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内容薄いです。


アライヴ
作:亜月 聖



第17章:病院前にて


喫茶店を出た後。
オレはまっすぐと病院へ向かった。オレは、病院が嫌いだ。昨日も行ったというのに、また病院へ足をふみいれなければならないとは。ついてない。
まあ、そんな事言っても仕方ねえけど。

病院。外観がどこか寂しげなのは、オレの気のせいかなのか。
ふと、周りに目をやると見覚えのある男の顔が目に飛び込んできた。
「ジン!」
その声に、その男―ジンは振り返った。警戒するような目つきだ。
「ジン、どうしてここに」
「ヒイラギか」
オレの姿を確認し、ジンはうっすらと微笑んだ。
「ナツメに会いに来たのか?」
ジンに近づきながら、オレはジンに訊いた。
「・・・まあな」
目をそらすジンは、どこか寂しげだった。
何だかんだ言って、ジンもナツメのこと心配なんだな。
オレは、どこかホッとしていた。ジンは、やっぱり良い奴だ。
「じゃ、一緒に行こうぜジン」
そう言って、オレはジンに微笑みかけたのだが・・・
「やっぱ、俺行かねえ」
「え?」
オレは目を剥いた。ジンは、相変わらず目をそらしたままだ。
「やっぱ、普通行けねえだろ。あいつだって、もう二度と俺には会いたくないだろうしよ。ヒイラギが行くんなら俺が行く必要ねえじゃねえか」
「そんな」
そんなことはない。オレがそう言おうとしたときだった。

「ヒイラギ?」
病院内から、一人の男が出てきた。
「ナツメ・・・」
「どうしたの、って・・・ジン?」
目を見開いたナツメは、ジンに近づこうとしたのだが。
「・・・じゃあな、ヒイラギ」
「ジン!」
回れ右をして、猛スピードでジンは、走り去ってしまった。当然、オレの声が届くはずもなく。

どうしてだよ、ジン。
何で逃げちまうんだよ!




「・・・今の、ジンだったよね? どうしてあいつが・・・」
唖然とするナツメに、オレは向き直った。
「ナツメ。今でも、ジンに会いたくないと思ってるか?」
オレの問いに、ナツメはゆっくりと首を横に振った。
「思ってないよ。大切なものは、失ってから気づくんだね。実感したよ。ただ、組をやめたのは俺の勝手だし、随分とひどい事も言った。だから、あいつはきっと俺のことを恨んでるよ。俺は、あいつに嫌われて仕方ないことをしたんだ。会いたくないのは、ジンの方さ」
「そんなことない!」
自嘲的なナツメに、オレは声を張り上げた。
「ジンは、お前と仲直りしたがってんだ! だから、ここにいたんだよっ」
「そうだとしても、俺はあいつのこと、随分と傷つけた。―組を身勝手に抜け出しただけじゃないんだ。俺は、あいつを裏切ってしまったんだ」
そう言ったナツメの顔は、辛そうで。
オレは、もっと言いたいことがあったのに、何も言えなくなってしまった。

「・・・オレは蚊帳の外ってわけか」
「え?」
顔を上げたナツメに、オレは自分の気持ちをぶつける。
「ジンもそんなこと言ってたぜ。抽象的で、実際のことは何にも教えてくれなかったけど」
「・・・・・・」
「なあ、教えてくれよ。ジンとの間に何があったんだよっ」

オレは、ナツメの返事を待った。ナツメは何も言わない。ただ、黙って空を見上げていた。



やがて、ナツメがポツリと言った。
「ヒイラギになら、話してもいいかもしれないね」
「え?」
驚いて、ナツメの顔を見ると、ナツメは微笑んでいた。
「俺の大失態話。訊いてくれる?」
「あ、ああ」
オレは、何回も首を縦に動かした。チャンス到来。ナツメとジンが、そもそもどうしてあんなに決別してしまったのか。知れるときが来たかもしれない。
オレはいつも不思議に思っていたんだ。あんなに仲の良かった2人が、たかが組をやめるだけであんなにも決別してしまうなんて。それ以前に何かあったとしか考えられない。

「じゃ、どこか喫茶店でも入る? それとも・・・ミナミの病室で?」
ナツメのちょっと茶化した問いに、オレは苦笑した。
「喫茶店だろ、普通」
「了解」

こうしてオレは、アスカとの約束よりも早く、ナツメと一緒に昨日の喫茶店―「青空」だったっけ―に足を踏み入れた。


オレ、喫茶店行きすぎだな・・・。












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