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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード10『決戦前夜!』

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エピソード10-3

2017年2月4日:加筆調整

 午前11時、芸能事務所がネット上の情報が誤報である事を説明する記者会見を緊急に開く。
この様子はテレビ局でも報道される結果となったが、唯一放送していない放送局があり、そこでは通販番組が放送されていた。
テレビ中継では、放送局が違う、コメンテーターが違う、コメントを入れる個所が違う等――それ以外では、ほぼ同じと言ってもいい。
これでは、単純に視聴率稼ぎの為に番組を差し替えただけと言う印象をネット上で受けるのは間違いないだろう。
【このレベルの記者会見では、時間稼ぎと言うのが有力だな】
【何の時間稼ぎだ?】
【それは分からない。証拠を消す為とか、あるいは――】
【自分達が無実であると証明したいがためにネタを集めている可能性もある】
【今更、無罪だと言うのか? 自分達がやった事を棚に上げて】
【それは記者会見を行っている芸能事務所だけではない】
【自分だけ逃げようという算段なのか、それとも別の理由か?】
【あるいは、自分だけ爆弾発言をして、他の勢力の仕業と罪のなすりつけも――】
 つぶやきサイトのタイムラインを見て、若干呆れかえっているのは意外な人物である。
それは、この流れをARバイザーで確認し――芸能事務所の社員と名乗るサクラを撃破している飛龍丸ひりゅうまるだった。
彼女は西新井から谷塚までの大規模移動をしていたのだが、下手に気づかれるのもアレだったので、電車移動で谷塚駅までやってきたのである。
さすがに西新井からメイド服とARメットは――と思われたが、さすがに不審者と思われるのも問題があったので、電車に乗るときだけはバイザーメットを装着しなかった。
そして、谷塚駅に到着して改札口を通過後、ARメットを装着して駅を出た所で謎の集団が襲ってきたのだ。
「あいた口がふさがらないとは――よく言った物ね。これでは、パワードミュージックも買収されるのは時間の問題――」
 飛龍丸は理由があってパワードミュージックのアカウントを所持していない。厳密には正規方法におけるアカウントであるが――。
ロケテスト当時の物を持っているかもしれないが、バージョンによっては引継ぎが出来ない可能性もある。
ただし、ゲスト扱いの特別アカウントをあるタイミングで受け取っている為、アカウントなしプレイヤーとは扱われないようだが。
しばらくして、飛龍丸が上空を見ると、無人ドローンと思わしき物が飛んでいた。
テレビ局のマーカーが確認出来るが偽装の可能性がある。もしかすると、炎上狙いだろうか?
あれだけのサクラを投入し、作戦は失敗した以上――芸能事務所側も黙ってはいないだろう。


 10分後、記者会見は続くのだが――別のテレビ局が会見中継を打ち切る。
『会見の途中ですが、たった今、速報が入りましたのでお伝えします』
 この状況には他局の方も出し抜かれたと思い、中継を打ち切ろうともしたが――ほとんどは続行した。
視聴率で少し下がったとしても、完全中継をした方が視聴者をくぎ付けに出来るとテレビ局は思ったのだろう。
しかし、つぶやきサイト上では通販番組を放送していたテレビ局を『平常運転』として賞賛するようなコメントが多い。
それを打ち破れるニュースであれば、テレビ局としては都合がよかったと言えるが――。
『女性アイドルグループKが、本日付で活動を休止する事を発表しました。現在、芸能事務所側が確認を行っている模様です』
 そのニュースは、現在会見を行っている所属事務所のアイドルグループに関係する物だった。
何と、活動休止をするのだろ言う。速報と言う事で、詳細な情報は入り次第と濁される結果になったが。
【グループKが解散か?】
【活動休止だけだろう。事務所が事実確認中だと言う事は、まとめサイトの記事を鵜呑みにしたか?】
【グループKって、2つなかったか?】
【2つはないだろう。芸能事務所としても風評被害防止の観点で、似たようなパターンのグループ名は立ち上げないはず】
【じゃあ、今のは誤報?】
【誤報だったら速報はしない。それも、記者会見と言う視聴率が取れそうな中継を途中で中断してまで――】
 つぶやきサイト上では、今回の速報に関しての反応は二分しているような状態だ。
一体、何が起こったと言うのか? 仮にまとめサイトがソースだとしたら、そのサイトがアクセス殺到でパンクするはずだ。
そうしたつぶやきもない以上、ソースがまとめサイトと言う事はないらしいが――それでも、チャンネル争い的な部分では負けている。
「一体、何が起きようとしているのか――アイドルグループKは、そちらに関連するニュースは大きく報道されていないはずだが」
「大きく報道されていないからこそ、裏で政治家が口利きをしているのではないか、と疑われる」
「そう言う勢力を撒く為に活動休止と言うニュースを発表した。違うのか?」
「しかし、何処のアイドルグループも地下アイドルも一連の超有名アイドル商法等の風評被害を受けて、何処も壊滅的なダメージを受けている話だ」
 アンテナショップのスタッフも、一連のニュースを見て不安に思う個所がある。
ARゲーム用のモニターにはARゲーム関連のニュースも流れるが、一般のニュース番組で扱う物も流れる事が稀にあった。
アイドル関連のニュースは流れないが、別のテレビで民放のニュースが流れている関係で知ったという事らしい。


 更に5分後、記者会見も終わりに近づき――質疑応答に入っていた。
結論としてはVRゲームの一つで超有名アイドルタイアップイベントを開催した際、買収があった等――独占禁止法に関係する物である。
しかし、芸能事務所としては警察からの逮捕状が出ていないことを理由に無実であると説明、それがエンドレスで続けられていた。
強制捜査の連絡が入ったのは事実だが、それを何処からの物か説明しなかった事が事態を混乱させていると言ってもいい。
仮に強制捜査の指示をしたのがガーディアンだった場合、彼らからの追及は避けられないだろう。
別の組織だったとしても――組織が代わっただけで似たような対応をとる必要性があるだろうか?
『それでは、質疑応答に入ります。質問のある方は――』
 質疑応答に入った途端、即座に手を上げる人物がいた。彼は声を出す事無く、無言で挙手をしたのだが――。
その挙手をした人物の方をマスコミ等が確かめようとした途端、その顔を見て驚きの声を上げる人物もいた。
「私の名は西雲響にしぐも・ひびき――」
 その人物とは、西雲響にしぐも・ひびきだったのである。一体、どうやって記者会見に潜り込んだのか?
今は、その事を追求するよりも――マスコミは彼がどのような質問をするのか、そちらの方を注目していた。
『では、最初の質問はあなたにします。こちらとしても、下手に週刊誌の記者が――っと、失礼』
 司会進行の男性が何かを滑らせるような発言をするのだが、それは他のマスコミも聞き流してしまった。
それほど、西雲がこの場に現れた事に衝撃を受けたのかもしれない。
西雲の方は真剣な表情をしているのだが、表情はARバイザーの影響で確認が出来ない為、マスコミは何かを疑っている。
『しかし、あなたも他人の事は言えないと思えますが――偽装記者会見やアカシックレコードの書きかえ――』
 司会進行の人物は、西雲が名前を名乗ってから質問内容を言わないので、先制パンチを仕掛けるかのように発言をする。
しかし、それでも西雲が表情を変える事はない。どちらにしても、ARバイザーに隠れて顔は見えないのだが。
『それは都合の良い事を――我々を出しぬけると思ったら、大間違いだと言う事です。ガーディアンを甘く見てると、痛い目を見ますよ』
 西雲が司会進行の人物からアカシックレコードの話が出た所で、スマホ端末を取り出したのである。
それは通話状態になっており、ある人物に繋がっている状態でもあった。盗聴器とは違うのだが、マスコミの方も驚きの声を上げる人物が――。
そのスマホからの声を聞いて驚いたのは、司会進行である。
本来の芸能事務所社長が驚くような様子はなく、それに加えて表情の変化すら見せない事に違和感を感じていた。
「ジャミング!」
 西雲が一言叫ぶと、左腕に隠していたユニットからジャミング音波が発生し――会見に出席しているはずの芸能事務所社長の姿がノイズで正常に表示されなくなったのである。
表示されなくなったというよりは、人物にノイズが混じるような状態になっていた。まるで、アバターが表示バグでノイズだらけになっているような――。
『なるほど――。アカシックレコードの単語が出てきたのも、納得と言う事か』
 ジャミングに関してはARゲームのシステムにしか干渉しない物であり、そこで社長の姿が消えたという事は――。
記者たちはARバイザーを装着していないのだが、記者会見会場で配られたメガネをかける事が指示されている。
つまり――目の前にいた社長がARアバターと言う事を、誰も疑おうとはしなかったのだ。
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