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リズムゲームプラスパルクール 作者:桜崎あかり

エピソード7『架空と現実の境界線』

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エピソード7-8

2017年1月27日:加筆調整
 今から数年前――ネット上で超有名アイドル騒動が展開されていた頃の話。
「アレを見ろ!」
「人間――なのか?」
「さっきも似たようなアーマーを着ていた人物がいたが――同一人物か?」
 草加市の某所、低階層ビルが多いエリアにて一人の人物がビルの間を飛び回っていた。
ギャラリーの集まり方もかなりの物であり、これによって周辺住民に影響が出るような流れを感じさせる。
警察官の姿は確認されていないのと、テレビカメラが回っていないので大きな騒動にギリギリの範囲でなっていないと言うべきか。
「パワードスーツの実験でもしているのだろうか?」
 身長168センチ位、黒髪のセミショートに黒い瞳、体格はアスリートを思わせるような――。
彼女は、後にアイオワと名乗る事になる女性である。この当時は、まだアイオワとは別のハンドルネームを名乗っていた。
何故、ハンドルネームが違うのかと言うと――あるアイドルグループの追っかけをしていたからである。
そのアイドルは知名度は高くないが、ネット上では超有名アイドルよりも人気があると言う。
決して二次元のアイドルではなく、3次元の男性グループである。男性アイドルの追っかけと言うには服装が普通すぎる予感もするかもしれない。
実際、追っかけと言ってもCDを買う程度で、コンサートには足を運ばないタイプ。
その理由はかなりの資金をつぎ込む程の資金力がある訳ではないという――CDを購入して買い支えを行うようなタイプなのだ。


 午前11時、アイオワはコンビニでペットボトルのコーラを購入し、店を出てフードコートスペースに座り、そこでふたを開けた。
「このご時世に、特撮の撮影なんて――尚更あり得ないか」
 その後、アイオワはコーラを飲みつつ、タブレット端末のブラウザを立ち上げて何かのサイトをチェックしていた。
「特撮の撮影であれば、埼玉県内でも有名な場所は存在する。それに、ここで撮影を行う意味があるのかどうか――」
 アイオワは色々な意味でも撮影を行う理由が、分からずじまいだった。ロケの場所という意味では、有名所はあるのだが――。 
そして、アイオワの見ていたサイトには、ある物が公開されているとの話。その正体とは――。
「この記述は――?」
 アイオワが目撃した物、それはARゲームに関係した記述であるのだが、その構造は一部が黒塗りになっており、詳細の一部が不明である。
それに――画像の一部にもメーカーのマークなどで黒塗りが入っており、何かを意図的に隠そうと言う物を感じていた。
しかし、それでも作ろうと思えば様々なデータを組み合わせて復元する事は不可能ではない。
仮に今回の技術で先ほど目撃したアレを再現したのだとしたら――?


 西暦2019年4月25日午後1時30分、ビスマルクと日向ひゅうがイオナの1曲目が終わった所である。
その様子を草加駅近くのアンテナショップで見ていたのは、何を隠そうアイオワだった。
「あまり深くは考えなかったけど、パワードミュージックもアカシックレコードを利用していたのかも――」
 レースの方はビスマルクの圧勝だった。日向の方はギリギリのクリアだったが、スコアを見れば一目瞭然である。
どう転んでも、ビスマルク圧勝の展開は揺るぎないのだ。これを変える事が出来れば――ある意味でチートと言われる可能性が高い。
チートと言っても不正アプリや違法ガジェットの類でのチートとは話が違う。このケースだと、リアルチートの方である。
超有名アイドルはリアルチートよりも、メッキと言う路線と言う事で単なるチート呼ばわりなのだが。
「しかし、仮にアカシックレコードの技術を利用していたとしたら――訴えてきそうな雰囲気もある」
 アイオワが疑問に思った事、それはアカシックレコードに記載された技術は誰のものか?
その技術の一部にはスタッフの名前もあるのだが、半数以上はスタッフの名前が描かれている部分が黒塗り、フリー素材と書かれている物等が多い。
彼らは本当に技術屋なのか――やっている事を考えれば、想像もできないようなことだ。
一方で、アカシックレコードの技術がどのような結果を生み出すのか――と言う実験を行っている可能性さえある。
つまり、アカシックレコードに技術を残した人物は、実験結果のデータを収集したいと考えているのかもしれない。


 2曲目はビスマルクが設定した物だが、そのレベルは9である。中途半端と言うよりは、日向を試すつもりなのだろう。
「日向の狙いが分からないが――向こうが高難易度を選んでいる以上、こちらが低難易度を選ぶのは――」
 口には出さないが、低難易度譜面で攻めれば日向に塩を送るような可能性もあったのである。
それ以外にもギャラリーを敵に回し、逆効果を呼ぶという事も否定できない。
1曲目で高難易度を選択した日向、周囲の反応を踏まえれば――下手に低難易度を選ぶのは危険と判断した。
その為、高難易度でも比較的に動向を試す事が出来る範囲で考えた結果、レベル9が妥当と判断する。


 日向の方はレベル9が指定された事に対しては、特に何も反応はなかった。逆に1曲目でスコアを取れなかった方がダメージが大きい。
「周囲の反応を見た結果が、これか――」
 日向もパワードミュージックのプレイ回数は多くない。ギャラリーの反応で譜面難易度を選んだ事が、逆に仇となっていた。
本来であれば、彼女のレベル的に2ケタ難易度はクリアできなくて当たり前と言う状態である。
高難易度を選んで捨てゲーに走り、ネットを炎上させるよりは――何とか健闘した方かもしれない。
「やはり、自分自身のスキル――それ以上の物を求めるのは危険と言うべきか」
 日向の方は今のレベル以上の物を求めれば、尚更危険であると考えている。ARゲームではよくあることだが。
しかし、高みを望む事は悪い事ではない。得られる物の大きさを考えればチャレンジする事は推奨される。
「今の現状では、高レベル難易度のプレイで演奏失敗でもすれば――ネットで炎上するのはお決まりになっている」
 日向は、チャレンジしようとしても悪意あるユーザーが炎上のネタに利用する勢力がいる事――それが日向にとっても許せる事ではなかった。
ARゲームに限った事ではないが、自分が目立つ為だけに場を荒らしまくった結果――その環境が消滅する事がある。
ゲームである以上、勝者がいれば敗者がいるのは百も承知しているが――それでも、一時的な感情だけでつぶやいた結果がネットを炎上させるのだ。
このような環境の変化は、まるで自然災害等を連想し、それを復興させるのにも莫大な時間がかかる場合もある。
「ARゲームの環境を守る事――それが、自分の居場所なのだろうか?」
 日向はARゲームの環境を守る事に全力を注いでいるが、本当にそれは誰かに言われた物と否定できるのか?
それには、若干の自信が持てないでいる。
「自分の居場所は――自分が決める!」
 日向は覚悟を決めた。超有名アイドルに自分達の居場所を荒させはしない――と。
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