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ミライの自殺から3日後。
呆然と生きるコウガのもとに届いた一通の手紙。
差出人は、朝倉ミライ。
愛する人からの、思いのこもった遺書だった・・・・・・
アライヴ
作:亜月 聖



第34章;ミライの遺書


コウガ君へ


君がこの手紙を読むとき、私はこの世にはいないでしょう。
つまり、この手紙は遺書。
コウガ君だけには、私がどうして自殺したのかを、知っていて欲しいの。

長くなると思うけど、読んでください。

私が自殺して、周りはどんな反応をしているのかな?
泣いてくれる人は、何人いるのかな?

私が死んだことを、悲しんでくれてるのかな・・・・・・。

きっと、ミナミは泣いているね。あの子は、純粋に優しい子だもの。
叔父さんもきっと・・・泣いてくれる。ミナミを慰めながら、ね。
叔父さんの家にいる女の人、真央さんだったけ。その人も、私には優しくしてくれてたからな。悲しんでくれてるかもしれないね。

じゃあ、他の人はどうなんだろう。

クラスメイトは? 親戚は? 地域の人たちは?

それに、コウガ君・・・あなたは?

私が死んで、悲しんでくれますか?

涙を流してくれますか?


私が自殺して、いろんな動機が推測されると思うんだ。
一番多い意見は、分かり切ってる。

「妹と比べられる毎日に絶望し、自ら命を絶ち、現実から逃げた」

おおかた、こんな感じだろうね。

私は、この手紙以外に遺書も残していないから、みんなそれに賛同するでしょうね。


でもね、コウガ君。
私は、そんなことで自殺なんかしたりしない。
ミナミと比べられることでなら、はるか昔に自殺しているわ。



コウガ君だけには、知っていて欲しい。私が何を思って、死んだのか。
どうして、今頃になって死を選ぶのか。



コウガ君、私ね。

叔父さんが好きだったの。

私の父親の妹の旦那さん。血縁関係はなかったけど、両親が亡くなってからは、私とミナミの保護者代わりだった人よ。

ずっと、憧れてたの。

カッコよくて、優しくて。

大好きだった。


その気持ちは今でも変わらないわ。

ただし、敬愛という意味での、「大好き」だけどね。







・・・私が、恋愛感情で好きなのは、コウガ君。

あなた一人だけだよ。

君が私に告白してくれた日のこと、覚えてる?

あの時が、私の人生で最も輝いている時だったな。

嬉しかったよ、コウガ君。
ありがとう。好きって言ってくれて。
私を、一人の人間として認めてくれて。

コウガ君と出会ってから、毎日が楽しかった。
私にとっての、生きる意味と希望は、コウガ君、あなただったよ。



大好きだよ、コウガ君。



でもね、もう遅いんだ。

すべてが、遅かったの。

私はあの日、君に告白される前から、もう自殺する決意を固めていたのよ。

さっきも言ったけど、私はコウガ君に出会って、初めて愛を知ったわ。
私を救ってくれたのは、コウガ君だよ。

だからね、私、このままでいたかったの。

どんなに愛していても、いつかは別れが来るでしょう?

人間は身勝手だから、人の欠点ばかりが目について、相手を信じられなくなったりすることだって、あるよね。

コウガ君と、そんな風になりたくなかったの。
互いに疑心暗鬼になって、好きな人の気持ちも疑うなんてこと、したくなかった。

でもそれは、私たちが人間である限り、感情を持っている限り、あり得ることなのよ。


そばにいすぎて、互いに相手の気持疑ってしまうくらいなら。
あなたを好きすぎて、右も左も分からなくなって、人間の醜い感情に支配されるくらいなら。


死んだ方がマシ。そう思ったのよ。


コウガ君の心の中でも、私は今も綺麗なままですか?

あなたが思う、朝倉ミライのままですか?

そうだったら・・・嬉しいな。



コウガ君。どうか、立ち止まらないで。
あの日、私を好きだと言ってくれた君は、とてもカッコ良かったよ。

本当に、私は幸せだった。
幸せの絶頂の中で、私は死ぬことができたのよ。
だから・・・本望だわ。


あの日、神様の存在について、話したよね。
私は、本当に神様はいると思っているよ。
だって、最期の最期に、君が告白してくれたんだもの。
これ以上の幸せはないわ。


私は、君との思い出だけを胸に旅立つわ。

コウガ君は、しっかりと生きて。
生きる意味、そして希望を見つけてね。


もしも、また生まれ変わった時には、

君に会いたいよ、コウガ君。






大好きだよ、コウガ君。














さようなら
                            ミライより












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