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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード9『交差する日常と非日常』

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エピソード9-9

2017年2月3日付:加筆調整
 午後3時50分、比叡ひえいアスカが姿を見せたのは竹ノ塚駅より徒歩10分程のARゲームオープンフィールドである。
この施設は主に対戦格闘等のような大勢の観客を収容するタイプのARゲーム専用で作られたフィールドだった。
この施設に関しては特に貸し切り等の様なシステムはなく、誰でもARゲームのジャンルを指定してプレイする事が可能――。
しかし、一部ジャンルはフィールド確保と観客動員などの関係で不可能と入り口にも書かれていた。
ARリズムゲーム、ARレースゲーム等が代表例なのだが――ライバル店も近くにあるので、そちらへ流れる関係もあって問題はなさそうである。
そして、パワードミュージックはリズムゲームではなく、カテゴリーとしてはARパルクールの為に問題はない。
【フィールド構成はトラックタイプではなく、フィールド外も使用する複合タイプとなります。雨天の場合は中止の可能性がある事をご了承ください】
 パワードミュージックの受付近くには、このような立て看板も存在した。
なお、ARパルクールは複合タイプだが雨対策は問題ないようで、こちらは客足が多いように感じる。
雨天でも問題なくARパルクールがプレイ可能な場所として、このアンテナショップは一部のプレイヤーには有名らしい。
「その程度か? 既に、こちらは別の場所で遠征もしてきた後と言うのに――」
 比叡の方は若干余裕相場表情を見せる。ただし、ARバイザーの影響で素顔は見えないのだが。
実際に比叡は別所でチートプレイヤーの暴露を行い、その後でこの場所へ来ている。
ARボード等を使えば短時間でフィールドを自在に移動でき、比叡もARボードを使用してこの場所まで来たようだ。
「馬鹿な――1曲勝負でも勝ち目がないと言うのか?」
 ある男性プレイヤーは叫ぶ。3曲単位等では勝ち目がないと判断し、1曲勝負を仕掛けたのである。
このプレイヤーはチート装備や課金装備の類はない。無課金プレイヤーと言う訳でなく、カスタマイズは特に行わないタイプだろう。
しかし、ARゲームへの自信はあったし、動画等でも研究済みと言う中で比叡に挑んだ。
「チート兵器などもなし、廃課金装備も所持していないと言うのに――この差は何だ!?」
 その結果は、無残と言う一言がふさわしいのか――?
あるいは不正ガジェットや廃課金装備を使わなければペナルティもないと慢心していたのか? 
「差があるとすれば、ARゲームにどれほど熱意を注げるか――その差よ」
「熱意だと?」
「あなたたちの様なFX投資とか、転売屋の様に資金を単純に回すだけでもうけようと言う魂胆の人間には――負けるわけにはいかないから」
 男性プレイヤーの正体が、実はアイドル投資家でなくてもFX投資等の様な手段でもうけようと言う人物だった為――比叡に負けたのだと言う。
まるで、比叡に負ける勢力が最初から決まっているような――それこそ、デウス・エクス・マキナを連想するような展開だった。
その後に動画が公開されたのだが、比叡と言うだけで再生数が上昇しているだけと言う状況であり、相手プレイヤーはCPUなのでは――という意見が多かったようである。
まさかの動画視聴者からも眼中なしと言う展開になるとは予想もしていなかっただろう。
彼の野望を考えれば、文字通りのブーメランだったのかもしれないが。


 午後4時10分、ニュース番組の速報で芸能事務所の一つが破産となった事が伝えられた。
そして、そこに所属しているアイドルを別の芸能事務所が引き受けると言う話になっていたのが――中止になったと報道される。
【中止?】
【一体、何が起こっているのか】
【あの芸能事務所は特に不祥事とかなかったはず。それが唐突に破産と言うのもおかしい】
【まさか、芸能事務所Aが買収する為に――?】
【海外進出を狙っている芸能事務所がライバルつぶしをしているのかも】
【あの芸能事務所はCD大賞の大賞を金で買ったと――】
【破産? 圧力でつぶされたの間違いじゃないのか】
【アイドル事務所を一つにして、国際スポーツ競技イベントも超有名アイドル一色にする気か?】
 やはりというか、炎上マーケティング目的のつぶやきばかりがピックアップされ、まとめサイトに掲載――。
例によって炎上している状況になっている。結局、この光景はテンプレとなる程に繰り返されてしまうのか?
しかし、分かっている人物にとっては今回の一件が大きな事件を誘発する為の罠である事は百も承知らしい。


 午後4時20分、ARゲームとは若干無縁なゲーセンの近所、そこには丁度ARゲームのアンテナショップが目の前にある。
特別な店舗環境だが、このゲーセンが閉店に追い込まれた訳ではない。
むしろ、客足はARゲームのアンテナショップがオープンしてからも変わっていなかった。
追い打ちをかけるとすれば、逆に客足は時間帯によってはゲーセンの方が多い位。
「あれは、もしかして――?」
 ゲーセンから出てきたのは木曾きそアスナである。相変わらずの眼帯に黒マントだが、特に不審者と言われるような事はない。
ハロウィンでも場所によっては不審者と言われるかもしれないが、草加市ではそんな事はないのである。
 アンテナショップでARFPSをプレイしていたのはアイドル投資家である事が、装備などで分かった。
理由としてはチート装備と言う訳ではなく、肩のマーカーである。
デザインが超有名アイドルグループAの物をそのまま使っていたからだが――そのまま使えば、本来であればアウトのはずだ。
「そのままのデザインを転載しているのに、ARゲームの方でエラーが出ないのは――」
 木曾はプレイしている様子を見て、何かおかしな光景に気付いた。本来であれば、不正なガジェットがあればエラーを吐くはず。
それが全くないのはおかしいのに加えて、スーツのデザインでも不適切であれば強制終了もジャンルによってはある。
ARアーマーの安全性が保証できないケース等では強制終了になるが、それ以外でも明らかな宣伝行為等が確認されると――。
「これが、超有名アイドル勢力のプロパガンダと言う事か――」
 木曾は超有名アイドルの行おうとしている事が非常に危険であるか――改めて知る事になった。
以前にもプロパガンダ疑惑は何度も疑問に思う事があった。しかし、今回の一件で事件は加速するだろう――そう感じたのである。
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