姿を許したら何をしでかすか、分かったものではない、そう心の中でリースは呟きながら、今日の仕事の後始末を始めた。

その後を少女の姿をしたヴァイオレットが追いかける。





リースの一族は悪魔払いエクソシストを輩出する名門貴族。

だが、ある代の時払うしか出来ない己に歯がゆい思いをした一人の悪魔払いエクソシストによって、悪魔殺しスタンキラーが生まれた。

自身の娘を生贄に、悪魔を殺す方法を教わったのだ。


もちろん教会は、その者を追放し処刑しようとしたが、それも敵わず逃亡を許してしまう。

そして各地で悪魔殺しスタンキラーの名を広めた後、教会に戻ってきた。


その力を見せ付けるように、その力の必要性を見せるように。


それ以降、その一族に娘が生まれると悪魔が憑いた。

その間だけ、一族の男たちは悪魔を殺すことが出来る。

その娘が悪魔に食われるまで。


そしてその娘もまた、悪魔を使い悪魔を殺す。


エセ現代風です。

悪魔殺しのフリガナは造語です。

あと、教会の設定も深く考えてないので深く突っ込まないでね☆



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[一言] こんばんは、遊森です。 この度は武器っちょ企画にご参加頂き、ありがとうございました! いやもう……いったん最後まで読んで「うおーそうだっったのかっ」となって、もう一回読み返す時の楽しさった…
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