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勝ち残り戦④-体を殺せないなら・・・
さてと、いよいよあの男の出番か・・・

そう考えていると最後の1人、あの男が現れる。

「戦う前に一つ聞いていいですか?」

ボクはそう男に確認をとった。

「・・・何か?」

あの男は短くそう返す。

まったく無理してそんな堅苦しく喋るなよ。体が痒くなるじゃないか。

「なぜ近衛軍の戦いに貴方が出てくるんですか、第二皇子様?」

ボクは嫌味にならない程度の笑みを浮べてそう聞いた。

「ふっ、ふっふっ、はぁっはっはっは・・・何故私が第二皇子だと?」

あの男、第二皇子レクテスはひとしきり笑った後、ボクにそう聞いてくる。

「しいて言えば魔法ですね。 貴方の近衛軍は要注意でしたので魔法で調べたんですが・・・

驚きましたよ。まさか貴方がチームリーダーとして戦いの場に出てくるなんて。」

これは半分以上は本当だ。魔法ではなく全知の力を使って調べたという違いだけ。

まさかレクテスが戦いの場に出てくることも、一流の剣士であることも予想外だった。

「いや、さすがはマヤさんだ。その容姿からただ者では無いと思っていたけど・・・

まさかソコまでの魔法の腕前とは。古代魔法なんて始めて見たよ。」

いや、容姿に凄さは関係な・・・あぁ、髪の色か。

「お褒めいただき光栄です。レクテス様。」

「いやいや、謙遜することはないさ。

君は僕の妻に相応しい。改めて僕の妻に、王妃にならないかい?

僕の剣と、君の魔法があれば王国や皇国も配下に置くことができる。」

やれやれ、夢は世界征服ですか?

「お断りします。以前にも言いましたがボクのようなモノは貴方に相応しくない。」

「・・・ふられてしまったようだね。

で、君はどうするのかな? 僕は一応王族だ。

その王族にたとえ正体を知らなかったと言っても、

かすり傷一つつければればどうなるか・・・聡明(そうめい)な君ならわかるだろ?」

やっぱりそうきたか。

「降参するのをお勧めするよ。

なに、私の近衛騎士として雇ってあげるから負けた後のことは気にする必要は無いよ。」

「そうですか。・・・ですがお断りします。」

「なに?」

意外そうにレクテスが顔を歪める。

ボクを不快にさせた罰だ。存分に味わうがいい。

パチンッ・・・

ボクは指を鳴らした。






ボクたちは今、赤黒い空間に浮かぶ平らな岩の上で対峙している。

「ここは?」

レクテスは落ち着いた様子でそう聞いてくる。・・・つまらない、少しは慌てろよ。

幻術空間(イマジンワールド)とでも言えば良いかな? ここは幻の世界だよ。」

そう、体に危害を加えられないなら心を壊してやれば良い。

この世界に幻術などの精神攻撃系の魔法は存在しない。だから証拠は無いから罪に問われない。

「幻? そんなこともできるのか。

それで、その幻を使って何をしようって言うんだい?」

レクテスはそう笑みを浮べてそう聞いてくる。幻と聞いて油断しているんだろう。

「なに、体が駄目なら心に恐怖を植えつけようと思って。

ちなみに幻といっても痛覚はあるからね。」

「なんだと?」

ようやく驚いてくれたね。

「ボクは君が気に入らない。何がかと言われれば騙し討ちをしたということかな。

ボクは何より騙す行為に嫌悪感を抱くからね。」

ボクはそう言って幻術空間に剣を無数に作り出す。

何の為か? 刺すためにさ。レクテスの体を・・・

「そ、その剣で僕をどうするつもりなんだ?」

無数の剣を見た瞬間、

恐怖に顔を歪めながら震える指でこちらを指差し、レクテスが聞いてくる。

愉快愉快(ゆかいゆかい)

「はぁ、見ればわかるだろ。指すんだよ。君の体に。」

「ふざけるな! 僕は世界を統べる者だぞ!」

残念(ざんねん)だけどレンが勝つからソレは無理だよ。」

ボクはそういって10本の剣をレクテスの体に突き刺す。

「     」

言葉にならない絶叫を上げてレクテスが倒れる。

「言い忘れてたけどこの空間では死ねないから。

そうそう、この空間内でどれだけ時間が経過しても元の世界の一瞬でしかないから。

24時間はじっくり楽しんでいってね。

ほら、追加の剣だよ。」

そういってボクはさらに10本の剣を突き刺した。











現実世界でボクが指を鳴らした瞬間レクテスが倒れたのを見て周りが歓声をあげる。

どうやらボクとレクテスの会話は聞かれていなかったようだ。

これでレンが皇位を継承できる。

もっとも第一皇子と第一皇女はまだしも、

レクテスはもう再起はできないだろうから脅威ではないね。

さて、レクテスは突然倒れたと言えば良いだろう。

外傷も何も無いし、全能の力でかけた幻術だから魔法では見破れないからね。

さて、コレでレンとの契約も終わりか。

これからどうしようかな?
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