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二度目の私
作:シロクロ





「あ、お兄ちゃん」

小学生と毎日お昼寝する私の行動が合うはずもなく、実はファーストコンタクトから二度目の出会いだったりする。
声をかけておいて何だけど、私のこと覚えてないといいなぁ。

「ん、ああ、隣の…えっと、悠里ちゃん、だよね?」
「うん。覚えててくれたんだね。ありがとう」
「見た目より賢そうなはっきりした話し方だったからね。それより悠里ちゃんこそ、久しぶりなのによく覚えてたね。1年以上ぶりだよ?」
「う、うん。だって高文お兄ちゃんのこと大好きだもん」

やっぱりか…私はともかく、小学生は毎日が濃いんだから一年以上前に一度あった子供なんか普通忘れるって。
そんなに印象深かったのかなぁ。お隣さんだから、って無難な理由だと嬉しいかったんだけどね。

「そうなの?」
「うん。お兄ちゃん、優しいから」
「ふぅん」

そう言うと悪い気はしないのかお兄ちゃんは嬉しそうに笑う。

「あのね、私、ちょっとだけ発育が早いの。でもちょっとだけだから、別に変じゃないよ」
「そうなの?」
「うん。私みたいに流暢に話す子もたまにいるから、そんなに珍しくはないんだよ」

嘘です。4歳の彩乃ちゃんたちより流暢に話してるし、彩乃ちゃんたちはまだまだ子供子供〜って感じにも関わらず私はもうめちゃ素で高校生な精神です。
お母さんとか大人の前ではちょっと幼くしてるけどね。

「へぇ…そうなんだ」

ふぅ…これでお兄ちゃんは大丈夫だろう。ていうか、何で私はこんなに阿呆なんだ。
私みたいな赤ん坊が話したら怪しいなんて分かるでしょ。

「お兄ちゃん、どこに行くの?」
「図書館に本を返しに行くんだ」
「あ、いいね。私も連れてって」

手を繋げなきゃ公園にすら行けない私は図書館になんて行ったことはない。
生前はよく行ったんだけど…ってこれじゃまるで私幽霊みたいか。

「え? でもさすがに…君はまだ小さいから駄目。僕はもうすぐ中学だから平気だけど、さすがに悠里ちゃんの面倒まで見られないよ」
「え〜」

むぅ、でも確かに、お父さんは心配するかもだし、病院のお母さんにまで連絡いったら大変だしね。
今回は諦めることにしよう。

「分かった。でもいつか連れてってね」
「うん、いいよ。本、好きなの? じゃあ代わりに絵本借りてきてあげるよ」
「あ、ううん。ありがとう。気持ちだけでいいよ。ね、公園まで連れてって」
「? うん、いいけど…悠里ちゃんはまだ小さいんだから、あんまり一人でうろうろしちゃ駄目だよ」
「うん」

うろうろしてたのは公園に渡るための人を探してたんだけどね。
その辺の買い物してるおばさんとかでもお願いすれば手を繋いでくれる。
お母さんと約束したとか危ないからとか言えばいい。
でもこれ…小学生低学年くらいまでしかきかないよねぇ。
大きくなったら道を渡れないとか…まぁ、それはその時に考えよ。
私はお兄ちゃんと道を渡る。
今日もあの二人くるのかなぁ。約束はしてないし、二人は私より2つ上なので幼稚園に通っているから会わない日も多い。

けど前はともかく今はいなくても気にならない。だってお母さんと弟のために鶴を折るの楽しいし。
それでも公園に行くのは勿論、さすがに千羽は無理でも手伝ってもらえたほうがたくさん鶴が折れるからだ。

あー…なんか嫌な子供だなぁ本当。二歳とは思えないよ。

「ありがとう、お兄ちゃん」
「どういたしまして、じゃあまたね悠里ちゃん」

お兄ちゃんもいい子だなぁ。……色々騙したりして悪いとは思うけど、さすがにバラすわけにはいかないもんね。

私はお兄ちゃんと笑顔で別れてから公園のベンチに座った。












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