天使になる為に 2縦書き表示RDF


短いですが、読んで頂けたら幸いです。感想等書いて頂けると助かります。宜しくお願いします。
天使になる為に 2
作:アクア☆


 僕はここにいるよ。いつも傍にいるよ。君の事をずっと…、ずっと見守っているから。

 毎朝通学に使う君。

 黄色い鈍行列車に毎日乗る君。友達と仲良く笑いながら話す君を乗せて僕は走る。皆を乗せて目的地まで無事送るのが僕の仕事。

 毎朝片道二時間を毎日往復する。その中で君が乗っている時間は20分。最前列の特等席だ。

 雨の日も雪の日も、君の笑顔があれば僕は頑張れた。

 でも、今日でおしまい…。

 何故なら、君は卒業。僕は新しい水色の電車と入れ替わる。

 僕の最後の仕事。君は泣きながら最後のお客様として乗ってくれた。

 思い出いっぱい…。

 君の手には卒業証書と僕の写真。一番前に座る君は泣きながら膝の上に写真を置いた。

『お兄ちゃん?今まで送ってくれてありがとね…。』

 ハンカチで涙を拭いながら静かに乗る君は…僕の妹。

 君はいつも最前列の席で外を眺めていたね。寂しそうな表情を浮かべながら…時には目に涙を浮かべ…。

 僕の方こそ“ありがとね…。”僕が運転するはずだった電車…。僕の変わりに運転席に一番近い場所に座ってくれて…。お陰様で僕の夢、君を乗せて走る夢…、かなえる事が出来ました。

 終点に近づくにつれ、君は涙が止まらなくなった。

 駅に着き、君は最後まで席に座っていた。離れたくない気持ちでいっぱいだ。

 駅員さんに優しく誘導されホームへと案内される君…。電車から降りた君は、周りを気にせず泣いてしまった。

 電車は僕の気持ち…、君の気持ち…、悟った様に“プァァァン”と一緒に泣いてくれた。

 駅全体に鳴り響く…。

 これでお別れだ。僕は君に敬礼をし、電車と共に記憶の中へと消えていった。

 僕達は、君の中でずっと生き続ける。そして、見守っているからね…。















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