其の一
いつも頭を過る風景がある。
懐かしい感じもするのだけれど、どこかはっきりとしない。頭の中に靄がかかっているみたいだ。僕はそこでいつも同じことを繰り返していて、それが何かも分からないけど。
この涙は何なんだろう? 悲しくないのに、僕は何で泣いているんだ? 分からない。
分からない。
「大丈夫?」
僕より小さな女の子が不思議そうな目で僕を見ている。綺麗な淡い青色の眼だ
「キミはだれ?」
僕はだれ?
自分でも分かんないよ……
「何で泣いているの?」
女の子は問い掛けを続けた。僕はその全てに答えられなかった。
「よく分かんないけど……おいでよ!!」
女の子は俯いた僕に手を差し伸べてくれた。温かくてやわらかで、僕の涙は止まった。
これが花纏との出逢いだった。
それがまさか……あんな事になるなんて。 |