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作:双神 蒼


窓からの心地よい風に、ひらひらとなびく白いカーテン


ああ……


知らなかったなぁ。


入院生活がこんなにも暇なものだったなんて…


そんな自分の腕は三角の布で吊らされており、ギプスで固定されている。

「はぁ…」

思わずため息をついてしまう。

手術はすでに昨日行われており

あとは一週間安静にしていれば、自宅に戻れるそうだ。

それから二週間は自宅で安静にしていなければいけないが。

怪我の原因は親父狩り。いや!社会人狩りだ。まだ25の自分を親父とは言えないはず!

あの時に金を出せといわれて出さなかった自分は果たして正しいのかそうじゃないのか。

まぁ、その結果がいまの自分だが。

「お〜い、おっさん」

声の元は隣のベットの男の子だ。

「どうした?てか、おっさんじゃない」

「暇だから何か話してよ」となりのコイツは、親の説教が嫌になり三階から飛び降り両足を骨折というわんぱく小僧だ。

これでもお坊ちゃんらしい。

「話って…普通そんなふうに頼まねぇよ。会話がしたいんなら普通にそう言え」

「はいはい、てかおっさんて普通の会社員?」

「ああ、それも期待されている超エリートのな」

「期待って、ただの会社員に何を期待するんだよ」

「大人の世界にはいろいろあんだよ。まだまだガキだなお前は」

「バリバリ小学6年生!まだまだガキだよ。ヘヘ」

「開き直るな阿呆が」

「うっ、ツッコミきっついなぁ。でも、そもそもその超エリートがこんな古い病院で何しているのかな〜?」

「………簡単に言えば、親父狩り。しか〜し!オレはまだそんな歳じゃない!」

「ハハハハハ、そんな歳だよ」

「グッ、こっちは笑い事じゃないっての」

「つーか、なんでこの仕事選んだの?」「ああ……なんでだろうな?多分、ただ向いていたからだろうな」

「あー、やだやだ。こんな自分の仕事に対する誇りや理由をを持てない大人にはならないようにしよっと」

「失礼な、俺だって誇りくらい…」

「おっ!あるの?」

(そういえば、最近頭下げっぱなしだな……)

「ないな。上司の愚痴のような説教ずっと聞いたり、汚い床で土下座したり」

「やっぱりね♪」

「でも、まぁ俺はそう思ってるだけだから。誇りを持ってリーマンやってるやつもいんじゃねぇの?」

「ふ〜ん、ていうかストレスとかたまったり大丈夫なの?ほら、ストレスで胃に穴があいたりするとか言うじゃん。確か、いかいよーだっけ?」

「俺は別になったことはないな。まぁそれはお前も大人になれば解ることだ」

「なんか、大人にはなりたくないなぁ…」

「そう言っても、あっという間に大人になるぜ?」

「やだなぁ…。じゃあ、おっさんみたいにはならないように頑張るね」

「ああ、お前は多分大物になるさ」

「えへへ〜」

と、まぁこれが入院二日目の会話だった。

なぜかは知らんが、入院中はどんどんこいつと仲良くなっていった

そしていよいよ明日退院という夜。隣のこいつが秘密を打ち明けた。

「ねぇ、おっさん…」

「ん〜?」

「俺ね…実はね。両足の骨折だけじゃなくて癌にもかかってるんだ」

驚く俺にこいつはだんだんと秘密を打ち明けていった。

「明日、その癌を取り除く手術があるんだけど……すごく怖いんだ。手術を終え、目が覚めたときに自分が生きているのかもわからない」

「前までは大きな病院にいたんだよ。でもなんで小さくて古い病院にいるかわかる?」

「親がもう諦めてるんだよ。おっさんは一週間前にここに来たよね?その一日前に移されたんだよ」

「親に見捨てられたこの気持ちがわかる?手術の成功確率が低すぎる、だから跡取りとしては無理だし、うちには必要ない人間だから安い病院でもいいだろうってね」「俺ってなんなんだ?なんのためにいたんだ?」


「………ねぇ、俺っておっさんにとって親友になれたかなぁ?」


こいつの目から大粒の涙が落ちた。


「……バ〜カ。当たり前だろ」


「あ、ありがとう」


こいつは泣きながらかすかに嬉しそうに言った。


しかし肩が震えていた。



俺は近づき言う。


「絶対に…絶対にお前は死なない」


こいつは歯ガタガタさせながら答える。


「やっぱり怖いよ。怖いんだ。死という恐怖が段々と迫ってきている感じがして震えが止まらないよ」


俺はこいつの頭を胸に当てるように片手で抱いてやる。


「大丈夫だ。お前は死なない。お前はこんなことで死ぬような奴じゃないさ。だからさ、今日はもうお休み」


さっきまでの震えが嘘のように止まる。そして、静かに寝息をたてていった。



それが、俺の入院生活の最後だった。


次の日、俺はこいつに出会うこともなく病院を出た。


俺はあの後、手術が成功したのかも失敗したのかも知らない。


ただ、あの病院の前を通るとどうしようもない感覚に襲われるんだ。



でも、だから俺は生きようと思う。あいつの分まで、誇りを背負って立派に生きていこうと。


小説と呼べるものでは一番初めに書いたものです。他サイトでも書いたやつなんですが、それをコピーしてきました。てかちょっと、急展開過ぎましたね。もっと入院生活の出来事書いておいたほうがよかったですね。まぁ、初投稿なのでそこらへんはご了承ください(笑)













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