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14,地獄…ニューギニアの戦い 4
9月1日より、ボーランジアへ向けて大和・日本軍は進軍した
 
長期に渡る連日の激戦に両陣営の兵士達は疲れを見せてきた

9月4日からは隼戦闘機隊とP-36、P-40が主力であるトリステイン空軍がボーランジア上空で
激しい空中戦を展開した
 
緒戦はトリステイン空軍を圧倒したものの9月6日より新鋭機「P-51」が配備され始め
隼が劣勢へと追い込まれはじめた
 
ダダダ…

ブオオオオオ…

ピュッ!

「くそっ! 被弾した!」

「よぉぉしこうなったら地獄の道連れだ!」


ブオオオオオ…

「隊長殿! さようなら!!!」

ドゴオォォォン!!!!

しかし陸軍も負けてはいなかった、丁度、トム島時代から研究を重ね開発を続けてきた
二式単戦の改良型、現在日本時間で皇紀2607年でキ-233七式戦闘機と名づけられた
愛称は榮風(えいふう)

664キロの高速に良好な運動性能、被弾にも強い陸上戦闘機が誕生した
早ければ10月にも実戦デビューが可能だ
 
9月21日、大和・日本軍、ボーランジアにたどり着く
しかし…これまでの戦いは序章にすぎなかった、ここにはトリステイン陸軍の
第4軍、第5飛行師団、第3方面軍が駐屯する、ボーランジアの戦いはこれまで以上に
激戦となるだろう
 
 
 
ダダダダ…

ダダダ…

ドォン!

「バンザーイ!」

「目標! 敵の砲砲兵隊!」

「ぐわぁ! ああ!」

「衛生兵!!頼む来てくれ!!」
 
9月24日、トリステイン軍の大攻勢、大和・日本が押し戻され始める
しかし日本軍が大和の先陣をきって反抗、大規模な退却は行われなかった
しかし進軍も難しくなった

10月に入ってもボーランジアでは戦闘が行われていた
10月10日、10を横にしたら目に見えるというジョークからトリステイン軍は
「目撃ち作戦」を発動、大和・日本軍の組織的戦闘を行えないようにするため
B-29、100機による大爆撃を行った

同時に輸送を行っていた大輸送船団もラエ・トリステイン海軍の手によってほぼ壊滅し
届いた物資は僅かだった
 
10月24日、木曜島沖で日本軍機動部隊とトリステイン機動部隊の間で海戦が行われた…
結果は日本軍の戦術的勝利、この戦いで空母一隻が中破、駆逐艦二隻が小破、
攻撃機を42機失ったがトリステイン軍の稼動可能空母が0になった
 
ダーウィン大陸、トリステイン王国王都シドニー-

この世界では、首都はシドニーだった
 
「えっ? それってまずいのではないですか?」

「ええ、もう空母がありません、0です」
「しかも女王様、すでにラエ軍は機能しておりません、我が海軍は戦艦が数隻と巡洋艦以下
 三十隻、航空戦艦は建造中のが一隻、それまでの古い木造船のが五十隻です」
「木造艦では役に立ちません」

「ふん、つかいものにならないやつめ」

「えっ?」
そういったのは、現トリステイン軍総司令官ド・ポワチエだ
 
「お前のような愚将は処刑だ、かわりにちょうどいい人物がいるのでな」

「な…」

ガシッ

「ちょっ…まってください! あああ」

「かわりの人物とは…誰ですか?」

「はっ、女王様、シエスタでございます」

「えっ? 私」

「貴女の曽祖父は、海軍の軍人だと聞きました」

「しかし…それは曾お爺さんで私はただの…」

「いや、素質はあるはずです、前線に立つ必要はありません」

「わ…わかりました…やってみます」

劣勢の国は大抵、狂気の沙汰みたいなことをする
ポワチエも相次ぐ敗退で精神的に参っていた、通常シエスタのような普通の少女を
軍の司令官に任命するほうがおかしい、そして普通、周りも止めるはずだが
回りも止めなかった
 
 
一方ニューギニアでは

ボーランジア-

「…」

「…」

たったったっ…

日本軍(大和特殊戦闘軍)坂井宗治伍長
(8月、あれほど勢いのあった我が軍も、兵士の士気が落ちている)
(それはそうだ、耐えがたい飢餓におそろしいマラリア…まさに、ここは俺がかつて
 体験したガダルカナルの再現だ…)
(俺はあの戦いで負傷し一時内地へ、その後トム島へ配属され終戦を向かえ
 そしてその後ほかの奴が死ぬ間にも戦いという戦いに参加していない、
 だから伍長どまりなんだけど…)
(…)
(臭い…死体が腐っているんだ…)

タッタッタッ…

(これなんかは死後数ヶ月が経過して蛆が沸き臭いがひどい)

タッタッタッ

(おまけに血の臭いもひどい…畜生海軍はラバウルでのんびりしてるんだろうな)
(俺も海軍に入りたかったぜ…)
 
タッタッタッ…

(すごい数の負傷者だ…)
(健康な者も士気をほぼ失っている、敵も同じだ)
(この男がそうだからな)

(沖田拓海大佐、日華事変ではあちこちで活躍、大東亜戦争では主に南方の作戦に参加、
 特にガダルカナルの戦いでは辻政信より親しまれた、
 こっちにきてから大佐に昇進し歩兵連隊隊長、また作戦参謀でもあり、グアムや
ニューブリテンなど南方の島を彼が考えた作戦で次々と陥す、真の意味で作戦の神様だ)
(しかしニューギニアではその才能も生かされなかった…日華事変の名将、市丸大将も
 絶望しているくらいだ…)

もちろん市丸大将は架空の人物である
 
「うう…」

「隊長?」

「坂井…か…」
「お前はまだ元気そうだな」

「はい、自分はなんとか」
「しかし部下が」

「そうか…この状況じゃあな」
「最近敵の攻撃も減った、両陣営ともに疲れきっているんだろう」
「本来なら攻撃のチャンスなんだが…兵士の士気が低いと…」
 
「こうなってしまったのも、私の作戦が悪かったから…」

シャーッ

「まってください隊長! 隊長がいなくなれば兵の士気はさらに落ちます!
 むしろ隊長殿がいるからまだ戦えるのです!」
「市丸大将との連絡が難しい今!真の作戦の神様である貴方が指揮しなければなら
 ないのです!」

カシャッ

「ふ…伍長にそれを言われちゃ俺も終わりだな、よしもうちょっとがんばってみようか」
 
当初3000人いた連隊も今や1000人弱、近くに別の連隊がおりそこはまだ2200名がいる、
合流を試みた

弾の嵐を乗り越え968名が合流に成功し約3200名の集団が出来た

その集団もほかの部隊へ合流し戦力が集中しはじめた
一方のトリステイン軍は海軍はシエスタが海軍を指揮することに、トリステイン海軍の
戦闘能力が低下しはじめた

ニューギニアでもラエ皇国軍は実質消滅、トリステイン軍の多くは長期に渡る消耗戦で
大和・日本軍と同じく飢餓やマラリアに苦しみ士気を失っていた
 
11月に入り終わりが見えなかったこの戦いにも勝敗が少しずつ決まろうとしていた

 
皆様方のご感想お待ちしております


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