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破壊の御子 作者:無銘工房

燎原の章

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第19話 紅蓮

 崖の上から落とされた松明は、赤い線を引きながら地面に落ちた。
 地面の上を何度か跳ねて転がった松明から、一気に周囲に火が広がる。あらかじめ地面に撒かれていた油に引火したのだ。地面の上を走るように火は燃え広がり、柵や建物の脇に積み上げられた(しば)や枯草へと燃え移る。
 爆発的に燃え広がった火は、瞬く間に紅蓮の炎となって宿営地を包み込んだ。
「ひゃぁぁー!!」
「火だ、火だぁ! 焼け死ぬぞ!」
「た、助けてくれー!」
 火を恐れない生物はいないという。
 火を扱うことを覚え、それを道具に使い、自然を制してきた人間も、その例外ではない。
 いきなり目の前で燃え上がる火に恐れを抱かない人間がいるだろうか?
 焼けつくような熱を肌で感じながら、ものが燃える臭いが鼻をつく中で、冷静でいられる人間がいるだろうか?
 ましてや、隣にいる仲間たちが火を恐れて逃げ惑い、悲鳴をあげる中で、自分だけが冷静さを保っていられることができるだろうか?
「ぎゃー!」
「死にたくないっ!」
「熱い、熱い! 助けてくれー!!」
 宿営地にいる人間は、もはや兵士ではない。
 我先に火から逃げようとする、ただの獣に過ぎなかった。
「ぎゃっ! 石が降ってくるぞ!」
 さらに、そんな彼らに向けて、崖の上にいたゾアンたちが、投石を始めた。
 それは、ただ石を投げているだけと甘く見ていいものではない。重さが数キロもある石が、二〇メートルほどの高さから落とされるのである。当たれば、ただでは済まない。
 これが矢ならば剣で払ったり、盾で受け止めたりできただろう。しかし、落下してくる石は剣で払えるものではない。また、盾で受け止めようとしても、落とされる石の中には一抱えもある大きな石もあるのだ。受け止めた盾ごとつぶされていく。
 投石に、頭を割られ、胸を砕かれ、多くの兵士が地面に倒れる。
「貴様ら、道を開けろー! 開けぬかぁ!!」
 ルグニアトス大隊長が必死に叫ぶが、そんなものは誰の耳にも届かない。
 そればかりか恐慌状態に陥った兵士の波が、ルグニアトス大隊長の乗る馬を横から押してきた。とっさに手綱を引いて馬を制御しようとしたが、元来馬は臆病な生物である。悲鳴を上げて逃げ惑う兵士と炎に怯えて、いきなりその場で前足を跳ねあげた。
 ルグニアトス大隊長の身体は馬の背から投げ出され、背中から地面に叩きつけられる。その衝撃に呼吸もままならず、苦痛にうめいたルグニアトス大隊長をさらに不幸が襲う。逃げ惑う兵士のひとりが、右膝を思いっきり踏みつけたのだ。ごきりっという音とともに、激痛が右足から駆け上る。
 悲鳴を上げることもできずに地面をのたうちまわるルグニアトス大隊長は、自分の上に影が落ちたのに気がついた。苦痛にもだえながら上を見上げると、それは崖の上にいた小さなゾアンの子供が落とした石の影だった。
 ルグニアトス大隊長の視界の中で、その石はまるで引き寄せられるように、こちらに向かって落ちてくる。
 ざらりとした石の表面。
 それが、ルグニアトス大隊長がこの世で見た最後の光景であった。

              ◆◇◆◇◆

 崖の上で火矢を射ていたのは、ファグル・グラシャタ・シャハタと言う名の若いゾアンであった。
 シャハタは狩人であったが、戦士ではない。それは、幼い頃に負った傷のせいで、シャハタは駆けることができなかったからである。
 ゾアンは自分ひとりの力で獲物を獲れるようになると、狩人と呼ばれるようになる。
 さらに、成人と呼ばれる年齢になると、山刀ひとつを持って平原で毛足の長いヌーによく似た動物を狩りに行かされるのだ。広い平原の中で獲物の群れを見つけ、追跡し、倒す獲物を見定める。そして、チャンスを見つけると四つ足で一気に駆け寄り、獲物の背中に飛び乗り、山刀で咽喉を掻き切って仕留める。
 これがゾアンの狩りである。
 こうして倒した獲物を持ち帰ることで、晴れて戦士を名乗ることを許されるのだ。
 しかし、駆けることができなかったシャハタは、ゾアンの中では卑怯者の武器とさげすまれていた弓を使うしかなかった。もちろん、弓矢を扱えるゾアンはいない。人間やエルフの狩人が使うのを見よう見まねで覚えるしかなかった。
 同胞たちから(さげす)みの視線を向けられたが、シャハタにはそれしかなかった。必死に練習し、今ではそれなりの腕になったと自負している。狩りでは、他の同胞たちにも負けない数の獲物を獲ることもできた。
 しかし、そうであってもシャハタは、戦士にはなれなかった。自らの足で大地を駆け、山刀で獲物をしとめなければ、戦士にはなれないのだから。
 多くの戦士たちが華々しく戦いに(おもむ)くのに、シャハタはいつも村に残って、彼らを見送ることしかできなかった。そんな自分に鬱屈とした想いを抱き続けていた。
 しかし、そんな彼のところに、あの人間の子供がやってきたのである。
「シェムルから聞きました。あなたが、ここで一番の弓使いですね?」
 ゾアンの村で一番の弓使いといっても、それは褒め言葉ではない。
 苛立たしい気持ちを抑えきれずに、不愛想に「そうだ」とだけ答えたシャハタに、蒼馬は真剣な表情で言った。
「あなたの力を貸してください」
 最初は、何の冗談かとシャハタは思った。戦士でもない自分の力を戦いで貸してほしいなんて、これまで一度として言われたことはない。そればかりか、自分から願い出ても決して叶えられなかったことだ。
 信じられないと言うシャハタに、蒼馬は言葉の限りを尽くして説明した。
 それを聞きながら、シャハタは胸の内からふつふつと熱いものが湧きあがるのを感じた。
 それが何かはわからない。だが、いてもたってもいられず、その場で大声を出して叫びたいような、そんな衝動がシャハタを突き動かした。
 まず、蒼馬に言われた通り、戦士たちに弓矢の扱い方を教える。幸い、人間の宿営地には弓矢が大量に用意されていたので、道具に困ることはなかった。
 もちろん、戦士たちからは嫌な顔をされたが、そんなことは今のシャハタには大した問題ではなかった。
「シャハタさん、あなたの腕にこの策の成否がかかっています。よろしくお願いします」
 そして、そう蒼馬に頼まれて崖に立ったシャハタは緊張に震える手をぎゅっと握りしめた。足元には、矢の先端に油をしみこませた布を巻きつけた火矢が用意されている。
 そのうちの一本を手に取ると、合図の雄叫びを上げている族長の隣に立ち、音を立てて弓を引き絞る。
 ゾアンの村で鬱屈とし、腐った毎日を送っていた自分に、あの人間の子供は頭を下げて力を貸してほしいと頼んだのだ。
 ここで、彼の期待に応えられなければ俺は誇り高きゾアンではなくなる。ただの腐ったゴミだ! ただのゴミになってしまう!
 そう自分を叱咤したシャハタは、族長の雄叫びが終わるのと同時に、限界まで引き絞った弓から矢を放った。
 狙ったのは、宿営地の中央付近にある建物だ。あまり油を撒きすぎては人間に気づかれてしまう恐れがあるため、宿営地の中央付近にある建物には直接火をつけていかなくてはならない。
 シャハタの放った火矢は、次々と建物の屋根に突き立った。何本かは外れてしまったが、すべての建物の屋根に数本ずつの火矢を突き立てることに成功した。火矢から屋根に乗せられていた柴や枯草に火が回り、一気に燃え上がる。屋根の上には油が入った皮袋が細い紐で吊るされていた。その紐が焼き切れると、皮袋は屋根から転がり落ちながら、油をまき散らした。その油に引火し、建物が一気に燃え上がる。
 すべての建物が燃え上がる光景を見下ろし、蒼馬の期待に応えられたことに安堵していたシャハタに、隣で投石をしていた族長のガラムが声をかけた。
「驚いた。よくここから当てられるものだ……」
 たった、それだけの言葉だった。
 しかし、シャハタはこみ上げてくる感情に胸を詰まらせる。
 戦士でもない自分が、族長から褒められた。
 それはそれまでの鬱屈とした想いを吹き飛ばすに十分なものだった。
 あふれ出る涙を腕で乱暴にぬぐいながら、シャハタは次の矢を手に取る。
「まだです! 戦いは、まだまだです!」

              ◆◇◆◇◆

 宿営地であがった炎に、山道にいた後続の部隊も気が付いた。
 自分らの指揮官たちがいる宿営地が燃え上がるのに、どよめきが上がる。
 しかし、すぐにそれは悲鳴へと変わっていった。
 宿営地にとどまらず、自分らが立つ山道の両脇からも火が上がったのだ。左手の林のみならず、右手の斜面にも落ち葉の下に隠されていた柴や枯草の束が次々と燃え上がり始めた。
 右手の斜面の上に、いっせいにゾアンたちが現れた。
 彼らは枯れ枝や枯草で作った大きな玉に次々と火をつけていく。すでに油が染み込ませてあった玉は瞬く間に燃え上がると、ゾアンたちはそれを次々と眼下の山道に転がし始めた。
 斜面から転がり落ちてくる火の玉に、兵士たちは恐慌状態に陥った。
 少し冷静になれば蹴飛ばすなり、革の手袋をはめたその手でつかんで火傷をする前に、どこかに投げ捨てるなりできただろう。しかし、密集した行列では火の玉に驚いて跳び退こうとすると、隣の仲間にぶつかり、逆に押し返されてしまう。そうしたことがあちらこちらで起き、まるでおしくらまんじゅうのように押し合いにへし合い、誰もが少しでも火から逃れようとし、大きな混乱が起きていた。
 さらに、そこにゾアンたちが投石を開始した。
 次々と仲間たちが投石に倒されるのに、中には果敢に弓矢で反撃しようとする者もいた。だが、恐慌状態の仲間たちが逃げようと互いを押しのけ合うのに巻き込まれ、まともに弓も構えることもできない。ゾアンたちも、そうした兵士を見つけると集中的に投石の雨を降らし、反撃を許さない。
 そのうち、兵士たちの恐慌と燃え上がる火に怯えた荷竜が、雄叫びをあげて山道を走り出した。動きが鈍いといっても、命がかかれば荷竜もそれなりの速さで走ることができる。目の前にいる兵士たちを蹴散らし、足で踏みつぶして暴走した荷竜だったが、倒れた兵士の身体に乗り上げた荷車が大きく傾いたのに引きずられ、そのまま左手の林の中に倒れてしまう。転倒した荷車のくびきに押さえ込まれ、起き上がることもできなくなった荷竜は火にあぶられ、悲痛な声で鳴き始めるが、誰も助けることはできない。
 ゾアンたちの投石が激しさを増すが、左右は炎が燃え上がり、前後は仲間と火の玉でふさがれ、兵士たちに逃げ場がない。
 そんな中で、このあたりの地形を知っていた兵士のひとりが叫んだ。
「川だっ! 左の林の向こうは川だぞ!」
 炎に巻かれようとしている兵士たちにとって、川という言葉は天啓のように聞こえた。
 しかし、その川に行くためには燃え上がる林を突破しなければいけない。誰もが躊躇する中、ついにひとりの兵士が覚悟を決めて、燃え上がる林の中に飛び込んだ。
 それをきっかけに、多くの兵士たちが川の水を求めて後に続く。
 燃え上がる林の中は、熱気と煙とでまともに息もできない状況だった。露出している顔は焼けた空気で、ぴりぴりと痛む。しかし、それを我慢して、河原に出れば助かるという一縷(いちる)の望みを抱いて必死に駆け抜ける。
 誰よりも真っ先に飛び込んだその兵士は、林の中ほどまで来たとき、前に出した足がいきなり地面を踏み損なってしまい、盛大に転倒した。受け身も取れずに地面に転がった兵士は、身体を強く打ってうめくが、自分が転倒した原因を知り、驚愕する。
 それは地面に掘られた穴だった。深さも脛あたりまでしかなく、足がひとつ入るぐらいの小さな穴である。その穴に足を取られて転倒したのだ。よく見れば、それは林の中のいたるところに掘られていた。
 この、ただ足を引っかけて転ばせるだけの小さな穴が、このときばかりは凶悪な罠へと姿を変えた。
 彼の後に続いて林に飛び込んだ兵士たちが、ものすごい形相でこちらに向かって走ってきたのだ。その先頭にいた二、三人は転倒した兵士に気づいて、何とか彼をよけたが、その後に続く兵士たちは気づくのが遅れて、よける間もなく倒れた兵士の身体を踏みつけるように駆け抜けて行った。さらに次から次へと仲間たちがその兵士の身体を踏みつぶしていく。仲間たちに踏みつぶされ、体中の骨と言う骨を砕かれ、内臓を破裂させ、ひとりの兵士だったものは瞬く間に血と肉が混ざり合った泥の塊に変えられてしまった。
 そうした光景が、燃え上がる林のいたるところで起きていた。
 仲間を踏みつぶしながら、ようやく燃え上がる林を抜け、燃えるものがない河原に出られた兵士たちが、これで助かると安堵したのもつかの間だった。
 何と、急流をはさんで対岸の河原に、こちらに引き絞った矢を向けたゾアンの一団が待ち構えていたのだ。
「放てーっ!」
 その掛け声とともに、ゾアンたちはいっせいに矢を放つ。真っ先に河原に出ていた兵士たちが、その矢を受けて、次々と倒される。
「うわぁー! ゾアンだ、ゾアンがいるぞ!」
「戻れ、戻れっ! 殺されるぞ!」
「戻れって言っているだろ! ゾアンの待ち伏せだっ!」
 出て来たばかりの河原から戻ろうとする者と、林から河原に出ようとする者がぶつかり合い、激しい押し合いになる。中には地面に押し倒される者や、河原から急流に落とされる者まで出る。
 ゾアンと火に挟まれ、兵士たちはもはやどうすればいいのかわからなくなっていた。
 ある者は奇声をあげて剣を振り回し、またある者は泣き叫んで座り込み、さらにある者は自ら急流に身を投じた。
 そして、そんな者たちに区別なく、ゾアンの矢の雨が降り注ぐ。
 もはや、そこは戦場と言うより狂気の屠殺場であった。

              ◆◇◆◇◆

 河原で人間の兵士たちを待ち伏せしていたのは、グルカカ率いるゾアンの戦士たちであった。ここ数日の間、シャハタの指導の下で何とか矢を正面に向けて撃てる程度には腕前をあげることができた者たちである。
 彼らは蒼馬から人間の兵士たちが逃げてくるので、それを矢で射るように指示を受けていた。
 だが、彼らゾアンの戦士たちは、弓矢を卑怯者の武器として蔑んでいた。彼らにとって戦いとは、山刀を使って敵を倒すものなのだ。
 それに、人間の兵士たちは山道を登ってくるはずなのに、わざわざこんな河原にやってくるということが信じられなかった。
 そんな弓矢を使わされる不満と蒼馬の発言を侮っていたこともあり、そこにいるゾアンの士気は極めて低かった。本来ならばそれを正すべきグルカカですら、その同胞たちの態度を見て見ぬふりするぐらいである。
 しかし、次々と火の手が上がり、林の中から人間の兵士たちが飛び出してくると、そんな弛んだ気持ちはどこかへ吹き飛んでしまった。
 それが闘志を燃やし、雄叫びを上げる兵士だったなら、ゾアンたちも恐れなかっただろう。ところが、やってきたのは、火に追われて恐怖に目を限界まで見開いて、泣き叫びながら必死の形相で駆けてくる何百もの人間たちであった。
 その異常な光景に、さすがのゾアンの戦士たちも恐怖した。
 人は自分の理解を超えるものに恐怖を覚えると言う。もしかしたら、人間たちの恐怖が伝染したのかもしれない。
 いずれにしろ、あの得体のしれない人間どもが、こちらに押し寄せてきたらと思うと、ゾアンたちは全身の毛を逆立てて震えた。
 実は、ゾアンの戦士たちの中には、もし本当に人間の兵士たちが来たら、弓矢を捨てて山刀で戦おうと考えていた者もかなりの数いたのだ。ところが、そんな考えは、頭の中からすっぱりと消え去っていた。
 誰もが必死に、なれない弓を構え、矢をつがえる。
「放てーっ!」
 グルカカの声とともにいっせいに矢を放つ。
 しかし、後はそれぞれが勝手に矢を射続けた。誰もが、あの人間たちを少しでも近づけてはならないと、狙いもつけないままひたすら矢を射るのだ。
 実際、狙いをつける必要さえなかった。河原に出ようとする人間とゾアンから逃げようとする人間が押し合いになって固まっているのだ。とにかく矢を射れば、誰かに当たる。そんな状態だった。
 どれほどの間、矢を射続けたかグルカカたち自身も覚えていない。
 頭が真っ白になり、ひたすら矢を射続け、あれほど用意してあった射る矢がなくなってから、初めてグルカカたちは我に返った。
 なれない弓矢を使ったせいで、両の手の平の皮がベロベロにむけて、血が滴っていた。
 しかし、そんなことは大した問題ではない。
 目の前の光景に、グルカカたちゾアンの戦士は言葉を失って立ち尽くした。
 対岸は見渡す限り、人間の負傷者と死体によって埋め尽くされていたのだ。これが自分たちのやったこととは到底信じられず、茫然とその光景を見つめ続けた。
 このとき河原を埋め尽くした負傷者と死傷者は数知れず、そこから流れる血は川を赤く染め、三日以上経ってもそれは消えることはなかったという。

              ◆◇◆◇◆

 戦の後には、よく雨が降ると言われている。
 それは戦火によって生じた上昇気流に乗って、上空高く運ばれた空気が雨雲となり、雄叫びや刃を打ち合わせる音が大気を震わせ、雨雲から雨を降らせるからだそうだ。
 それが本当かどうかはわからない。
 しかし、このときもにわかに雨雲が天を覆い、しばらくするとこの季節のソルビアント平原には珍しい、激しい雨が降り始めたのである。この翌朝まで降り続く激しい雨によって、火はそれ以上燃え広がることなく鎮火した。
 このとき蒼馬は、敵を火に包むことばかり考えていたため、延焼の対策を失念していた。もし、この雨がなければ、危うく大火災を引き起こしかけていたのだが、蒼馬は最後までその幸運に気づくことはなかった。
 こうして、蒼馬自身も気づかぬ幸運にも恵まれた『破壊の御子ソーマ・キサキ』の最初の戦いと呼ばれる「ホグナレア丘陵の戦い」は、幕を下ろしたのである。
3/31,11/11 誤字修正
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